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北星信用金庫——道北・名寄で、北星しんきんは何に貸すか

預貸率41.0%、預金3,075億円、自己資本比率16.5%、不良債権比率2.38%。北海道名寄市に本店を置く北星信用金庫。道北・名寄に根ざす「北星しんきん」が、何に貸すのか。同じ北海道の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。

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北海道の名寄市に本店を置く北星信用金庫は、預金3,075億円を持つ信用金庫だ。店舗22。地元で「北星しんきん」と呼ばれ、名寄市を中心に、和寒町以北の上川北部、士別、旭川周辺、留萌・宗谷の一部、そして札幌まで店舗を広げている。道北の名寄盆地に根ざす信金だ。

本拠の名寄市は、北海道の中北部、名寄盆地の中心都市だ。塩狩峠以北、上川地方北部の中心地で、天塩川と名寄川の合流点に市街地が開けた。冬はマイナス20度を下回り、夏は30度を超える、寒暖差の大きい内陸の土地である。この厳しくも豊かな自然のもと、もち米の有数の産地として知られ、アスパラガスなどの畑作や酪農も盛んだ。農産物の集散地として発展してきた、道北の農業のまちである。北星信用金庫は、こうした道北・名寄を中心とする上川北部に根ざし、地域の農業者、中小事業者、住む人々に貸してきた。

この信金の数字を見ると、預貸率41.0%という低めの水準に対し、自己資本比率16.5%という厚さと、不良債権比率2.38%という低さが同居している。預金の4割しか貸さず、資本は厚く、焦げ付きは少ない。道北の信金は、どう貸してきたのか。同じ北海道の信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。北星信用金庫の預金は3,075億円、貸出金は1,260億円。預貸率は41.0%で、預金の4割を貸出に回している。自己資本比率は16.5%、不良債権比率は2.38%。店舗数は22。

同じ北海道・道北圏の信金と比べてみる。岩見沢の空知信用金庫(預貸率44.8%・自己資本比率16.71%)、滝川の北門信用金庫(預貸率41.3%・自己資本比率16.59%)、留萌信用金庫(預貸率51.6%・自己資本比率16.65%)と並べると、北星信用金庫の預貸率41.0%は、道北の信金として標準的な低さだ。道北の信金は、いずれも預金は集まるが貸出先が限られ、預貸率が4割台にとどまり、自己資本比率が16%台と厚い傾向がある。北星もその典型だ。注目すべきは不良債権比率2.38%という低さで、道北の農業地帯で、貸す先を見極めて健全な貸出を保ってきた姿がうかがえる。広い地域に薄く広く根を張りながら、厚い資本と低い焦げ付きを保つ——道北の堅実な信金の姿だ。

北海道・道北圏の信用金庫(令和7年3月末)
 北星信用金庫空知信用金庫北門信用金庫留萌信用金庫
本店名寄市岩見沢市滝川市留萌市
預貸率41.0%44.8%41.3%51.6%
自己資本比率16.5%16.71%16.59%16.65%
不良債権比率2.38%3.01%1.27%2.66%

いずれも道北・空知圏の信金。低めの預貸率と16%台の厚い自己資本という共通の姿。北星は低い不良債権比率も保つ。

名寄と士別の合併から——北星信用金庫の歩み

北星信用金庫は、1951年(昭和26年)5月、名寄信用組合として設立され、翌1952年(昭和27年)1月、信用金庫法に基づき名寄信用金庫となった。道北の名寄を拠点に、豊かな自然と地域の人々との結びつきを基本理念として歩んできた。設立当時7千万円にすぎなかった預金量は、1999年(平成11年)に1,000億円に達した。そして2007年(平成19年)10月9日、隣の士別市に本店を置く士別信用金庫と対等合併し、名称を「北星信用金庫」へと改めた。この合併で総預金量は2,000億円を超え、名寄・士別・旭川を中心に道北一円へ、さらに札幌へと店舗網を広げた。本店は名寄市に置かれ、愛称は「北星しんきん」、金融機関コードは1024。地域情報誌「フィール」を発行し、ギネス認定された「北の天文字焼き」など地域のイベントにも関わっている。

