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宮崎銀行——日向の地銀は、農と食の南国で何に貸すか

預貸率76.7%、自己資本比率9.63%、連結純利益97億円。日向興業銀行として生まれた宮崎県のトップバンク「みやぎん」。畜産・園芸と観光に支えられた南国の経済を支える姿を読む。

ニホン銀行紀行 ・ 宮崎県

宮崎県は、日本でも有数の農と食の県だ。ブランド牛、地鶏、豚、そしてマンゴーやきゅうり、ピーマンといった施設園芸。温暖な気候を生かした農畜産業が、県経済の太い柱になっている。プロ野球のキャンプ地としても知られ、南国の温暖さが土地の個性をかたちづくっている。その宮崎県のトップバンクが、宮崎銀行——通称「みやぎん」である。

宮崎市に本店を置き、宮崎県全域を地盤とするこの銀行は、かつて「日向興業銀行」という名で生まれた。日向(ひゅうが)は宮崎の古い国名であり、神話のふるさととしても知られる。土地の歴史を背負った名から始まった銀行である。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。宮崎銀行の預金は3兆1,250億円、貸出金は2兆3,965億円。預貸率は76.7%で、預金の8割近くを貸出に回す、しっかり貸す地銀だ。自己資本比率は9.63%、不良債権比率は1.28%と低く抑えられている。店舗数は96、中小企業等への貸出先は約12万9千件にのぼる。

2025年3月期の連結当期純利益は97億8千万円で、前年から26億円あまり増えている。よく貸し、焦げ付きを低く抑え、利益も伸ばす——数字の上では堅実な優良地銀の姿だ。

農と食を支える銀行

宮崎銀行のよく貸す姿勢を支えているのは、宮崎という土地の産業構造だ。宮崎県は農業産出額で全国上位に位置し、特に畜産が盛んだ。ブランド牛の肥育、養鶏、養豚といった畜産業には、家畜の導入や飼料、施設の整備に継続的な資金が要る。施設園芸も同様で、ハウスの建設や設備の更新には投資が欠かせない。

こうした息の長い資金需要に応えてきたのが、地元の銀行だ。農畜産業は天候や市況、家畜の病気といったリスクと隣り合わせでもある。それでも、土地の産業を支えるために貸し続ける。宮崎銀行の低い不良債権比率(1.28%)は、リスクのある産業に貸しながらも、長年の付き合いのなかで相手をよく見て貸してきたことの表れと読める。

観光もまた、宮崎経済の柱の一つだ。プロ野球やサッカーのキャンプ、神話のふるさとを巡る旅、温暖な気候を生かしたリゾート。こうした観光関連の事業者への融資も、宮崎銀行の貸出を支えている。農・食・観光という、土地に根ざした産業の厚みが、預貸率76.7%という数字を裏打ちしている。

歴史をさかのぼる

宮崎銀行の源流は、1932年(昭和7年)に設立された日向興業銀行にさかのぼる。翌1933年には延岡銀行(旧第百四十五国立銀行)と合併し、県内の金融を集約していった。1962年(昭和37年)に現在の宮崎銀行へと商号を変え、以来、宮崎県のトップバンクとして歩んできた。

九州の地銀どうしのATM提携網に加わるなど、九州の金融ネットワークのなかで地域を支える役割も担ってきた。南国の土地に根ざし、農と食と観光を支える——その姿勢は、設立以来変わっていない。

南国の産業とともに

宮崎銀行の数字は、農と食と観光に支えられた南国の経済を、そのまま映している。よく貸し、焦げ付きを抑え、利益を伸ばす堅実さ。畜産や園芸という、リスクを抱えながらも土地に欠かせない産業に寄り添い続けてきた歩みが、その数字の背景にある。

銀行の数字は、その土地の経済を映す鏡だ。宮崎銀行を見れば、農と食に恵まれた日向の国の姿が浮かぶ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。宮崎県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、宮崎県の地域金融機関のページへ。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
当期純利益=宮崎銀行2025年3月期決算短信(連結)、各種公開情報。
沿革(1932年日向興業銀行設立・延岡銀行合併・1962年商号変更)=宮崎銀行公開情報、各種公開情報。
宮崎県の産業(畜産・施設園芸・観光)に関する記述=各種公開情報。

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