兵庫県医療信用組合——医師・歯科医師・薬剤師の業域信組は、何に貸すか
預貸率47.5%、自己資本比率12.03%、不良債権比率1.13%。神戸市に本店を置く兵庫県医療信用組合。医師・歯科医師・薬剤師の三師会を母体とする業域信用組合の数字を読みます。
兵庫県神戸市に本店を置く兵庫県医療信用組合は、預金818億円、貸出金389億円、店舗4。医師・歯科医師・薬剤師を主な組合員とする、業域の信用組合です。
兵庫県医療信用組合は、1960年、当時の県医師会長が金融事情の逼迫に対処する目的で設立を企画し、県の指導により医師会・歯科医師会・薬剤師会の三師会を母体とする業域団体として設立されました。医療という、開業資金や高額な医療機器への投資という特殊な資金需要を持つ職能に対して、その事情を知る相互扶助の金融機関として歩んできました。組合員になれるのは、医師・歯科医師・薬剤師などに限られます。
まず、数字を並べる
兵庫県医療信用組合の預金は818億円、貸出金は389億円、預貸率47.5%。自己資本比率は12.03%、不良債権比率は1.13%。中小企業等向けの貸出先は743件です。
| 預金 | 818億円 |
|---|---|
| 貸出金 | 389億円 |
| 預貸率 | 47.5% |
| 自己資本比率 | 12.03% |
| 不良債権比率 | 1.13% |
| 中小企業等向け貸出先 | 743件 |
| 店舗 | 4店 |
不良債権1.13%。医師・歯科医師・薬剤師の業域信組の数字を読む。
47.5%と1.13%を、業域から読む
預貸率47.5%は、職能を単位とする業域信組としては相応の水準で、医療という職能の開業や設備投資といった資金需要に応えてきたことを示します。とりわけ目を引くのが、不良債権比率1.13%という低さです。安定した職能の組合員を相手とすることが、焦げ付きの少なさに表れていると読めます。医師・歯科医師・薬剤師という三師会を母体とすることで、医療に固有の事情を知る金融機関として機能してきました。
医療機関の開業や設備の更新には、まとまった資金が必要になります。兵庫県医療信用組合は、こうした職能に固有の資金需要を知る金融機関として、組合員の相互扶助の役割を担ってきました。会員資格が職能に限られるため、一般の事業者向けの金融機関とは性格が異なります。
制度——業域の信用組合とは
信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。
信用組合には、地域を単位とする「地域信組」のほか、特定の職業を単位とする「職域信組」、特定の業種を単位とする「業域信組」があります。兵庫県医療信用組合は、医師・歯科医師・薬剤師という職能を単位とする業域信組です。組合員になれるのが三師会の会員などに限られるため、一般の地域信組とは性格が異なります。医療という職能に固有の資金需要に応えてきたことが、相応の預貸率と低い不良債権に表れていると読めます。
数字は、組合の成り立ちを映す
預貸率47.5%という相応の水準と、不良債権比率1.13%という低さは、医師・歯科医師・薬剤師という職能を組合員とし、その開業や設備投資という特殊な資金需要に応えてきた業域信組の姿を映しています。兵庫県医療信用組合の数字は、三師会を母体とする業域信用組合の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、兵庫県の他の金融機関は兵庫県の地域金融機関のページもどうぞ。
執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
兵庫県医療信用組合の沿革(1960年に県医師会長が設立を企画し、県の指導により医師会・歯科医師会・薬剤師会の三師会を母体として設立、医師・歯科医師・薬剤師を組合員とする業域信用組合であること)に関する記述=兵庫県医療信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
業域信用組合の特殊な資金需要・相互扶助としての機能に関する記述=各種公開情報。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。
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