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富山県信用組合——富山県一円で、けんしんは何に貸すか

預貸率51.0%、自己資本比率9.91%、不良債権比率6.93%。富山市に本店を置く富山県信用組合。県内4組合の合併で生まれ、富山県のほぼ全域を地区とする信組の数字を読みます。

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富山県富山市に本店を置く富山県信用組合は、預金1,019億円、貸出金520億円、店舗10。「けんしん」の愛称で、富山県のほぼ全域を地区とする信用組合です。本部は砺波市に置かれています。

富山県は、立山連峰と富山湾に抱かれた、北陸の製造業県です。アルミ・金属、医薬品、機械などの産業が根づき、米作もさかんな土地です。富山県信用組合は、中越・高陵・井波・富山県たばこの県内4つの信用組合が1988年に合併して発足した信組で、県内に広く店舗を構えて地域を支えてきました。数字の面で目を引くのは、預貸率51.0%という相応の水準です。

まず、数字を並べる

富山県信用組合の預金は1,019億円、貸出金は520億円、預貸率51.0%。自己資本比率は9.91%、不良債権比率は6.93%。中小企業等向けの貸出先は3,250件です。

富山県信用組合(令和7年3月末)
預金1,019億円
貸出金520億円
預貸率51.0%
自己資本比率9.91%
不良債権比率6.93%
中小企業等向け貸出先3,250件
店舗10店

預貸率51.0%。富山県のほぼ全域を地区とする信組の数字を読む。

51.0%を、富山県一円から読む

預貸率51.0%は、信用組合として中庸の水準です。県名を冠する信用組合として、富山県の広い範囲で預金を集めながら、集めた資金のおよそ半分を地元の組合員に貸し出しています。本紀行で見てきた、県全域を地盤とする大型信組のなかには預貸率が4割台にとどまるものもありますが、富山県信用組合は5割を超えており、県内の中小に着実に貸している方に入ります。

富山県信用組合が貸す相手は、県内の中小事業者です。アルミ・金属や機械などの製造業の関連、まちの商業や建設業、農業が、その融資先に含まれると考えられます。4つの信用組合が合併して県内に広く店舗を構えたことで、地域ごとの事業者に資金を届ける体制を整えてきました。自己資本比率9.91%は信用組合として手堅く、不良債権比率6.93%はやや高めの水準です。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、製造業県・富山という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

富山県信用組合が示すのは、県内に広く店舗を構え、地域の中小に着実に貸す信組の姿です。県名を冠する信用組合として富山県一円で預金を集めながら、その半分を組合員に貸し出す。4組合の合併で広がった地盤が、県内各地の事業者に資金を届ける輪郭を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。富山県信用組合にとって、その「地元」とは、製造業と米作を柱とする富山県全域の経済です。4つの信用組合が合併して県内に広く地盤を持ったことで、地域ごとの組合員に資金を届ける体制を整えてきました。県名を冠しながらも中庸の預貸率を保つ姿は、広く預金を集めつつ地域の中小に着実に貸す、県域信組の役割を映しています。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ富山県を代表する地銀として、北陸銀行(預貸率75.0%)も本紀行に登場しています。県の信金では、県都の富山信用金庫(預貸率47.2%)や、砺波の石動信用金庫(預貸率48.4%)もあります。富山の金融機関の姿は、各記事もあわせてどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率51.0%という相応の水準は、富山県一円に根を張り、合併で広げた地盤から県内の中小に着実に貸してきた信組の姿を映しています。富山県信用組合の数字は、製造業県・富山に根ざす「けんしん」の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、富山県の他の金融機関は富山県の地域金融機関のページもどうぞ。

富山県信用組合と融資・保証のはなし

富山県信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
富山県信用組合の沿革(中越・高陵・井波・富山県たばこの4信用組合が1988年に合併して発足、本部を砺波市・本店を富山市に置くこと、「けんしん」の愛称)に関する記述=富山県信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
富山県のアルミ・金属・医薬品・機械などの製造業、米作に関する記述=各種公開情報。
北陸銀行・富山信用金庫・石動信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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