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香川県信用組合——県内唯一の信組「けんしん」は、讃岐で何に貸すか

預貸率71.7%、預金1,164億円、自己資本比率9.09%、不良債権比率3.14%。香川県高松市に本店を置く香川県信用組合。讃岐一円を営業区域とする県内唯一の信用組合「けんしん」が、預金の7割超を貸す理由を、同じ香川の信金と比べながら読む。

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香川県の高松市に本店を置く香川県信用組合は、預金1,164億円を持つ信用組合だ。店舗17。「けんしん」の呼び名で知られ、香川県下一円を営業区域とする、県内唯一の信用組合だ。日本一面積の小さい県・香川——讃岐の地に、ただひとつ残る信組として根ざしてきた組織だ。

本拠の香川県は、瀬戸内海に面した讃岐の国だ。讃岐うどんに代表される小麦の食文化、塩や醤油などの伝統産業、瀬戸内の温暖な気候のもとでの農業、そして高松を中心とした商業——コンパクトな県土に、密度の高い地域経済が広がる。香川県信用組合は、こうした讃岐一円を営業区域に、地元の中小事業者と暮らしに密着してきた。コーポレートスローガンは「好きです ふるさと 心のふれあい大切に」。県内唯一の信組として、ふるさと香川とともに歩むことを掲げている。

この信組の数字で目を引くのは、預貸率71.7%という、際立って高い水準だ。預金1,164億円に対し、貸出金は834億円。預かったお金の7割超を貸している。香川県の協同組織金融機関では預貸率が4〜5割台にとどまることも多いなか、これは突出している。なぜ、県内唯一の信組は、これほど貸すのか。同じ香川県の信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。香川県信用組合の預金は1,164億円、貸出金は834億円。預貸率は71.7%で、預金の7割超を貸出に回している。自己資本比率は9.09%、不良債権比率は3.14%。店舗数は17。香川県信用組合をメインバンクとする県内企業は144社で、全金融機関中9位に位置する。

同じ香川県の信金と比べてみる。高松を地盤とする高松信用金庫(預貸率46.5%・自己資本12.04%)、観音寺の観音寺信用金庫(預貸率48.7%・自己資本22.45%)と並べると、香川県信用組合の預貸率71.7%は際立って高い。同じ香川の協同組織金融機関でも、信金が4割台にとどまるなか、信組であるけんしんは7割超を貸している。信用組合という業態が、組合員=地元事業者への融資に資金を向けやすいことが、この差に表れていると読める。自己資本比率9.09%は信金二者より薄いが、よく貸す信組として国内基準を満たす水準だ。

香川県の協同組織金融機関(令和7年3月末)
 香川県信用組合高松信用金庫観音寺信用金庫
本店高松市高松市観音寺市
業態信用組合信用金庫信用金庫
預貸率71.7%46.5%48.7%
自己資本比率9.09%12.04%22.45%

香川県信用組合は信組、他二者は信金。信組であるけんしんの預貸率が際立って高い。

讃岐信用組合から——香川県信用組合の歩み

香川県信用組合は、1952年(昭和27年)10月22日、讃岐信用組合として高松市に設立された。その後、香川県下一円を営業区域とする県内唯一の信用組合として歩んできた。通称は「けんしん」。コーポレートスローガン「好きです ふるさと 心のふれあい大切に」のもと、組合員をはじめ地域の人びとに奉仕する協同組織の金融機関を掲げている。給付型奨学金制度や懸賞作文、地域マルシェの開催など、地域に密着した活動も続けている。

信用組合は、信用金庫よりもさらに組合員との結びつきが強い協同組織だ。原則として組合員でなければ取引できず、その分、組合員=地元の中小事業者への融資に資金が向かいやすい。県内唯一の信組であるけんしんが、預貸率71.7%という高さを示すのは、讃岐一円の組合員の資金需要に、深く応えてきたことの表れだと読める。県内に信金が複数あるなか、信組として独自の地歩を保ち、メインバンク企業144社を抱える——業態の違いを活かして、地元事業者に深く貸すのが、この信組の生き方だと読める。

71.7%を、讃岐から読む

香川県信用組合の預貸率71.7%という際立った高さは、県内唯一の信用組合として、組合員である地元の中小事業者の資金需要に深く応えてきたことの表れだと読める。信用組合という業態が、組合員への融資に資金を向けやすくしている。讃岐一円で、貸出は地域の商いと暮らしに向かってきた。

同じ香川の信金が預貸率4割台にとどまるなか、信組であるけんしんが7割超を貸していることは、業態の違いをよく示している。組合員との強い結びつきを軸に、地元事業者に深く貸す——その姿勢が、71.7%という高い預貸率に表れていると読める。自己資本比率9.09%は突出して厚くはないが、よく貸す信組として相応の水準だ。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

香川の経済とともに

香川県信用組合の数字は、讃岐一円という土地と、県内唯一の信組として歩んできた組織の歴史の、両方を映している。組合員である地元の中小事業者に深く貸しながら、ふるさと香川の経済を支えてきた。信用組合という業態を活かして地元に貸す姿が、71.7%という高い預貸率に表れている。

銀行や信用金庫・信用組合の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。香川県信用組合を見れば、讃岐の経済と、そこで組合員に貸す県内唯一の信組の姿が浮かぶ。香川県の他の金融機関は、高松の高松信用金庫、観音寺の観音寺信用金庫、県内最大の地銀百十四銀行、第二地銀の香川銀行もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。香川県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、香川県の地域金融機関のページへ。

香川県信用組合と融資のはなし

香川県信用組合は、讃岐一円に根ざした県内唯一の信用組合です。組合員である事業者に貸す信組とどう付き合うか、口座づくりから与信の考え方まで、知っておきたい銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。信用組合は組合員との結びつきが強く、組合員への融資に資金が向かいやすいため、預貸率が高めに出ることがある。7割超の水準は、組合員である地元の事業者への貸出に積極的なことをうかがわせる。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用組合の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。高松信用金庫・観音寺信用金庫の数値も同出典。
沿革(1952年10月22日に讃岐信用組合として高松市に設立されたこと、香川県下一円を営業区域とする県内唯一の信用組合であること、通称「けんしん」、コーポレートスローガンが「好きです ふるさと 心のふれあい大切に」であること、メインバンク企業144社・全金融機関中9位であること)=香川県信用組合および各種公開情報にもとづく。
香川・讃岐の地理・産業(高松市、讃岐、瀬戸内海、讃岐うどん・小麦、塩・醤油などの伝統産業、農業、日本一面積の小さい県)に関する記述=各種公開情報。

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