¥Today ニホン銀行紀行

佐賀西信用組合——有明海の鹿島で、信組は何に貸すか

預貸率51.3%、自己資本比率17.7%、不良債権比率4.18%。鹿島市に本店を置く佐賀西信用組合。有明・藤津の信組が合併して生まれ、有明海に面した佐賀西部に根ざす信組の数字を読みます。

銀行・金融ニュース
ニホン銀行紀行 ・ 佐賀県

佐賀県鹿島市に本店を置く佐賀西信用組合は、預金725億円、貸出金372億円、店舗10。鹿島市を中心に、有明海に面した佐賀県西部を地盤とする信用組合です。

本店のある鹿島市は、佐賀県の南西部、有明海に面したまちです。干潟の生きものや海苔の養殖で知られ、酒蔵の並ぶ酒のまち、祐徳稲荷神社の門前町としても知られます。米作や農産、有明海の水産がまちを支えてきました。佐賀西信用組合は、1952年設立の有明信用組合と1953年設立の藤津信用組合が1975年に合併して発足した信組です。数字の面で目を引くのは、預貸率51.3%と、自己資本比率17.7%という相応の厚みです。

まず、数字を並べる

佐賀西信用組合の預金は725億円、貸出金は372億円、預貸率51.3%。自己資本比率は17.7%、不良債権比率は4.18%。中小企業等向けの貸出先は3,584件です。

佐賀西信用組合(令和7年3月末)
預金725億円
貸出金372億円
預貸率51.3%
自己資本比率17.7%
不良債権比率4.18%
中小企業等向け貸出先3,584件
店舗10店

預貸率51.3%・自己資本17.7%。有明海の鹿島に根ざす信組の数字を読む。

51.3%と17.7%を、有明海から読む

預貸率51.3%は、信用組合として中庸からやや高めの水準で、集めた預金の半分を地元に貸し出しています。あわせて、自己資本比率17.7%という相応の厚みも目を引きます。不良債権比率4.18%は中庸の水準で、地元に着実に貸しつつ、相応の守りも固める堅実な信組の輪郭が読めます。

佐賀西信用組合が貸す相手は、鹿島を中心とする佐賀西部の中小事業者です。米作や農産、有明海の水産、酒造や食品、まちの商業や建設業が、その融資先に含まれると考えられます。有明・藤津の二つの信用組合が合併して地盤を固めたことで、佐賀西部の事業者に資金を届ける体制を整えてきました。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、有明海の鹿島という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

佐賀西信用組合が示すのは、有明海のまちで、地元に着実に貸しつつ守りも固める信組の姿です。中庸からやや高めの預貸率で地元に資金を回しながら、自己資本比率17.7%という相応の厚みを保つ。合併で固めた地盤から、佐賀西部の事業者に向き合う信組の輪郭を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。佐賀西信用組合にとって、その「地元」とは、米作・農産・水産・酒造を柱とする佐賀西部の経済です。有明・藤津の二つの信用組合が合併して地盤を固め、組合員である地区の事業者に着実に貸しつつ相応の守りを保つ姿は、地区とともに堅実に歩む協同組織金融機関のありようを映しています。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ佐賀県を代表する地銀として、佐賀銀行(預貸率77.4%)も本紀行に登場しています。県東部の佐賀市には、もう一つの地域信組である佐賀東信用組合(預貸率46.4%)があり、佐賀の西と東、二つの信組の姿は、佐賀東信用組合の記事もあわせてどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率51.3%という相応の水準と、自己資本比率17.7%という厚みは、有明海の鹿島に根を張り、地元に着実に貸しつつ守りも固めてきた信組の姿を映しています。佐賀西信用組合の数字は、酒と海苔のまちに根ざす信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、佐賀県の他の金融機関は佐賀県の地域金融機関のページもどうぞ。

佐賀西信用組合と融資・保証のはなし

佐賀西信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
佐賀西信用組合の沿革(1952年設立の有明信用組合と1953年設立の藤津信用組合が1975年に合併して発足、鹿島市に本店を置き佐賀県西部を地区とすること)に関する記述=佐賀西信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
鹿島市の有明海・海苔養殖・酒造・祐徳稲荷神社、米作・農産に関する記述=各種公開情報。
佐賀銀行・佐賀東信用組合の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

本サイトは、資金繰り支援サービス「¥Today」が運営しています。

← ニホン銀行紀行へ | ¥Today トップへ