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金沢中央信用組合——近江町のまち・金沢で、信組は何に貸すか

預貸率49.7%、自己資本比率11.44%、不良債権比率8.52%。金沢市に本店を置く金沢中央信用組合。金沢の市場を源流とし、加賀百万石の城下町に根ざす信組の数字を読みます。

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ニホン銀行紀行 ・ 石川県

石川県金沢市に本店を置く金沢中央信用組合は、預金218億円、貸出金108億円、店舗3。金沢市を中心に営む、小さな信用組合です。

本店のある金沢市は、加賀百万石の城下町として栄えた、北陸を代表する都市です。茶屋街や兼六園に象徴される伝統文化と、近江町市場に代表される商いのまちで、観光・商業・サービス業が集積します。金沢中央信用組合は、1924年に金沢水産信用購買利用組合として設立され、金沢中央市場信用組合を経て1975年に現在の名称となった信組です。2002年に不動信用組合、2005年に大野信用組合の事業を引き継ぎ、現在の3店舗体制となりました。数字の面で目を引くのは、預貸率49.7%と、不良債権比率8.52%という高さです。

まず、数字を並べる

金沢中央信用組合の預金は218億円、貸出金は108億円、預貸率49.7%。自己資本比率は11.44%、不良債権比率は8.52%。中小企業等向けの貸出先は616件です。

金沢中央信用組合(令和7年3月末)
預金218億円
貸出金108億円
預貸率49.7%
自己資本比率11.44%
不良債権比率8.52%
中小企業等向け貸出先616件
店舗3店

預貸率49.7%・不良債権8.52%。加賀百万石の城下町に根ざす信組の数字を読む。

49.7%と8.52%を、城下町から読む

預貸率49.7%は、信用組合として中庸の水準で、集めた預金のおよそ半分を地元に貸し出しています。一方、不良債権比率8.52%という高さは、本紀行で見てきた信用組合のなかでも高い部類です。市場や城下町の小さな事業者に貸すなかで、地域経済の変動や事業の浮き沈みを引き受けてきたことの表れと読めます。

金沢中央信用組合が貸す相手は、金沢を中心とする小さな事業者です。市場に連なる商い、まちの商業やサービス業が、その融資先に含まれると考えられます。水産市場の組合を源流とし、整理された他の信組の事業を引き継いできた経緯も、地域の金融を支える役割を映しています。自己資本比率11.44%は信用組合として手堅く、高い不良債権を抱えながらも守りを保ってきた歩みがうかがえます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、加賀百万石の城下町・金沢という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

金沢中央信用組合が示すのは、城下町の小さな事業者に貸し、その浮き沈みを引き受けてきた信組の姿です。中庸の預貸率で地元に資金を回しつつ、不良債権8.52%という高さは、市場や商いのまちの事業者とともに変動を引き受けてきたことの裏返し。市場の組合を源流とする歩みも、城下町の金融を支える役割を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。金沢中央信用組合にとって、その「地元」とは、市場と商いの集まる城下町・金沢の経済です。水産市場の組合を源流とし、整理された他の信組の事業を引き継ぎながら、組合員の小さな事業者に密着して貸す姿は、地区の金融を支える協同組織金融機関のありようを、金沢という土地の上で示しています。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ石川県を代表する地銀として、北國銀行(預貸率53.5%)も本紀行に登場しています。同じ金沢には金沢信用金庫(預貸率38.7%)もあり、城下町の金融機関の姿は各記事もあわせてどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率49.7%という中庸の水準と、不良債権比率8.52%という高さは、加賀百万石の城下町・金沢に根を張り、市場や商いの小さな事業者の浮き沈みを引き受けてきた信組の姿を映しています。金沢中央信用組合の数字は、近江町のまちに根ざす信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、石川県の他の金融機関は石川県の地域金融機関のページもどうぞ。

金沢中央信用組合と融資・保証のはなし

金沢中央信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
金沢中央信用組合の沿革(1924年に金沢水産信用購買利用組合として設立、金沢中央市場信用組合を経て1975年に金沢中央信用組合へ改称、2002年に不動信用組合・2005年に大野信用組合の事業を引き継ぎ)に関する記述=金沢中央信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
金沢市の加賀百万石の城下町・近江町市場・観光・商業に関する記述=各種公開情報。
北國銀行・金沢信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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