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滋賀県民信用組合——琵琶湖のほとり・大津で、信組は何に貸すか

預貸率43.8%、自己資本比率32.87%、不良債権比率6.24%。大津市に本店を置く滋賀県民信用組合。運輸観光業の組合を源流とし、琵琶湖のほとりで県民の暮らしに根ざす信組の数字を読みます。

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ニホン銀行紀行 ・ 滋賀県

滋賀県大津市に本店を置く滋賀県民信用組合は、預金310億円、貸出金136億円、店舗6。大津市を中心に、滋賀県内に店舗を構える信用組合です。本店は滋賀交通グループの本社ビル内に置かれています。

滋賀県は、日本最大の湖・琵琶湖を中心に開けた土地です。県都・大津は古都・京都に隣接し、観光と通勤圏の住宅都市という性格を併せ持ちます。滋賀県民信用組合は、1969年に「滋賀県運輸観光業信用組合」として設立され、1985年に現在の名称となった信組です。運輸・観光業の業域組合を源流としながら、いまは地域に開かれた信用組合として県民の暮らしに密着してきました。数字の面で際立つのは、自己資本比率32.87%という、信用組合として桁違いの厚さです。

まず、数字を並べる

滋賀県民信用組合の預金は310億円、貸出金は136億円、預貸率43.8%。自己資本比率は32.87%、不良債権比率は6.24%。中小企業等向けの貸出先は37件です。

滋賀県民信用組合(令和7年3月末)
預金310億円
貸出金136億円
預貸率43.8%
自己資本比率32.87%
不良債権比率6.24%
中小企業等向け貸出先37件
店舗6店

自己資本32.87%。琵琶湖のほとりで県民の暮らしに根ざす信組の数字を読む。

32.87%と少ない中小先を、県民の暮らしから読む

まず目を引くのが、自己資本比率32.87%という桁違いの厚さです。信用組合の自己資本比率は一桁から十数%台が多いなかで、32.87%は際立っています。あわせて、中小企業等向けの貸出先が37件と非常に少ないことも特徴です。これは、この信組の貸出が、中小事業者向けというより、県民個人の暮らし(住宅・消費など)に向いていることをうかがわせます。運輸観光業の業域組合を源流とし、地域・県民向けの信組へと歩んだ経緯が、この数字に表れていると読めます。

預貸率43.8%という控えめな水準は、集めた預金を貸し切らず、厚い自己資本として積み上げてきたことの表れでもあります。不良債権比率6.24%はやや高めの水準です。事業者への貸出に軸足を置く一般的な信組とは性格が異なり、県民の暮らしに寄り添う、守りの厚い信組という輪郭が読めます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、琵琶湖のほとり・大津という土地と、この信組の出自を抜きに、その数字は読めません。

滋賀県民信用組合が示すのは、県民の暮らしに寄り添う、守りの厚い信組の姿です。自己資本比率32.87%という桁違いの厚さと、少ない中小向け貸出先は、事業者向けより県民個人に向いた、運輸観光業の組合を源流とする信組の性格を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地区内の組合員に絞られます。滋賀県民信用組合は、運輸観光業の業域組合を源流とし、のちに地域に開かれた信用組合となりました。中小事業者向けの貸出先が少なく、県民個人の暮らしに軸足を置く姿は、その出自と歩みを映しています。厚い自己資本は、集めた預金を貸し切らず守りに積み上げてきたことの表れと読めます。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ滋賀県を代表する地銀として、滋賀銀行(預貸率78.5%)も本紀行に登場しています。名前のよく似た滋賀県信用組合(預貸率75.2%)は別の信組で、こちらは中小事業者に積極的に貸す信組です。「県民」と「県」、名前は近くとも性格の異なる二つの信組の対比は、滋賀県信用組合の記事もあわせてどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

自己資本比率32.87%という桁違いの厚さと、少ない中小向け貸出先は、琵琶湖のほとり・大津に根を張り、県民の暮らしに寄り添ってきた信組の姿を映しています。滋賀県民信用組合の数字は、運輸観光業の組合を源流とする、守りの厚い信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、滋賀県の他の金融機関は滋賀県の地域金融機関のページもどうぞ。

滋賀県民信用組合と融資・保証のはなし

滋賀県民信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
滋賀県民信用組合の沿革(1969年に滋賀県運輸観光業信用組合として設立、1985年に滋賀県民信用組合へ改称、地域に開かれた信用組合となったこと、本店が滋賀交通グループ本社ビル内にあること)に関する記述=滋賀県民信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
大津市・琵琶湖・観光・住宅都市に関する記述=各種公開情報。
滋賀銀行・滋賀県信用組合の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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