やっぱり堅実、朝日新聞信用組合——新聞社員の信組の数字を読む
預貸率30.0%、自己資本比率13.69%、不良債権比率0.27%。中央区に本店を置く朝日新聞信用組合。朝日新聞社とその関連企業の従業員を組合員とする職域信用組合の数字を読みます。
東京都中央区に本店を置く朝日新聞信用組合は、預金420億円、貸出金126億円、店舗2。朝日新聞社とその一部の関連企業の従業員を組合員とする、職域の信用組合です。
朝日新聞信用組合は、1922年に創立された朝日信用購買組合を前身とし、1950年に朝日信用組合、1987年に朝日新聞信用組合となりました。2022年に創立100周年を迎えています。信用組合は地域・業域・職域の三業態に分かれ、職域の大半は官公庁を母体としますが、民間企業を母体とするのは毎日新聞の毎日信用組合とこの朝日新聞信用組合だけという、珍しい職域信組です。組合員になれるのは、朝日新聞社の従業員などに限られます。
まず、数字を並べる
朝日新聞信用組合の預金は420億円、貸出金は126億円、預貸率30.0%。自己資本比率は13.69%、不良債権比率は0.27%。中小企業等向けの貸出先は1,286件です。
| 預金 | 420億円 |
|---|---|
| 貸出金 | 126億円 |
| 預貸率 | 30.0% |
| 自己資本比率 | 13.69% |
| 不良債権比率 | 0.27% |
| 中小企業等向け貸出先 | 1,286件 |
| 店舗 | 2店 |
預貸率30.0%・不良債権0.27%。新聞社員の職域信組の数字を読む。
30.0%と0.27%を、職域から読む
預貸率30.0%という低さと、不良債権比率0.27%という際立った低さは、職域信組の性格をよく表しています。組合員が特定企業の従業員に限られるため、貸出先はおのずと限られ、集めた預金の多くは運用に回ります。預貸率が低くなる、職域信組に典型的な姿です。一方、組合員が安定した職にあり、給与天引きを前提とした融資が中心となるため、焦げ付きは極めて少なく、不良債権比率は0.27%という低さになります。
職域信組は、特定の企業や職に従事する人々の相互扶助の金融機関です。給与天引きによる安定した積み立てと、住宅や生活資金の低利融資を通じて、組合員である従業員の福利厚生を支える役割を担います。朝日新聞信用組合の低い預貸率と低い不良債権は、その会員基盤の表れと読めます。
制度——職域の信用組合とは
信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。
信用組合には、地域を単位とする「地域信組」のほか、特定の職業を単位とする「職域信組」、特定の業種を単位とする「業域信組」があります。朝日新聞信用組合は、朝日新聞社とその関連企業の従業員を単位とする職域信組です。組合員になれるのが従業員などに限られるため、貸出先がおのずと限られ、預貸率は低くなります。低い預貸率は、運用に回る資金が多いことの表れと読めます。
数字は、組合の成り立ちを映す
預貸率30.0%という低さと、不良債権比率0.27%という低さは、特定企業の従業員を組合員とし、その福利厚生を支えてきた職域信組の姿を映しています。朝日新聞信用組合の数字は、民間企業を母体とする数少ない職域信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、東京都の他の金融機関は東京都の地域金融機関のページもどうぞ。
執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
朝日新聞信用組合の沿革(1922年創立の朝日信用購買組合を前身とし、1950年に朝日信用組合、1987年に朝日新聞信用組合へ、2022年に創立100周年、民間企業を母体とする数少ない職域信用組合であること、朝日新聞社等の従業員を組合員とすること)に関する記述=朝日新聞信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
職域信用組合の給与天引き・福利厚生としての機能に関する記述=各種公開情報。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。
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