愛知県医療信用組合——歯科医師の業域信組は、何に貸すか
預貸率13.8%、自己資本比率12.56%、不良債権比率1.31%。名古屋市に本店を置く愛知県医療信用組合。歯科医師を組合員とする業域信用組合の数字を読みます。
愛知県名古屋市に本店を置く愛知県医療信用組合は、預金115億円、貸出金16億円、店舗1。愛知県歯科医師会の会員である歯科医師を主な組合員とする、業域の信用組合です。本店は愛知県歯科医師会館内に置かれています。
愛知県医療信用組合は、1962年に、愛知県歯科医師会の会員の相互扶助を図る一助として設立されました。歯科医師という、開業資金や高額な医療機器への投資という特殊な資金需要を持つ職能に対して、その事情を知る金融機関として歩んできた業域信組です。2015年には岐阜県・三重県の歯科医師会会員も利用できるよう営業エリアを広げています。組合員になれるのは、歯科医師などに限られます。
まず、数字を並べる
愛知県医療信用組合の預金は115億円、貸出金は16億円、預貸率13.8%。自己資本比率は12.56%、不良債権比率は1.31%。中小企業等向けの貸出先は216件です。
| 預金 | 115億円 |
|---|---|
| 貸出金 | 16億円 |
| 預貸率 | 13.8% |
| 自己資本比率 | 12.56% |
| 不良債権比率 | 1.31% |
| 中小企業等向け貸出先 | 216件 |
| 店舗 | 1店 |
預貸率13.8%。歯科医師の業域信組の数字を読む。
13.8%を、業域から読む
預貸率13.8%という低さは、職能を単位とする業域信組の性格をよく表しています。組合員が歯科医師に限られ、その資金需要は開業や設備投資など限られた局面に集中するため、貸出先はおのずと絞られ、集めた預金の多くは運用に回ります。預貸率が低くなる、職域・業域の信組に典型的な姿です。不良債権比率1.31%は低い水準で、安定した職能の組合員を相手とすることの表れと読めます。
歯科医師の開業には、診療所の整備や高額な医療機器の購入など、まとまった資金が必要になります。愛知県医療信用組合は、こうした職能に固有の資金需要を知る金融機関として、組合員の相互扶助の役割を担ってきました。会員資格が職能に限られるため、一般の事業者向けの金融機関とは性格が異なります。
制度——業域の信用組合とは
信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。
信用組合には、地域を単位とする「地域信組」のほか、特定の職業を単位とする「職域信組」、特定の業種を単位とする「業域信組」があります。愛知県医療信用組合は、歯科医師という職能を単位とする業域信組です。組合員になれるのが歯科医師などに限られるため、貸出先がおのずと絞られ、預貸率は低くなります。低い預貸率は、運用に回る資金が多いことの表れと読めます。
数字は、組合の成り立ちを映す
預貸率13.8%という低さは、歯科医師という職能を組合員とし、その開業や設備投資という特殊な資金需要に応えてきた業域信組の姿を映しています。愛知県医療信用組合の数字は、歯科医師の相互扶助の金融機関の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、愛知県の他の金融機関は愛知県の地域金融機関のページもどうぞ。
執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
愛知県医療信用組合の沿革(1962年に愛知県歯科医師会の会員の相互扶助を図る目的で設立、2015年に岐阜県・三重県の歯科医師会会員にも営業エリアを拡大、本店が愛知県歯科医師会館内にあること、歯科医師を組合員とすること)に関する記述=愛知県医療信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
業域信用組合の特殊な資金需要・相互扶助としての機能に関する記述=各種公開情報。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。
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