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関西みらい銀行——いくつもの苦境の地銀が一つに集まった大阪の銀行は、何に貸すか

預貸率94.6%、預金7.6兆円、店舗266。大阪市に本店を置く関西みらい銀行。近畿大阪銀行と関西アーバン銀行が2019年に合併して生まれ、その源流には、かつて経営難を経た複数の関西の地銀が連なる。りそなグループの一員として再生した銀行の数字と歴史を読む。

ニホン銀行紀行 ・ 大阪府

大阪市中央区、商都の中心に、関西みらい銀行の本店はある。大阪府を地盤とする地方銀行で、店舗数は266と、地銀のなかでも多い部類に入る。預金は7兆6,050億円、貸出金は7兆1,927億円。預貸率は94.6%にのぼり、集めた預金のほとんどを貸出に回している。よく貸す銀行だ。

大阪は、日本有数の商工業の集積地である。中小企業の数が多く、ものづくりと商いの街として知られる。貸し先となる事業者が厚いこの土地は、銀行にとって貸出を伸ばしやすい。関西みらい銀行の高い預貸率は、まずこの大阪という土地の経済力を映している。

だが、この銀行を語るうえで欠かせないのは、その成り立ちだ。いまでこそ大阪有数の地銀だが、その源流をたどると、平成の金融危機の時代に苦境を経た、いくつもの地銀の名にゆきあたる。苦難を経た銀行たちが集まり、一つになって再生した——それが、この銀行の来歴である。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。関西みらい銀行の預金は7兆6,050億円、貸出金は7兆1,927億円。預貸率は94.6%で、預金のほとんどを貸し出している。自己資本比率は11.26%、不良債権比率は1.62%。店舗数は266、中小企業等への貸出残高は6兆4,610億円にのぼる。

関西みらい銀行(令和7年3月末)
預金76,050億円
貸出金71,927億円
預貸率94.6%
自己資本比率11.26%
不良債権比率1.62%
中小企業等向け貸出残高64,610億円
店舗266店

預貸率94.6%・店舗266。貸出の大半を中小に向け、商都・大阪でよく貸す。

苦境を経た地銀たちが、一つに集まった

関西みらい銀行は、2019年(平成31年)4月、二つの地方銀行が合併して生まれた。近畿大阪銀行関西アーバン銀行である。だが、この二行の歴史をたどると、さらに多くの銀行の名が現れる。

近畿大阪銀行は、複数の関西の銀行が合流して形づくられた銀行だ。関西アーバン銀行もまた、いくつかの銀行が統合を重ねて成った。その源流には、平成の金融危機の時代に経営が行き詰まり、再編に至った銀行が複数含まれている。バブル崩壊後、関西では多くの地銀・第二地銀が不良債権に苦しみ、破綻や統合を余儀なくされた。それらの受け皿となり、あるいはそれら自身が母体となって、近畿大阪銀行と関西アーバン銀行は形づくられていった。

つまり関西みらい銀行は、平成の金融危機を生き延びた、いくつもの銀行の系譜が、最後に一つに集まってできた銀行だといえる。それぞれに苦しい時期を経た銀行が、再編のなかで合流し、新しい一行に束ねられた。「みらい」という名には、苦境を越えてこれから歩むという意志が込められているのだろう。

りそなグループのなかで再生する

合併に先立ち、これらの銀行はりそなホールディングスのもとに集まっていた。りそなは、大和銀行を前身とする、大阪に縁の深い金融グループだ。2017年、りそなを軸に関西の地銀を束ねる構想が進み、関西みらいフィナンシャルグループが設立された。その傘下で、近畿大阪銀行と関西アーバン銀行が合併し、関西みらい銀行となった。

その後、関西みらいフィナンシャルグループはりそなホールディングスに合併され、関西みらい銀行はりそなホールディングスの完全子会社となった。りそな銀行、埼玉りそな銀行と並ぶ、グループの中核銀行の一つである。苦境を経た関西の地銀たちが、りそなという大きな傘のもとで、一つの地銀として再生した——それが、いまの関西みらい銀行の姿だ。

94.6%を、商都と再生から読む

預貸率94.6%は、地方銀行のなかでも際立って高い。集めた預金のほとんどを貸し出している。なぜ、これほど高いのか。

一つは、すでに触れた大阪という土地の経済力だ。中小企業がひしめく商都には、貸し先が多い。中小企業等向け貸出残高は6兆4,610億円で、貸出の大半を中小に向けている。もう一つは、苦境を経た複数の銀行が持っていた、それぞれの取引基盤を引き継いだことだ。源流の各行が培ってきた地元の事業者との関係が、合併によって一つの銀行に集約された。広い店舗網と厚い取引先が、高い貸出につながっている。不良債権比率1.62%、自己資本比率11.26%という数字は、再生を経て健全さを取り戻したことを示している。

苦境の系譜が、いま商都を支える

関西みらい銀行の預貸率94.6%は、中小企業がひしめく商都・大阪という土地と、苦境を経た複数の地銀が合流して再生したという来歴の、両方を映している。平成の金融危機を生き延びた銀行たちが、りそなの傘のもとで一つに集まり、いまや大阪有数の規模で地元の事業者に深く貸す。数字は、その金融機関がどこから来て、何に貸しているかを語る。関西みらい銀行の数字は、苦境を越えて束ねられた、商都の地銀の記録である。

各地の金融機関には、それぞれの成り立ちと土地の事情が刻まれた、それぞれの生き方があります。大阪府の他の金融機関とあわせて眺めたい方は、大阪府の地域金融機関のページもどうぞ。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
沿革(2019年4月の近畿大阪銀行と関西アーバン銀行の合併で関西みらい銀行が発足したこと、存続会社は近畿大阪銀行であること、両行の源流に経営再編を経た複数の関西の銀行が連なること、2017年の関西みらいフィナンシャルグループ設立、のちのりそなホールディングスへの合併・完全子会社化)に関する記述=各種公開情報。
大阪府の経済(中小企業の集積、商工業の集積地)に関する記述=各種公開情報。

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