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佐賀東信用組合——佐賀のまちで、とうしんは何に貸すか

預貸率46.4%、自己資本比率8.07%、不良債権比率5.65%。佐賀市に本店を置く佐賀東信用組合「とうしん」。神埼・小城などの信組が合併を重ねて生まれ、佐賀東部に根ざす信組の数字を読みます。

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佐賀県佐賀市に本店を置く佐賀東信用組合は、預金792億円、貸出金368億円、店舗8。「とうしん」の愛称で、佐賀市を中心に、佐賀県東部を地盤とする信用組合です。

本店のある佐賀市は、有明海に面した佐賀平野に開けた県都です。米麦や農産、有明海の水産、そして商業がまちを支えてきました。佐賀東信用組合は、1955年設立の神埼信用組合と小城信用組合が1978年に合併して発足し、その後も鳥栖信用組合や佐賀栄城信用組合を合併しながら、佐賀東部の事業者とともに歩んできた信組です。本店は当初の神埼から佐賀市へ移されました。数字の面で目を引くのは、預貸率46.4%と、自己資本比率8.07%という薄めの守りです。

まず、数字を並べる

佐賀東信用組合の預金は792億円、貸出金は368億円、預貸率46.4%。自己資本比率は8.07%、不良債権比率は5.65%。中小企業等向けの貸出先は1,786件です。

佐賀東信用組合(令和7年3月末)
預金792億円
貸出金368億円
預貸率46.4%
自己資本比率8.07%
不良債権比率5.65%
中小企業等向け貸出先1,786件
店舗8店

預貸率46.4%。合併を重ねて佐賀東部に根ざす信組の数字を読む。

46.4%と8.07%を、佐賀東部から読む

預貸率46.4%は、信用組合として中庸の水準で、集めた預金のおよそ半分を地元に貸し出しています。自己資本比率8.07%という薄めの守りとあわせて読むと、守りを厚く積み上げるよりも、集めた資金を地元に回してきた信組の姿が浮かびます。不良債権比率5.65%はやや高めながら極端ではありません。

佐賀東信用組合が貸す相手は、佐賀市を中心とする佐賀東部の中小事業者です。農産や食品の関連、まちの商業や建設業、有明海の水産が、その融資先に含まれると考えられます。神埼・小城・鳥栖などの信用組合が合併を重ねて佐賀東部に地盤を広げてきた歩みは、地域の金融を束ねて支えてきたことを映しています。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、有明海と佐賀平野という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

佐賀東信用組合が示すのは、合併を重ねて佐賀東部の金融を束ね、地元に資金を回す信組の姿です。中庸の預貸率と薄めの自己資本は、守りを厚く積むより集めた資金を地元に回してきたことの表れ。県都・佐賀の事業者に密着する信組の輪郭を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。佐賀東信用組合にとって、その「地元」とは、農産・水産・商業を柱とする佐賀東部の経済です。複数の信用組合が合併を重ねて地盤を広げてきたことで、地域ごとの組合員に資金を届ける体制を整えてきました。集めた預金の半分を地元に回す姿は、地区の金融を束ねて支える協同組織金融機関の役割を映しています。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ佐賀県を代表する地銀として、佐賀銀行(預貸率77.4%)も本紀行に登場しています。県西部の鹿島には、もう一つの地域信組である佐賀西信用組合(預貸率51.3%)があり、佐賀の東と西、二つの信組の姿は、佐賀西信用組合の記事もあわせてどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率46.4%という中庸の水準と、自己資本比率8.07%という薄めの守りは、有明海と佐賀平野の県都・佐賀に根を張り、合併を重ねて地元に資金を回してきた信組の姿を映しています。佐賀東信用組合の数字は、佐賀東部に根ざす「とうしん」の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、佐賀県の他の金融機関は佐賀県の地域金融機関のページもどうぞ。

佐賀東信用組合と融資・保証のはなし

佐賀東信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
佐賀東信用組合の沿革(1955年設立の神埼信用組合と小城信用組合が1978年に合併して発足、その後に鳥栖信用組合・佐賀栄城信用組合を合併、本店を神埼から佐賀市へ移転、「とうしん」の愛称)に関する記述=佐賀東信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
佐賀市・佐賀平野の農産・有明海の水産・商業に関する記述=各種公開情報。
佐賀銀行・佐賀西信用組合の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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