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東京厚生信用組合——福祉・医薬・環境衛生の業域信組は、何に貸すか

預貸率73.6%、自己資本比率23.14%、不良債権比率5.08%。新宿区に本店を置く東京厚生信用組合。福祉・医薬・環境衛生・食品の事業者を組合員とする業域信用組合の数字を読みます。

ニホン銀行紀行 ・ 東京都

東京都新宿区に本店を置く東京厚生信用組合は、預金520億円、貸出金383億円、店舗4。福祉・医薬・環境衛生・食品などの事業を営む個人や中小事業者を組合員とする、業域の信用組合です。

東京厚生信用組合は1953年に台東区で設立され、1977年に本店を新宿区西新宿へ移しました。医療・福祉や、理美容・クリーニングといった環境衛生、食品などの業種を対象に、相互扶助の金融機関として歩んできた業域信組です。地域を地盤とする信用組合とは異なり、組合員になれるのは、対象とする業種を営む事業者などに限られます。

まず、数字を並べる

東京厚生信用組合の預金は520億円、貸出金は383億円、預貸率73.6%。自己資本比率は23.14%、不良債権比率は5.08%。中小企業等向けの貸出先は1,086件です。

東京厚生信用組合(令和7年3月末)
預金520億円
貸出金383億円
預貸率73.6%
自己資本比率23.14%
不良債権比率5.08%
中小企業等向け貸出先1,086件
店舗4店

預貸率73.6%・自己資本23.14%。福祉・医薬・環境衛生の業域信組の数字を読む。

73.6%と23.14%を、業域から読む

預貸率73.6%は、信用組合として高い部類で、集めた預金の七割超を組合員に貸し出しています。会員資格が限られると預貸率が低くなりやすい職域・業域の信組のなかで、73.6%という高さは、対象とする業種に資金需要があり、それに応えてきたことを示します。あわせて、自己資本比率23.14%という厚さも目を引きます。特定の業種を対象とする信組として、よく貸しつつ厚い守りを保ってきた姿がうかがえます。

業域信組は、特定の業種に共通する資金需要に応える役割を担います。福祉・医薬・環境衛生・食品といった業種の事業者にとって、業界の事情を知る金融機関は、設備投資や運転資金の相談相手になります。組合員どうしの相互扶助という、協同組織金融機関の原型に近い役割を、業種という単位で果たしている信組です。不良債権比率5.08%はやや高めながら極端ではありません。

制度——業域の信用組合とは

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

信用組合には、地域を単位とする「地域信組」のほか、特定の職業を単位とする「職域信組」、特定の業種を単位とする「業域信組」があります。東京厚生信用組合は、福祉・医薬・環境衛生・食品といった業種を単位とする業域信組です。組合員になれるのが対象業種の事業者などに限られるため、一般の地域信組とは性格が異なります。預貸率73.6%という高さは、対象業種の資金需要に応えてきたことの表れと読めます。

数字は、組合の成り立ちを映す

預貸率73.6%という高さと、自己資本比率23.14%という厚さは、福祉・医薬・環境衛生・食品という業種を単位に、組合員に貸しつつ厚い守りを保ってきた信組の姿を映しています。東京厚生信用組合の数字は、業域信用組合の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、東京都の他の金融機関は東京都の地域金融機関のページもどうぞ。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
東京厚生信用組合の沿革(1953年に台東区で設立、1977年に新宿区へ本店移転、福祉・医薬・環境衛生・食品などの業種を対象とする業域信用組合であること)に関する記述=東京厚生信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
信用組合の地域・職域・業域の区分に関する記述=各種公開情報。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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