道北・名寄盆地という土地は、信用金庫にとって、広く厳しい地盤だ。寒暖差の大きい内陸で、もち米やアスパラ、酪農といった農業が基幹産業をなす。人口は減少傾向にあり、大規模な資金需要は多くない。だから預貸率は4割にとどまる。北星信金は、この広い道北で、農業者と地域の中小に着実に貸してきた。名寄と士別という二つの信金が一つになり、道北一円に根を張ることで、広い地域を一つの信金で支える体制を整えた。預貸率41.0%という低めの水準と、自己資本比率16.5%という厚さ、不良債権比率2.38%という低さの組み合わせは、厳しい自然のもとで無理をせず、貸す先を見極めて堅実に貸してきたことの表れだと読める。

41.0%を、道北から読む

北星信用金庫の預貸率41.0%という低めの水準と、自己資本比率16.5%という厚さ、不良債権比率2.38%という低さの組み合わせは、道北・名寄盆地という広く厳しい農業地帯で、貸す先を見極めて健全に貸しながら、無理をせず資本を厚く積んできたことの表れだと読める。預金は道北一円から集まり、その4割を地域に貸す。

そのうえで、名寄と士別の合併で道北一円に根を張ったという歴史が、この信金の性格を物語る。人口減少と厳しい自然のもとで、二つの信金が力を合わせ、広い地域を一つで支える。道北で、無理をせず、堅実に貸す——その姿勢が、41.0%という預貸率と、16.5%という厚い自己資本、2.38%という低い不良債権比率に表れていると読める。道北・名寄で、北星しんきんは上川北部の経済とともに歩んでいる。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

北海道の経済とともに

北星信用金庫の数字は、道北・名寄盆地という土地と、名寄と士別の合併を経て道北一円に根を張ってきた歴史の、両方を映している。厳しい自然のもとで農業者と中小に堅実に貸しながら、厚い資本と低い焦げ付きを保ってきた。道北という土地柄と、合併で広域を支える堅実な経営が、41.0%という預貸率と、16.5%という厚い自己資本に表れている。

銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。北星信用金庫を見れば、道北・名寄の経済と、そこで堅実に貸す信金の姿が浮かぶ。北海道の他の金融機関は、岩見沢の空知信用金庫もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。北海道の他の金融機関と並べて眺めたい方は、北海道の地域金融機関のページへ。

北星信用金庫と融資のはなし

北星信用金庫は、道北・名寄に根ざし、厚い資本を土台に農業者と地域の中小へ堅実に貸す信用金庫です。地元の事業者に貸す信金とどう付き合うか、口座づくりから与信の考え方まで、知っておきたい銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。農業を基幹産業とし、人口が減少傾向にある広域の地方では、預金は集まるが大規模な貸出先が限られ、預貸率が4割前後にとどまることが多い。あわせて自己資本比率が厚く不良債権比率が低い場合は、無理をせず貸す先を見極めて堅実に貸してきたことの表れであることが多い。複数の指標をあわせて見ることで、その姿が見えてくる。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。空知信用金庫・北門信用金庫・留萌信用金庫の数値も同出典。
沿革(1951年5月に名寄信用組合として設立され翌1952年1月に名寄信用金庫となったこと、2007年10月9日に士別信用金庫と対等合併し北星信用金庫に改称したこと、本店が名寄市にあること、愛称が「北星しんきん」であること、金融機関コードが1024であること、和寒町以北の上川北部・旭川周辺・留萌・宗谷の一部・札幌を営業区域とすること、地域情報誌「フィール」を発行していること)=北星信用金庫および各種公開情報にもとづく。
名寄・道北の地理・産業(名寄市、名寄盆地、上川北部、塩狩峠、天塩川、名寄川、もち米、アスパラガス、酪農、北の天文字焼き)に関する記述=各種公開情報・歴史的事実。

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