益田信用組合——下呂温泉のまち・飛騨南部で、ましたしんは何に貸すか
預貸率48.3%、自己資本比率12.71%、不良債権比率2.38%。下呂市に本店を置く益田信用組合「ましたしん」。下呂温泉と飛騨南部の山あいに根ざす信組の数字を読みます。
- 2026.06.19【保証協会】26年度補正予算成立、セーフティネット保証5号の事前相談を開始。指定業種で、直近月の売上高が前年同月比で5%以上減少等の要件(経産省PDF)を満たす中小事業者が対象。
岐阜県下呂市に本店を置く益田信用組合は、預金675億円、貸出金326億円、店舗6。「ましたしん」の愛称で、下呂市を中心に、飛騨南部の山あいを地盤とする信用組合です。
本店のある下呂市は、岐阜県の中部、飛騨川の流れる山あいのまちです。日本三名泉のひとつに数えられる下呂温泉で全国に知られる観光地であり、周辺は林業や農業がさかんな中山間地です。「益田(ました)」は、この一帯の旧郡名に由来します。益田信用組合は1960年に設立され、飛騨南部の山あいの事業者とともに歩んできた信組です。数字の面で目を引くのは、預貸率48.3%と、不良債権比率2.38%という低さです。
まず、数字を並べる
益田信用組合の預金は675億円、貸出金は326億円、預貸率48.3%。自己資本比率は12.71%、不良債権比率は2.38%。中小企業等向けの貸出先は3,590件です。
| 預金 | 675億円 |
|---|---|
| 貸出金 | 326億円 |
| 預貸率 | 48.3% |
| 自己資本比率 | 12.71% |
| 不良債権比率 | 2.38% |
| 中小企業等向け貸出先 | 3,590件 |
| 店舗 | 6店 |
預貸率48.3%・不良債権2.38%。下呂温泉と飛騨南部に根ざす信組の数字を読む。
48.3%と2.38%を、温泉のまちから読む
預貸率48.3%は、信用組合として中庸の水準です。とりわけ目を引くのが、不良債権比率2.38%という低さです。中山間地の信用組合の不良債権比率が高めになることも少なくないなかで、2.38%は低い部類で、貸出の質の高さをうかがわせます。中庸の預貸率で地元に資金を回しつつ、焦げ付きを抑える堅実な信組の輪郭が読めます。
益田信用組合が貸す相手は、下呂を中心とする飛騨南部の中小事業者です。下呂温泉に連なる宿や観光、まちの商業、周辺の林業や農業が、その融資先に含まれると考えられます。人口減少が進む中山間地ながら、温泉観光という地場が一定の資金需要を支え、低い不良債権とあわせて堅実な経営につながっていると読めます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、下呂温泉と飛騨南部という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。
なぜ、こうなったのか——制度と地域
信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。
この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。益田信用組合にとって、その「地元」とは、下呂温泉の観光と林業・農業を柱とする飛騨南部の中山間地です。組合員である地区の事業者に密着し、観光という地場を支えながら堅実に貸してきたことが、低い不良債権という数字に表れていると読めます。
同じ県の、金融機関と並べてみる
同じ岐阜県を代表する地銀として、十六銀行(預貸率79.0%)も本紀行に登場しています。同じ飛騨には、高山の高山信用金庫(預貸率54.4%)や飛騨信用組合もあり、飛騨の金融機関の姿は各記事もあわせてどうぞ。
数字は、根を張る土地を映す
預貸率48.3%という中庸の水準と、不良債権比率2.38%という低さは、下呂温泉のまち・飛騨南部に根を張り、観光の地場を支えながら堅実に貸してきた信組の姿を映しています。益田信用組合の数字は、山あいの温泉のまちに根ざす「ましたしん」の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、岐阜県の他の金融機関は岐阜県の地域金融機関のページもどうぞ。
益田信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。
- → 口座を育てる
- → 積立で信用をつくる
- → 与信枠の考え方
- → 創業支援保証とは
- → セーフティネット保証とは
執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
益田信用組合の沿革(1960年設立、下呂市を中心に飛騨南部を地区とすること、「ましたしん」の愛称、「益田」が旧郡名に由来すること)に関する記述=益田信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
下呂市の下呂温泉・飛騨川・林業・農業に関する記述=各種公開情報。
十六銀行・高山信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。
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