新潟信用金庫——湊町・新潟の県都で、にいしんは何に貸すか
預貸率51.4%、預金2,979億円、自己資本比率15.46%、不良債権比率2.32%。新潟県新潟市に本店を置く新潟信用金庫。日本海の湊町・新潟の県都に根ざす信金が、何に貸すのか。同じ新潟の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。
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新潟県の新潟市に本店を置く新潟信用金庫は、預金2,979億円を持つ信用金庫だ。店舗21。「にいしん」の呼び名で知られ、本店を新潟市中央区西堀通に構える。日本海に開けた県都・新潟に根ざす信金だ。
本拠の新潟市は、信濃川の河口に開けた港町であり、本州日本海側で最大の都市だ。江戸期には北前船の寄る湊町として栄え、開港五港の一つとして早くから海外にも開かれた。信濃川と阿賀野川が運ぶ越後平野は日本有数の米どころで、その物産の集散地として新潟は発展してきた。新潟信用金庫は、こうした日本海の湊町であり、米どころの中心でもある県都・新潟に根ざしてきた信金だ。
この信金の数字で目を引くのは、預貸率51.4%という標準的な水準と、自己資本比率15.46%という厚い資本だ。預金の半分強を貸出に回しつつ、厚い自己資本を保っている。不良債権比率は2.32%と低い。なぜ、県都の信金は、こうした数字になるのか。同じ新潟の信金とも比べながら、数字を読みにいく。
数字を並べてみる
まず、絶対値から。新潟信用金庫の預金は2,979億円、貸出金は1,530億円。預貸率は51.4%で、預金の半分強を貸出に回している。自己資本比率は15.46%、不良債権比率は2.32%。店舗数は21、中小企業等への貸出残高は1,230億円。
同じ新潟県で、鮭の城下町・村上を地盤とする村上信用金庫(預貸率43.3%・自己資本21.15%)と比べると、県都の新潟のほうがやや高い比率で貸している。新潟信用金庫の預貸率51.4%は村上信用金庫(43.3%)を上回り、預金の半分強を貸出に回す。一方、自己資本比率は村上信用金庫(21.15%)がより厚く、新潟信用金庫(15.46%)も信金としては厚い部類だ。県都・新潟で広く貸す「にいしん」と、県北の小さな城下町で厚い資本を積む村上——同じ新潟の信金でも、地盤とする土地の規模と性格が異なる。なお、同じ新潟市に本店を置く新潟縣信用組合は信用組合で、別の金融機関である。
| 新潟信用金庫 | 村上信用金庫 | |
|---|---|---|
| 本店 | 新潟市(県都) | 村上市(県北) |
| 預金 | 2,979億円 | — |
| 預貸率 | 51.4% | 43.3% |
| 自己資本比率 | 15.46% | 21.15% |
| 不良債権比率 | 2.32% | 6.86% |
ともに新潟県を地盤とする信金。県都の新潟はよく貸し低い焦げ付きを保ち、県北の村上は厚い資本を積む。地盤とする土地の規模と性格が背景にある。
新潟市信用組合から——新潟信用金庫の歩み
新潟信用金庫は、1928年(昭和3年)3月、有限責任新潟市信用組合として設立された。1943年(昭和18年)に新潟市信用組合へ、1950年(昭和25年)に新潟信用組合へと組織を変え、1951年(昭和26年)10月、信用金庫法により新潟信用金庫となった。「Face to Face」の心で顧客とのふれあいを大切にすることを掲げ、新潟市を中心とした営業地域で、地域の中小事業者や住民が会員となって相互扶助・共存共栄をはかる協同組織の金融機関として歩んできた。県都・新潟の市街に根を張り、湊町の商業と越後平野の物産を支えてきた信金だ。
新潟という土地は、信用金庫にとって、貸す相手のある地盤だ。県都・新潟の商業・サービス業、港湾物流、越後平野の米と食品産業——多様な事業者が広がる。一方で、地方銀行が複数しのぎを削る、競合の多い市場でもある。県都の信金として、この地の中小・零細事業者に密着して貸す——その姿が、預貸率51.4%という標準的な水準を支えている。自己資本比率15.46%という厚い資本と、不良債権比率2.32%という低い焦げ付きは、競合の多い県都の市場で堅実に経営してきたことを映していると読める。
51.4%を、湊町から読む
新潟信用金庫の預貸率51.4%という水準は、県都・新潟の信金として、地元の中小に着実に貸していることの表れだと読める。商業・物流・食品産業の新潟は、信用金庫が貸す相手のある土地だ。地方銀行と競合するこの地で、新潟信用金庫はその中小・零細事業者に密着して貸し、預金の半分強を貸出に回している。
自己資本比率15.46%という厚い資本と、不良債権比率2.32%という低い焦げ付きは、競合の多い県都の市場で堅実に貸してきたことの表れだと読める。湊町・新潟の県都に根ざし、堅実に地域を支える——それが、新潟信用金庫の数字に表れた生き方だと読める。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。
新潟の経済とともに
新潟信用金庫の数字は、日本海の湊町であり米どころの中心でもある県都・新潟という土地と、その地に根ざしてきた信金の歴史の、両方を映している。預金の半分強を地元の会員に貸し、厚い資本と低い焦げ付きを保ちながら、新潟の中小・零細事業者を支えてきた。湊町の商業と越後平野の物産の経済が、51.4%という預貸率に表れている。
銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。新潟信用金庫を見れば、県都・新潟の経済と、そこで堅実に貸す信金の姿が浮かぶ。新潟県の他の金融機関は、県北の村上信用金庫、同じ新潟市の新潟縣信用組合、県のトップバンク第四北越銀行もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。新潟県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、新潟県の地域金融機関のページへ。
新潟信用金庫は、県都・新潟に根ざした信用金庫です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。
- → 口座を育てる
- → 積立で信用をつくる
- → 与信枠の考え方
- → 創業支援保証とは
- → セーフティネット保証とは
執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。村上信用金庫の数値も同出典。
沿革(1928年(昭和3年)3月に有限責任新潟市信用組合として設立され、1943年に新潟市信用組合、1950年に新潟信用組合と組織を変え、1951年(昭和26年)10月に信用金庫法により新潟信用金庫となったこと、本店を新潟市中央区西堀通に置くこと、「Face to Face」を掲げ新潟市を中心とした営業地域をもつこと、「にいしん」と呼ばれること)=新潟信用金庫および各種公開情報にもとづく。なお、同じ新潟市に本店を置く新潟縣信用組合は信用組合であり別の金融機関である。
新潟の地理・歴史(新潟、新潟市、信濃川、阿賀野川、越後平野、北前船、開港五港、湊町、米どころ)に関する記述=各種公開情報。
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