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山形中央信用組合——置賜・長井のまちで、信組は何に貸すか

預貸率60.6%、自己資本比率9.47%、不良債権比率5.03%。長井市に本店を置く山形中央信用組合。置賜信用組合を源流とし、米沢盆地・置賜地方に根ざす信組の数字を読みます。

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山形県長井市に本店を置く山形中央信用組合は、預金462億円、貸出金280億円、店舗8。長井市を中心に、山形県南部の置賜地方を地盤とする信用組合です。

本店のある長井市は、山形県の南部、置賜盆地に開けた米どころのまちです。最上川の舟運で栄えた商都の歴史を持ち、米作や地場の製造業がまちを支えてきました。山形中央信用組合は、1951年に「置賜信用組合」として設立され、のちに山形県中央信用組合を経て現在の名称となった、置賜の古い信組です。数字の面で目を引くのは、預貸率60.6%という相応の水準です。

まず、数字を並べる

山形中央信用組合の預金は462億円、貸出金は280億円、預貸率60.6%。自己資本比率は9.47%、不良債権比率は5.03%。中小企業等向けの貸出先は3,247件です。

山形中央信用組合(令和7年3月末)
預金462億円
貸出金280億円
預貸率60.6%
自己資本比率9.47%
不良債権比率5.03%
中小企業等向け貸出先3,247件
店舗8店

預貸率60.6%。置賜・長井の中小に相応に貸す信組の数字を読む。

60.6%を、置賜から読む

預貸率60.6%は、本紀行で見てきた地方の信用組合のなかでは相応に高く、集めた預金の六割を地元に貸し出しています。預貸率が3〜4割台にとどまる地方の信組も多いなかで、置賜の中小に着実に資金を回してきた姿がうかがえます。

山形中央信用組合が貸す相手は、長井を中心とする置賜地方の中小事業者です。米作とその関連、まちの製造業や商業、建設業が、その融資先に含まれると考えられます。自己資本比率9.47%は信用組合として手堅く、不良債権比率5.03%はやや高めながら極端ではありません。米どころ・置賜の中小に密着して相応に貸す、堅実な信組の輪郭が読めます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、置賜という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

山形中央信用組合が示すのは、置賜の中小に着実に貸す、堅実な信組の姿です。預貸率60.6%という相応の水準は、米どころ・置賜の事業者に資金を回してきたことの表れ。手堅い自己資本とあわせて、地域に密着して相応に貸す信組の輪郭を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。山形中央信用組合にとって、その「地元」とは、米作と地場産業を柱とする置賜地方の経済です。「置賜信用組合」を源流とし、地区の事業者と長く付き合うなかで相応の預貸率を保ってきたことが、その数字に表れていると読めます。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ山形県を代表する地銀として、山形銀行(預貸率71.6%)も本紀行に登場しています。県土全体を相手にする山形銀行(預貸率71.6%)と、置賜に密着するこの山形中央信用組合(預貸率60.6%)とを並べると、相手とする範囲と規模の違いが見えてきます。同じ置賜の米沢には米沢信用金庫(預貸率41.2%)もあり、置賜の金融機関の姿は各記事もどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率60.6%という相応の水準は、米どころ・置賜の長井に根を張り、地元の中小に着実に貸してきた信組の姿を映しています。山形中央信用組合の数字は、置賜地方に根ざす信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、山形県の他の金融機関は山形県の地域金融機関のページもどうぞ。

山形中央信用組合と融資・保証のはなし

山形中央信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
山形中央信用組合の沿革(1951年に置賜信用組合として設立、山形県中央信用組合を経て山形中央信用組合へ改称、長井市を中心に置賜地方を地区とすること)に関する記述=山形中央信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
長井市・置賜地方の米作・最上川舟運の歴史・地場産業に関する記述=各種公開情報。
山形銀行・米沢信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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