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巻信用組合——越後平野の巻で、まきしんは何に貸すか

預貸率32.7%、自己資本比率16.74%、不良債権比率3.3%。新潟市西蒲区に本店を置く巻信用組合「まきしん」。越後平野の農のまち・巻に根ざす信組の数字を読みます。

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ニホン銀行紀行 ・ 新潟県

新潟県新潟市西蒲区に本店を置く巻信用組合は、預金652億円、貸出金213億円、店舗8。「まきしん」の愛称で、新潟市西蒲区の巻を中心に、新潟市・燕市・弥彦村を地盤とする信用組合です。

本店のある巻は、新潟市の西部、越後平野に広がる米どころです。角田山のふもと、農業を基幹とするまちで、巻信用組合は1952年に設立され、農のまちの事業者とともに歩んできた信組です。数字の面で目を引くのは、預貸率32.7%という低さと、自己資本比率16.74%という相応の厚みの組み合わせです。

まず、数字を並べる

巻信用組合の預金は652億円、貸出金は213億円、預貸率32.7%。自己資本比率は16.74%、不良債権比率は3.3%。中小企業等向けの貸出先は1,998件です。

巻信用組合(令和7年3月末)
預金652億円
貸出金213億円
預貸率32.7%
自己資本比率16.74%
不良債権比率3.3%
中小企業等向け貸出先1,998件
店舗8店

預貸率32.7%・自己資本16.74%。越後平野の農のまちに根ざす信組の数字を読む。

32.7%を、越後平野から読む

預貸率32.7%という低めの水準は、集めた預金のうち貸出に回しているのが三分の一ほどであることを示します。本紀行で見てきた地方の信組のなかでも、控えめな部類です。農業を基幹とする越後平野では、旺盛に伸びる事業者向けの資金需要が常にあるわけではなく、預貸率32.7%という水準は、そうした土地の事情を映していると読めます。

巻信用組合が貸す相手は、巻を中心とする西蒲・越後平野の中小事業者です。米作とその関連、まちの商業や建設業が、その融資先に含まれると考えられます。自己資本比率16.74%という相応の厚みと、不良債権比率3.3%という中庸の水準は、無理に貸し増さず、堅実に守りを固めてきた信組の輪郭を示します。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、農のまち・巻という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

巻信用組合が示すのは、越後平野の農のまちに根ざし、無理に貸し増さず堅実に守る信組の姿です。控えめな預貸率と相応の自己資本は、農業を基幹とする土地で、堅実に経営してきたことの表れ。農のまちに根を張る信組の輪郭を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。巻信用組合にとって、その「地元」とは、米作を柱とする越後平野・西蒲の経済です。事業者向けの資金需要が限られる農のまちで、無理に貸し増さず堅実さを優先する姿が、控えめな預貸率と相応の自己資本という数字に表れていると読めます。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ新潟県を代表する地銀として、第四北越銀行(預貸率65.7%)も本紀行に登場しています。同じ新潟市の新潟信用金庫(預貸率51.4%)や、県央の金物産地に根ざす協栄信用組合とあわせて、新潟の協同組織金融機関の姿は各記事もどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率32.7%という控えめな水準と、自己資本比率16.74%という相応の厚みは、越後平野の農のまち・巻に根を張り、堅実に経営してきた信組の姿を映しています。巻信用組合の数字は、角田山のふもとの農のまちに根ざす「まきしん」の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、新潟県の他の金融機関は新潟県の地域金融機関のページもどうぞ。

巻信用組合と融資・保証のはなし

巻信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
巻信用組合の沿革(1952年設立、「まきしん」の愛称、新潟市西蒲区の巻を中心に新潟市・燕市・弥彦村を地区とすること)に関する記述=巻信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
巻・越後平野の米作・角田山・農業に関する記述=各種公開情報。
第四北越銀行・新潟信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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