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あかぎ信用組合——赤城山を望む地で、二つの信組が一つになった

預貸率70.8%、自己資本比率8.5%。前橋市に本店を置くあかぎ信用組合。北毛の群馬信組と東毛の東毛信組が1994年に合併して生まれ、赤城山を望む群馬の地で地元中小に貸す信組の数字を読みます。

ニホン銀行紀行 ・ 群馬県

群馬県前橋市に本店を置くあかぎ信用組合は、預金1,295億円、貸出金917億円、店舗13。県都・前橋を中心に、伊勢崎・高崎・桐生・太田など群馬県内に広く店舗を展開する信用組合です。その名のとおり、遠くに赤城山を望む地域一帯を活動の場としています。

本拠地の群馬県は、北部に山々を抱え、南部の平野部に前橋・高崎・伊勢崎・太田といった都市が連なる土地です。自動車をはじめとする製造業、農業、商業と、地域ごとに性格の異なる産業が広がっています。あかぎ信用組合は、こうした群馬の地に根ざしてきました。その成り立ちは、二つの信組の合併にあります。県北部(北毛)を地盤としていた群馬信用組合と、県東部(東毛)を地盤としていた東毛信用組合が、1994年に合併して誕生したのが、あかぎ信用組合です。性格の異なる二つの地域の信組が一つになった——この歩みが、あかぎ信用組合の数字を読む鍵になります。

この信用組合の数字で目を引くのは、預貸率70.8%という、信組としてはしっかり高い水準と、自己資本比率8.5%という、やや薄めの数字の組み合わせです。集めた預金の7割を超える額を貸しながら、自己資本は厚くない。この二つを、群馬の地と合併の歩みから読みます。

まず、数字を並べる

あかぎ信用組合の預金は1,295億円、貸出金は917億円、預貸率70.8%。自己資本比率は8.5%、不良債権比率は3.75%。中小企業等向けの貸出先は4,531件です。

あかぎ信用組合(令和7年3月末)
預金1,295億円
貸出金917億円
預貸率70.8%
自己資本比率8.5%
不良債権比率3.75%
中小企業等向け貸出先4,531件
店舗13店

信組としては高めの預貸率と、薄めの自己資本。その姿を群馬の地から読む。

70.8%と8.5%を、群馬の地と合併から読む

預貸率70.8%という、信用組合としてはしっかり高い水準は、あかぎ信用組合が群馬の地で、地元の事業者に積極的に貸してきたことの表れと読めます。本紀行で見てきた、預貸率が3〜4割にとどまる信組も少なくないなかで、7割を超える水準はよく貸している方です。

あかぎ信用組合が貸す相手は、前橋・伊勢崎・高崎・太田などの中小事業者です。県南部の平野に広がる製造業や商業、そして地域の小さな商いや農業が、その融資先に含まれると考えられます。群馬県の平野部は、自動車関連をはじめとする産業の集積があり、比較的しっかりした資金需要があります。北毛と東毛、二つの地域の信組が合併したことで、活動エリアが広がり、貸し先の裾野も広がった。これが、預貸率70.8%という高さを支えていると読めます。

一方で、自己資本比率8.5%は、信用組合としてはやや薄めの水準です。よく貸すことは、それだけリスクを取っているということでもあり、自己資本の厚みとは裏腹の関係に立ちやすい。不良債権比率3.75%は、地域の中小事業者に積極的に貸す信組として、極端に高くはないものの、低いとも言いきれない水準です。積極的に貸して地域を支える一方で、自己資本の積み増しは課題として残る——あかぎ信用組合の数字は、地域に資金を流す役割を果たしながら、足元の体力をどう固めていくかという、地域信組に共通する課題を映しています。もちろん、これらの比率には個別の事情や経営方針も絡むため断定はできませんが、二つの地域が一つになって群馬を支える信組であることを抜きに、この数字は読めません。

あかぎ信用組合が示すのは、合併で地盤を広げ、積極的に地域に貸す信組の姿です。北毛と東毛、二つの信組が一つになり、群馬の平野の中小に7割を超えて貸す。高めの預貸率と薄めの自己資本は、地域に資金を流す役割と、体力を固める課題の両方を映していると読めます。

なぜ、こうなったのか——制度のかたち

あかぎ信用組合のような信用組合は、中小企業等協同組合法などにもとづく協同組織です。信用組合は、組合員による相互扶助を目的とし、その営業地域(地区)も限られています。あかぎ信用組合の地区は、前橋・伊勢崎・高崎・太田・桐生など群馬県内の広範囲。地区のなかで、組合員である地元の中小事業者や住民の相互扶助を担う——この制度のかたちが、地元に積極的に貸すというこの信組のあり方の土台にあります。あかぎ信用組合は、地域の農業法人を支援するファンドの設立や、給付型の奨学金制度など、金融の枠を超えた地域貢献にも取り組んでおり、相互扶助という信組の理念を地域づくりに広げています。

同じ群馬の、信用金庫と並べてみる

同じ群馬県には、商都・高崎に根ざす高崎信用金庫や、山あいの郡に根ざす利根郡信用金庫があります。高崎信用金庫の預貸率は40.6%、利根郡信用金庫は45.0%。県内に広く貸すあかぎ信用組合(70.8%)とは、対照的に控えめな数字です。同じ群馬県でも、信用金庫と信用組合という種別の違いや、地盤とする土地の産業によって、貸す姿勢はこれだけ異なる。これは優劣ではなく、それぞれの立ち位置の差です。群馬の金融機関の多様さは、高崎信用金庫利根郡信用金庫の記事とあわせて読むと、より立体的に見えてきます。

借り手にとっての意味

地元に積極的に貸す信用組合は、地域の中小事業者にとって、身近な相談相手です。とりわけ、群馬の平野で商いを営む小さな事業者にとって、地縁で事情を理解してくれる信組の存在は心強いものです。預貸率の高さは積極的に貸す姿勢の表れとも読めますが、それが個別の融資の可否を保証するものではありません。預貸率という数字の読み方は、預貸率の読み方であらためて整理しています。

数字は、地域を支える姿を映す

預貸率70.8%という高さと、自己資本比率8.5%という薄さは、二つの信組が合併して地盤を広げ、赤城山を望む群馬の地で、地元の中小に積極的に貸してきた信組の姿を映しています。守りを固める金融機関もあれば、あかぎ信用組合のようにリスクを取って地域に資金を流す信組もある。数字は、その金融機関がどんな土地で、どんな役割を引き受けてきたかを語ります。あかぎ信用組合の数字は、赤城山のふもとで地域を支える信組の、いまの記録です。

各地の金融機関には、それぞれの土地と成り立ちの事情が刻まれた、それぞれの生き方があります。群馬県の他の金融機関とあわせて眺めたい方は、群馬県の地域金融機関のページもどうぞ。

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
あかぎ信用組合の沿革(1994年に北毛地盤の群馬信用組合と東毛地盤の東毛信用組合が合併して誕生)、前橋・伊勢崎・高崎・太田・桐生等を営業地域とすること、農業法人支援ファンドや給付型奨学金制度等の地域貢献に関する記述=あかぎ信用組合および各種公開情報にもとづく。
群馬県の地域経済(県南部平野の製造業・商業、農業等)に関する記述=各種公開情報。
高崎信用金庫・利根郡信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の制度(中小企業等協同組合法等にもとづく協同組織であり、組合員資格と地区が定められること)に関する記述=関係法令および金融庁等の公開資料にもとづく一般的な説明。

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