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第四北越銀行——ライバル二行が一つになった、新潟の盟主の数字

預貸率65.7%、自己資本比率9.42%、不良債権比率2.06%。長年競い合った第四銀行と北越銀行が2021年に合併して生まれた新潟県のトップバンク。県内シェア約5割を握る地銀の数字を読む。

ニホン銀行紀行 ・ 新潟県

新潟県は、日本有数の米どころであり、本州の日本海側で最も人口の多い県だ。広い越後平野に水田が広がり、燕三条の金属加工、長岡や上越の製造業など、ものづくりも盛んだ。その新潟県のトップバンクが、第四北越銀行——「だいしほくえつぎんこう」である。新潟市に本店を置く。

この銀行の名前は、二つの銀行の名を足したものだ。第四銀行と北越銀行。新潟県内でシェア1位と2位を占め、長年激しく競い合ってきた二行が、2021年に一つになった。なぜ、長年のライバルが手を組んだのか。その歴史と数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。第四北越銀行の預金は8兆5,493億円、貸出金は5兆6,143億円。預貸率は65.7%で、預金の3分の2ほどを貸出に回している。自己資本比率は9.42%、不良債権比率は2.06%。店舗数は207と多く、中小企業等への貸出先は約19万3千件にのぼる。新潟県内の貸出金シェアは約5割に達し、県の金融を文字どおり束ねる存在だ。預金規模は地方銀行のなかでも上位に位置する。

長年のライバルが、一つになった

第四北越銀行の源流をなす二行は、いずれも古い歴史を持つ。第四銀行は、1872年の国立銀行条例に基づいて設立された「ナンバー銀行」の一つで、その商号のまま現存する法人としては最も古い銀行だった。新潟県のリーディングバンクとして、県と新潟市の指定金融機関を務めてきた。一方の北越銀行は、長岡を地盤とし、1878年創業の第六十九国立銀行などを源流に持つ。新潟県内で第四銀行に次ぐ第2位の地方銀行だった。

シェア1位と2位の二行は、長年、県内で激しく競合してきた。だが、低金利の長期化と人口減少という厳しい経営環境のなか、両行は競い合うより手を組むことを選んだ。2018年に第四北越フィナンシャルグループを設立して経営統合し、2021年1月1日、両行が合併して第四北越銀行が発足した。法人格としては第四銀行が存続し、本店は新潟市に置かれた。長年のライバルが一つになるという、地方銀行再編の象徴的な出来事だった。

米どころとものづくりに貸す

第四北越銀行の預貸率65.7%は、地方銀行のなかではやや控えめな水準だ。よく貸す地銀ほど高くはない。この数字の背景には、新潟県という土地の事情がある。

新潟県は米作を中心とする農業県であると同時に、燕三条の金属加工や長岡の製造業などものづくりの集積もある。だが、人口は減少傾向にあり、県全体の資金需要が大きく伸びる土地ではない。県内シェア約5割を握りながらも、無理に貸し込まず堅実に貸す——預貸率65.7%という数字は、合併で大きくなった盟主の、地に足のついた経営を映している。

預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。シェアが大きいことと、よく貸すことは、必ずしも一致しない。

さらなる再編へ

第四北越銀行の歩みは、合併で終わりではない。2026年、親会社の第四北越フィナンシャルグループは、群馬県のトップバンクである群馬銀行との経営統合で最終合意したと発表した。グループ名を「群馬新潟フィナンシャルグループ」に変更し、2027年4月に群馬銀行が傘下に入る予定だ。新潟と群馬という、隣り合う二県の盟主が手を組む——地方銀行の再編は、県の枠を越えてさらに進もうとしている。第四北越銀行は、その大きな流れの中心にいる。

新潟の経済とともに

第四北越銀行の数字は、米どころとものづくりの新潟県を、堅実に支える姿を映している。長年のライバルが一つになり、県内シェア約5割を握る盟主となった。そしていま、群馬銀行との統合で、さらに大きな再編へと向かっている。新潟の経済の背骨として、その役割を担い続けている。

銀行の数字は、その土地の経済と再編の動きを映す鏡だ。第四北越銀行を見れば、米どころ・新潟の姿と、地方銀行が生き残りをかけて進める再編の流れが浮かぶ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。新潟県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、新潟県の地域金融機関のページへ。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
沿革(第四銀行・北越銀行・2018年第四北越FG設立・2021年合併・県内シェア約5割)=第四北越銀行・第四北越フィナンシャルグループ公開情報、各種報道、各種公開情報。
群馬銀行との経営統合(2026年最終合意・2027年4月予定・群馬新潟フィナンシャルグループ)に関する記述=各種報道、各種公開情報。
新潟県の産業(米作・金属加工・製造業)に関する記述=各種公開情報。

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