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福岡銀行——九州最大の地銀は、商都・福岡で何に貸すか

預貸率90.9%、預金13.9兆円、中小残高7.9兆円。福岡市に本店を置く福岡銀行。ふくおかフィナンシャルグループの中核を担う九州最大の地銀「ふくぎん」が、成長する商都で貸す姿を読みます。

ニホン銀行紀行 ・ 福岡県

福岡県福岡市に本店を置く福岡銀行は、地元で「ふくぎん」と呼ばれる地方銀行です。預金13兆8,926億円、貸出金12兆6,248億円、店舗170。九州最大の地方銀行であり、福岡県および県内多くの自治体の指定金融機関——公金を扱う銀行——でもあります。複数の地銀を傘下に置くふくおかフィナンシャルグループの中核を担う存在です。

本拠地の福岡市は、九州最大の都市であり、近年は全国でも有数の人口増加都市として知られます。九州・西日本の経済・流通・行政の中心であり、商業・サービス業が厚く、スタートアップの集積やアジアとの玄関口としての機能も持つ、成長する商都です。福岡県全体としても、北九州の工業地帯から筑後の農業まで産業の幅が広い。この成長する商都・福岡という地盤が、福岡銀行の数字を読む鍵になります。

福岡銀行は、1945年に複数の銀行が合併して設立され、戦後の福岡・九州の発展とともに業容を広げてきました。2007年には熊本・長崎の銀行とともに日本初の広域地銀グループ「ふくおかフィナンシャルグループ」を形成し、その中核行となったことで知られます。本紀行で取り上げた北九州銀行や熊本銀行も、同じグループに属します。数字の面で目を引くのは、預貸率90.9%という高さです。

まず、数字を並べる

福岡銀行の預金は13兆8,926億円、貸出金は12兆6,248億円、預貸率90.9%。自己資本比率は10.58%、不良債権比率は1.39%。中小企業等向けの貸出残高は7兆9,482億円にのぼります。

福岡銀行(令和7年3月末)
預金13兆8,926億円
貸出金12兆6,248億円
預貸率90.9%
自己資本比率10.58%
不良債権比率1.39%
中小企業等向け貸出残高79,482億円
店舗170店

預貸90.9%・預金13.9兆円。成長する商都で貸す九州最大の地銀の数字。

90.9%を、成長する商都から読む

預貸率90.9%は、地方銀行のなかでもかなり高い水準です。集めた預金の9割超を貸出に回している。九州最大の都市・福岡を地盤に、旺盛な資金需要を引き受けていることの表れと読めます。

福岡銀行が貸す相手は、福岡県を中心とする九州の事業者と個人です。福岡の商業・サービス業、北九州の製造業、不動産・建設、そして人口増を背景にした住宅ローンが、その融資先に含まれます。中小企業等向けの貸出残高7兆9,482億円という規模は、九州経済の事業者の資金需要を厚く引き受けてきたことを示しています。人口が増え、企業が集まり、街が拡大し続ける商都・福岡では、貸し先が次々と生まれる。この成長する経済が、預貸率90.9%という高さを支えていると読めます。

不良債権比率1.39%は、地銀として標準的な水準です。九州最大の都市の多様な経済に貸し先が広く分散していること、そして九州を代表する銀行としての与信管理の確かさの表れと読めます。自己資本比率10.58%という相応の厚みとあわせて、規模に見合った安定した経営がうかがえます。もちろん、これらの比率には経営方針や景気も絡むため断定はできませんが、成長する商都・福岡という地盤と、広域地銀グループの中核という立場を抜きに、この数字は読めません。

福岡銀行が示すのは、成長する商都・福岡を地盤に、九州経済を牽引する最大地銀の姿です。人口が増え企業が集まる土地で、預金の9割超を貸す。90.9%という高さは、拡大し続ける商都に貸し先が次々と生まれることの表れと読めます。

同じグループの銀行と並べてみる

本紀行には、同じふくおかフィナンシャルグループに属する北九州銀行も登場しています。北九州銀行はものづくりの街・北九州を地盤とし、グループの資金力を背景に預金を超えて貸す若い銀行でした。商都・福岡を地盤とする福岡銀行(預貸率90.9%)と、工業の街を地盤とする北九州銀行とを並べると、同じグループのなかでも、地盤とする街の性格によって役割が分かれていることが見えてきます。広域地銀グループが、福岡・北九州・熊本といった各地の銀行をどう束ねているか——グループのもう一行の姿は、北九州銀行の記事もあわせてどうぞ。

借り手にとっての意味

九州最大の地銀は、福岡・九州の事業者にとって、もっとも有力な選択肢のひとつです。圧倒的な規模とグループの広域ネットワークは、九州を越えた取引を目指す企業にとっても心強いものです。高い預貸率は積極的に貸す姿勢の表れとも読めますが、それが個別の融資の可否を保証するものではありません。預貸率という数字の読み方は、預貸率の読み方であらためて整理しています。

数字は、商都の成長を映す

預貸率90.9%という高さと、預金13.9兆円という規模は、成長を続ける商都・福岡に根ざし、広域地銀グループの中核として九州経済を牽引してきた銀行の姿を映しています。一つの県に収まる地銀もあれば、福岡銀行のようにグループを率いて広域に立つ地銀もある。数字は、その金融機関がどんな土地で、どんな役割を担ってきたかを語ります。福岡銀行の数字は、成長する商都を支える九州最大の地銀「ふくぎん」の、いまの記録です。

各地の金融機関には、それぞれの土地と立場の事情が刻まれた、それぞれの生き方があります。福岡県の他の金融機関とあわせて眺めたい方は、福岡県の地域金融機関のページもどうぞ。

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
福岡銀行の沿革(1945年に複数の銀行が合併して設立、九州最大の地方銀行、2007年に熊本・長崎の銀行とともに日本初の広域地銀グループ「ふくおかフィナンシャルグループ」を形成しその中核行となったこと、福岡県等の指定金融機関であること)に関する記述=福岡銀行・ふくおかフィナンシャルグループおよび各種公開情報にもとづく。
福岡市・福岡県の経済(九州最大の都市、全国有数の人口増加都市、西日本の経済・流通の中心、北九州の工業、筑後の農業)に関する記述=各種公開情報。
北九州銀行・熊本銀行の位置づけ=各種公開情報および本紀行既出記事。

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