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興栄信用組合——新潟市西区で、信組は何に貸すか

預貸率41.2%、自己資本比率14.42%、不良債権比率6.23%。新潟市西区に本店を置く興栄信用組合。新潟市や弥彦村を地盤とし、新潟県信用組合との合併を控える信組の数字を読みます。

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新潟県新潟市西区に本店を置く興栄信用組合は、預金249億円、貸出金103億円、店舗5。新潟市西区を中心に、新潟市や弥彦村を地盤とする小さな信用組合です。

興栄信用組合は、新潟市西区に4店、江南区に1店を構える地域信組です。なお、興栄信用組合は新潟県信用組合と2026年11月に合併することが発表されており、新潟県信組を存続組合とする再編が控えています。数字の面で目を引くのは、預貸率41.2%という控えめな水準です。

まず、数字を並べる

興栄信用組合の預金は249億円、貸出金は103億円、預貸率41.2%。自己資本比率は14.42%、不良債権比率は6.23%。中小企業等向けの貸出先は928件です。

興栄信用組合(令和7年3月末)
預金249億円
貸出金103億円
預貸率41.2%
自己資本比率14.42%
不良債権比率6.23%
中小企業等向け貸出先928件
店舗5店

預貸率41.2%。新潟市西区に根ざす信組の数字を読む。

41.2%を、新潟市西区から読む

預貸率41.2%という控えめな水準は、集めた預金のうち貸出に回しているのが四割ほどであることを示します。店舗5・預金249億円という小さな規模で、新潟市西区を中心とした限られた地区の事業者に資金を回してきた信組です。本紀行で見てきた地方の小さな信組によく見られる、控えめな預貸率です。

興栄信用組合が貸す相手は、新潟市西区を中心とする中小事業者です。まちの商業やサービス業、地場の事業者が、その融資先に含まれると考えられます。自己資本比率14.42%は相応の厚みで、不良債権比率6.23%はやや高めの水準です。小さな信組が限られた地区に向き合ってきた輪郭が読めます。人口減少と地域経済の事情を背景に、より大きな信組との合併へと向かう歩みも、地方の小さな信組が直面する現実の一つです。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、新潟市西区という地盤を抜きに、この信組の数字は読めません。

興栄信用組合が示すのは、限られた地区に向き合い、再編へと向かう小さな信組の姿です。控えめな預貸率は、小さな規模で地区の事業者に資金を回してきたことの表れ。人口減少を背景に、より大きな信組との合併を控える歩みも、地方の小さな信組が直面する現実を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。興栄信用組合にとって、その「地元」とは、新潟市西区を中心とした限られた地域です。小さな信組が限られた地区の組合員に向き合うなかで、控えめな預貸率となり、人口減少と地域経済の事情を背景に、より大きな信組との合併へと向かう——その歩みは、地方の小さな協同組織金融機関が直面する再編の現実を映しています。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ新潟県を代表する地銀として、第四北越銀行(預貸率65.7%)も本紀行に登場しています。興栄信用組合の合併相手となる県名を冠した新潟縣信用組合とあわせて、新潟の協同組織金融機関の姿は各記事もどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率41.2%という控えめな水準は、新潟市西区に根を張り、限られた地区の事業者に向き合ってきた小さな信組の姿を映しています。興栄信用組合の数字は、再編を控える地方の小さな信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、新潟県の他の金融機関は新潟県の地域金融機関のページもどうぞ。

興栄信用組合と融資・保証のはなし

興栄信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
興栄信用組合の概要(新潟市西区を中心に新潟市・弥彦村を地区とすること、新潟県信用組合と2026年11月に合併予定であること)に関する記述=興栄信用組合公開情報・各種報道・各種公開情報にもとづく。
新潟市西区の商業・地場産業に関する記述=各種公開情報。
第四北越銀行の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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