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富山第一銀行——「ファースト・バンク」は、富山で何に貸すか

預貸率74.3%、自己資本比率11.71%、不良債権比率2.48%。「最も信頼される第一の銀行でありたい」と名づけられた富山県の第二地銀「ファースト・バンク」。厚い自己資本を持つ富山第一銀行の数字を読む。

ニホン銀行紀行 ・ 富山県

富山県には、地方銀行が複数ある。北陸三県から北海道まで広がる大手の北陸銀行、高岡の小さな富山銀行、そして富山市に本店を置く第二地方銀行——富山第一銀行だ。愛称は「ファースト・バンク」。県内の金融を、これらの銀行が分け合っている。

「富山第一」という名には、はっきりした意味が込められている。「お客さまにとって最も信頼される、第一の銀行でありたい」という願いだ。規模では北陸銀行に遠く及ばないこの銀行が、なぜ「第一」を名乗るのか。その名の由来と数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。富山第一銀行の預金は1兆3,787億円、貸出金は1兆239億円。預貸率は74.3%で、預金の4分の3ほどを貸出に回している。自己資本比率は11.71%と厚く、不良債権比率は2.48%。店舗数は66、中小企業等への貸出先は約2万8千件。富山県を地盤とする第二地方銀行である。第二地銀のなかでは、厚い自己資本を備えた堅実な銀行として知られる。

「第一」という名に込めた願い

富山第一銀行の前身は、富山相互銀行だ。戦後の相互銀行として、富山の中小事業者に金融を提供してきた。1989年(平成元年)、相互銀行から普通銀行へ転換する際、新しい行名が必要になった。役職員へのアンケートでは「富山中央銀行」「富山第一銀行」「富山ファースト銀行」が候補に挙がったという。

選ばれたのは「富山第一銀行」だった。「第一」には、「お客さまにとって最も信頼される、重要な第一の銀行でありたい」という願いが込められた。また、同じ富山県に本店を置く富山銀行と区別をつける狙いもあった。愛称の「ファースト・バンク」も、この「第一=ファースト」から来ている。規模では大手に及ばずとも、顧客にとっての「第一」でありたい——その志が、行名に刻まれている。2015年には、富山市中心部の再開発ビル「TOYAMAキラリ」に本店を移転し、新しい時代の銀行へと歩みを進めた。

厚い資本で、富山に堅実に貸す

富山第一銀行の預貸率74.3%は、地方銀行として標準的な水準だ。特筆すべきは、自己資本比率11.71%という厚さである。第二地方銀行のなかでも高い水準だ。無理に規模を追わず、財務の健全性を保ちながら、富山の事業者に堅実に貸す——その姿勢が、この数字に表れている。2003年には、経営破綻した石川銀行の店舗を譲り受けるなど、北陸の金融再編のなかで着実に地歩を固めてきた。

富山県は、医薬品(富山の置き薬で知られる製薬業)、アルミ建材、機械金属など、特色あるものづくりが盛んな土地だ。こうした地場の中小事業者を、富山第一銀行は支えている。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

富山の経済とともに

富山第一銀行の数字は、ものづくりの盛んな富山県を、厚い資本で堅実に支える姿を映している。「最も信頼される第一の銀行でありたい」という願いを名に刻み、規模より健全性を保ちながら、地元の事業者に貸し続けている。同じ富山の富山銀行や大手の北陸銀行とともに、県の金融を支える一角である。

銀行の数字は、その土地の経済を映す鏡だ。富山第一銀行を見れば、製薬とアルミの県・富山の姿が浮かぶ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。富山県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、富山県の地域金融機関のページへ。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
沿革(富山相互銀行・1989年普通銀行転換・行名の由来・2003年石川銀行店舗譲受・2015年TOYAMAキラリ移転)=富山第一銀行公開情報、各種公開情報。
富山県の産業(製薬・アルミ・機械金属)に関する記述=各種公開情報。

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