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ゆきぐに信用組合——魚沼の雪国で、信組は何に貸すか

預貸率53.4%、自己資本比率13.26%、不良債権比率5.33%。南魚沼市に本店を置くゆきぐに信用組合。塩沢信用組合を源流とし、魚沼コシヒカリと雪のまちに根ざす信組の数字を読みます。

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ニホン銀行紀行 ・ 新潟県

新潟県南魚沼市に本店を置くゆきぐに信用組合は、預金385億円、貸出金206億円、店舗5。南魚沼市を中心に、魚沼市・津南町や、長野県栄村などを地盤とする信用組合です。

地盤とする魚沼は、新潟県の南部、日本有数の豪雪地帯です。魚沼産コシヒカリで知られる米どころであり、スキーや温泉、へぎそばの観光のまちでもあります。ゆきぐに信用組合は、1953年に塩沢の地で創業した塩沢信用組合を源流とし、2023年に営業区域を広げて「ゆきぐに信用組合」へと名称を変えました。数字の面で目を引くのは、預貸率53.4%という相応の水準です。

まず、数字を並べる

ゆきぐに信用組合の預金は385億円、貸出金は206億円、預貸率53.4%。自己資本比率は13.26%、不良債権比率は5.33%。中小企業等向けの貸出先は1,855件です。

ゆきぐに信用組合(令和7年3月末)
預金385億円
貸出金206億円
預貸率53.4%
自己資本比率13.26%
不良債権比率5.33%
中小企業等向け貸出先1,855件
店舗5店

預貸率53.4%。魚沼の雪国に根ざす信組の数字を読む。

53.4%を、雪国から読む

預貸率53.4%は、信用組合として相応の水準で、集めた預金の半分以上を地元に貸し出しています。豪雪と人口減少の進む山あいの地で、米どころと観光のまちの事業者に着実に資金を回してきた姿がうかがえます。

ゆきぐに信用組合が貸す相手は、南魚沼を中心とする魚沼地域の中小事業者です。米作とその関連、スキーや温泉の観光に連なる宿や商業、まちの建設業が、その融資先に含まれると考えられます。自己資本比率13.26%は相応の厚みで、不良債権比率5.33%はやや高めながら極端ではありません。雪国の事業者に密着して相応に貸す堅実な信組の輪郭が読めます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、魚沼の雪国という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

ゆきぐに信用組合が示すのは、魚沼の雪国に根ざし、米と観光のまちに相応に貸す信組の姿です。預貸率53.4%という水準は、豪雪の地で事業者に資金を回してきたことの表れ。相応の自己資本とあわせて、雪国に根を張る信組の輪郭を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。ゆきぐに信用組合にとって、その「地元」とは、米作と観光を柱とする魚沼の雪国です。塩沢の地で創業し、営業区域を広げながら、組合員である地区の事業者に相応に貸してきたことが、その数字に表れていると読めます。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ新潟県を代表する地銀として、第四北越銀行(預貸率65.7%)も本紀行に登場しています。同じ豪雪の上越には上越信用金庫(預貸率33.7%)があり、新潟の信金・信組の姿は各記事もどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率53.4%という相応の水準は、魚沼の雪国に根を張り、米と観光のまちに貸してきた信組の姿を映しています。ゆきぐに信用組合の数字は、魚沼コシヒカリと雪のまちに根ざす信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、新潟県の他の金融機関は新潟県の地域金融機関のページもどうぞ。

ゆきぐに信用組合と融資・保証のはなし

ゆきぐに信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
ゆきぐに信用組合の沿革(1953年に塩沢信用組合として創業、2023年に営業区域を広げてゆきぐに信用組合へ改称、南魚沼市を中心に魚沼・津南・長野県栄村などを地区とすること)に関する記述=ゆきぐに信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
魚沼の魚沼産コシヒカリ・豪雪・スキー・温泉に関する記述=各種公開情報。
第四北越銀行・上越信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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