意外と貸してる? 杜陵信用組合——岩手県職員の信組の数字を読む
預貸率48.3%、自己資本比率25.4%、不良債権比率0.48%。盛岡市に本店を置く杜陵信用組合。岩手県職員を組合員とする職域信用組合の数字を読みます。
岩手県盛岡市に本店を置く杜陵信用組合は、預金172億円、貸出金83億円、店舗1。岩手県の職員とその関係団体の職員などを組合員とする、職域の信用組合です。本店は岩手県庁内に置かれています。
杜陵信用組合は、1916年に杜陵信用購買利用組合として設立された歴史を持ち、1950年に中小企業等協同組合法に基づき杜陵信用組合となりました。「杜陵」は盛岡の雅称です。岩手県職員という安定した職に従事する人々の相互扶助を目的とし、給与天引きを前提とした預金と、住宅や生活資金などの低利融資を通じて、組合員の福利厚生を支える役割を担ってきました。組合員になれるのは、岩手県職員などに限られます。
まず、数字を並べる
杜陵信用組合の預金は172億円、貸出金は83億円、預貸率48.3%。自己資本比率は25.4%、不良債権比率は0.48%。中小企業等向けの貸出先は1,532件です。
| 預金 | 172億円 |
|---|---|
| 貸出金 | 83億円 |
| 預貸率 | 48.3% |
| 自己資本比率 | 25.4% |
| 不良債権比率 | 0.48% |
| 中小企業等向け貸出先 | 1,532件 |
| 店舗 | 1店 |
不良債権0.48%。岩手県職員の職域信組の数字を読む。
48.3%と0.48%を、職域から読む
とりわけ目を引くのが、不良債権比率0.48%という、ほぼゼロに近い低さと、自己資本比率25.4%という厚さです。組合員が安定した職にある県職員であり、給与天引きを前提とした融資が中心となるため、焦げ付きが極めて少ないと読めます。職域信組に共通する、貸出の質の高さと堅実さです。預貸率48.3%は、職員信組としてはむしろ高めの水準で、集めた預金のおよそ半分を組合員に貸し出しています。会員が限られる職員信組の預貸率が一割前後にとどまることも少なくないなか、職員の住宅資金などの需要に着実に応えてきたことがうかがえます。
職域信組は、特定の職に従事する人々の相互扶助の金融機関です。給与天引きによる安定した積み立てと、住宅や生活資金の低利融資を通じて、組合員である職員の福利厚生を支える役割を担います。杜陵信用組合の低い不良債権と厚い自己資本は、その会員基盤の表れと読めます。
制度——職域の信用組合とは
信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。
信用組合には、地域を単位とする「地域信組」のほか、特定の職業を単位とする「職域信組」、特定の業種を単位とする「業域信組」があります。杜陵信用組合は、岩手県職員を単位とする職域信組です。組合員になれるのが職員などに限られるため、一般の地域信組とは性格が異なります。安定した職にある職員を組合員とすることが、ほぼゼロの不良債権と厚い自己資本に表れていると読めます。
数字は、組合の成り立ちを映す
不良債権比率0.48%という低さと、自己資本比率25.4%という厚さは、安定した職にある県職員を組合員とし、その福利厚生を支えてきた職域信組の姿を映しています。杜陵信用組合の数字は、盛岡の県職員の相互扶助の金融機関の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、岩手県の他の金融機関は岩手県の地域金融機関のページもどうぞ。
執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
杜陵信用組合の沿革(1916年に杜陵信用購買利用組合として設立、1950年に中小企業等協同組合法に基づき杜陵信用組合へ、本店が岩手県庁内にあること、岩手県職員等を組合員とする職域信用組合であること)に関する記述=杜陵信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
職域信用組合の給与天引き・福利厚生としての機能に関する記述=各種公開情報。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。
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