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愛知県中央信用組合——西三河の碧南で、信組は何に貸すか

預貸率62.4%、自己資本比率9.91%、不良債権比率8.11%。碧南市に本店を置く愛知県中央信用組合。碧南市民信用組合を源流とし三河信用組合と合併、西三河の中小に根ざす信組の数字を読みます。

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愛知県碧南市に本店を置く愛知県中央信用組合は、預金1,649億円、貸出金1,028億円、店舗12。碧南市を中心に、刈谷・安城・西尾・知立・蒲郡・豊川など、愛知県の西三河地域を地盤とする信用組合です。

地盤とする西三河は、自動車産業を中心に栄えるものづくりの地です。碧南・刈谷・安城などは、トヨタ系を頂点とする製造業の集積地で、その裾野に無数の中小事業者が連なります。愛知県中央信用組合は、1953年設立の碧南市民信用組合を源流とし、1982年に現在の名称となり、2017年に三河信用組合と合併して西三河の地盤を固めてきた信組です。数字の面で目を引くのは、預貸率62.4%という高さと、不良債権比率8.11%という高さの組み合わせです。

まず、数字を並べる

愛知県中央信用組合の預金は1,649億円、貸出金は1,028億円、預貸率62.4%。自己資本比率は9.91%、不良債権比率は8.11%。中小企業等向けの貸出先は4,208件です。

愛知県中央信用組合(令和7年3月末)
預金1,649億円
貸出金1,028億円
預貸率62.4%
自己資本比率9.91%
不良債権比率8.11%
中小企業等向け貸出先4,208件
店舗12店

預貸率62.4%。西三河の碧南に根ざす信組の数字を読む。

62.4%と8.11%を、西三河から読む

預貸率62.4%は、本紀行で見てきた信用組合のなかでも高い部類で、集めた預金の六割超を地元に貸し出しています。ものづくりの裾野に連なる中小事業者の資金需要が、この高い預貸率を支えていると読めます。一方、不良債権比率8.11%という高さは、よく貸すぶん、製造業の景気変動や個別の事業の浮き沈みを引き受けてきたことの表れと読めます。

愛知県中央信用組合が貸す相手は、碧南を中心とする西三河の中小事業者です。自動車関連の製造業の下請け、まちの商業や建設業が、その融資先に含まれると考えられます。三河信用組合との合併で西三河の地盤を固め、4,208件という多くの事業者に資金を届けてきました。自己資本比率9.91%は信用組合として手堅く、高めの不良債権を抱えながらも守りを保ってきたことがうかがえます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、ものづくりの西三河という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

愛知県中央信用組合が示すのは、ものづくりの西三河の中小に広く貸し、その変動を引き受ける信組の姿です。預貸率62.4%という高さは、自動車産業の裾野に連なる事業者に資金を回してきたことの表れ。高めの不良債権は、製造業の浮き沈みを引き受けてきたことの裏返しでもあります。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。愛知県中央信用組合にとって、その「地元」とは、自動車産業を頂点とするものづくりの西三河です。大手の製造業そのものには規模の面で貸せなくても、その裾野に連なる中小事業者を支えることこそが信組の役割です。三河信用組合との合併で地盤を固め、地区の事業者に広く貸す姿は、ものづくりの土地を支える協同組織金融機関のありようを映しています。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ愛知県を代表する地銀として、名古屋銀行(預貸率83.5%)も本紀行に登場しています。同じ西三河の岡崎信用金庫(預貸率49.2%)とあわせて、愛知の金融機関の姿は各記事もどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率62.4%という高さと、不良債権比率8.11%という高さは、ものづくりの西三河・碧南に根を張り、地域の中小に広く貸し、その変動を引き受けてきた信組の姿を映しています。愛知県中央信用組合の数字は、自動車産業の裾野に根ざす信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、愛知県の他の金融機関は愛知県の地域金融機関のページもどうぞ。

愛知県中央信用組合と融資・保証のはなし

愛知県中央信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
愛知県中央信用組合の沿革(1953年に碧南市民信用組合として設立、1982年に愛知県中央信用組合へ改称、2017年に三河信用組合と合併、碧南市を中心に西三河を地区とすること)に関する記述=愛知県中央信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
西三河の自動車産業・製造業に関する記述=各種公開情報。
名古屋銀行・岡崎信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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