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郡山信用金庫——商都・郡山で、ぐんしんは何に貸すか

預貸率48.9%、預金2,333億円、自己資本比率16.55%、不良債権比率3.09%。福島県郡山市に本店を置く郡山信用金庫。商都・郡山に根ざす「ぐんしん」が、何に貸すのか。同じ福島の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。

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福島県の郡山市に本店を置く郡山信用金庫は、預金2,333億円を持つ信用金庫だ。店舗19。地元で「ぐんしん」と呼ばれ、郡山市内に15店、田村市・田村郡に各2店を構える。商都・郡山に根ざす信金だ。

本拠の郡山市は、福島県の中央、中通りに位置する商業都市だ。明治期、不毛の原野だった安積(あさか)の地に、猪苗代湖から水を引く安積疏水が拓かれ、開拓と近代化が進んだ。東北本線と磐越東西線が交わり、東北自動車道と磐越自動車道が結節する広域交通の要衝として、商業・流通・サービスが集積した。県都・福島市と並ぶ福島県の中核都市であり、東北有数の商業都市として知られる。郡山信用金庫は、こうした商都・郡山を中心とする中通り中部に根ざし、地域の商業者、中小事業者、住む人々に貸してきた。

この信金の数字を見ると、預貸率48.9%という水準に対し、自己資本比率16.55%という厚さが目を引く。預金の半分弱を貸出に回しながら、資本は厚い。商都の信金は、何に貸しているのか。同じ福島の信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。郡山信用金庫の預金は2,333億円、貸出金は1,140億円。預貸率は48.9%で、預金の半分弱を貸出に回している。自己資本比率は16.55%、不良債権比率は3.09%。店舗数は19。

同じ福島県の信金と比べてみる。会津の会津信用金庫(預貸率48.3%・自己資本比率20.62%)、白河の白河信用金庫(預貸率42.1%・自己資本比率20.04%)、県内最大の福島信用金庫(預貸率42.9%・自己資本比率15.45%)と並べると、郡山信用金庫の預貸率48.9%は、福島の信金のなかでやや高めだ。会津・白河・福島信金が4割台前半~半ばにとどまるなか、郡山は半分弱まで貸す。商都・郡山という商業集積と広域交通の結節点を背景に、地域の商業者・事業者の資金需要に応えてきた姿がうかがえる。自己資本比率16.55%は信金として手厚く、不良債権比率3.09%も標準的だ。商都でよく貸しながら、資本も厚く保つバランスの取れた姿だ。

福島県の信用金庫(令和7年3月末)
 郡山信用金庫会津信用金庫白河信用金庫福島信用金庫
本店郡山市会津若松市白河市福島市
預貸率48.9%48.3%42.1%42.9%
自己資本比率16.55%20.62%20.04%15.45%
不良債権比率3.09%1.41%2.16%5.09%

いずれも福島県の信金。郡山は預貸率がやや高め。商都・広域交通の結節点で、商業者・事業者によく貸す姿を映す。

郡山市制の記念事業から——郡山信用金庫の歩み

郡山信用金庫の歴史は、まちの近代化と歩みをともにしてきた。1924年(大正13年)3月8日、郡山の市制施行の記念事業の一環として、有限責任郡山信用組合が設立された。安積疏水で拓かれ、鉄道の要衝として急成長する商都・郡山の、商工業を支える金融機関として生まれたのだ。戦後の改組を経て、1951年(昭和26年)10月、信用金庫法に基づき「郡山信用金庫」となった。本店は郡山市清水台に置かれ、愛称は「ぐんしん」、金融機関コードは1182。基本理念に「共生そして未来への挑戦」、コーポレートメッセージに「あなたのあしたに…まごころバンク」を掲げる。2024年(令和6年)3月には創立100周年を迎えた。一人暮らし高齢者への一声運動が全国信用金庫協会の信用金庫社会貢献賞会長賞に選ばれるなど、地域に寄り添う活動でも知られる。2011年(平成23年)の東日本大震災と原発事故では、屋内退避区域となった川内支店が臨時休業を余儀なくされるなど、地域とともに困難も経験してきた。

商都・郡山という土地は、信用金庫にとって、資金需要の厚い地盤だ。広域交通の結節点として商業・流通・サービスが集積し、中小の商業者や事業者が多い。だから預貸率は半分弱まで届く。郡山信金は、この商都で、地域の商業者・事業者に着実に貸してきた。預貸率48.9%という福島の信金のなかでやや高めの水準は、商都の資金需要によく応えてきたことの表れだ。同時に、自己資本比率16.55%という厚い資本を保つことで、地域とともに長く健全であろうとする。市制施行の記念事業に始まり、震災を地域とともに越え、創立100年を迎えた——商都・郡山とともに歩んできた信金の姿が、この数字に表れている。

48.9%を、商都から読む

郡山信用金庫の預貸率48.9%という、福島の信金のなかでやや高めの水準と、自己資本比率16.55%という厚さの組み合わせは、商都・郡山という商業集積と広域交通の結節点で、商業者・事業者によく貸しながら、資本も厚く保ってきたことの表れだと読める。会津・白河・福島信金が4割台前半~半ばにとどまるなか、郡山は半分弱まで貸す。商都の資金需要の厚さが、この預貸率に表れている。

そのうえで、市制施行の記念事業に始まり、震災を越えて創立100年を迎えたという歴史が、この信金の性格を物語る。商都でよく貸しながら、厚い資本で健全性を守り、地域に寄り添う。商都・郡山で、地域の商いとともに歩む——その姿勢が、48.9%という預貸率と、16.55%という厚い自己資本に表れていると読める。商都・郡山で、ぐんしんは中通りの経済とともに歩んでいる。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

福島の経済とともに

郡山信用金庫の数字は、商都・郡山という土地と、市制施行の記念事業に始まり震災を越えて100年を歩んできた歴史の、両方を映している。商業集積と広域交通の結節点で商業者・事業者によく貸しながら、厚い資本を保ってきた。商都という土地柄と、地域とともに歩む堅実な経営が、48.9%という預貸率と、16.55%という厚い自己資本に表れている。

銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。郡山信用金庫を見れば、商都・郡山の経済と、そこで地域の商いに貸す信金の姿が浮かぶ。福島県の他の金融機関は、会津の会津信用金庫、白河の白河信用金庫、県内最大の福島信用金庫、二本松の二本松信用金庫もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。福島県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、福島県の地域金融機関のページへ。

郡山信用金庫と融資のはなし

郡山信用金庫は、商都・郡山に根ざし、厚い資本を土台に商業者・事業者へよく貸す信用金庫です。地元の事業者に貸す信金とどう付き合うか、口座づくりから与信の考え方まで、知っておきたい銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。商業が集積し広域交通の結節点となる商都では、中小の商業者・事業者の資金需要が厚く、預貸率がやや高めになることがある。あわせて自己資本比率が厚い場合は、よく貸しながらも健全性を保つバランスの取れた経営の表れであることが多い。自己資本比率とあわせて見ることで、その姿が見えてくる。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。会津信用金庫・白河信用金庫・福島信用金庫の数値も同出典。
沿革(1924年3月8日に郡山市制施行の記念事業の一環として有限責任郡山信用組合が設立されたこと、1951年10月に信用金庫法に基づき郡山信用金庫となったこと、本店が郡山市清水台にあること、愛称が「ぐんしん」であること、金融機関コードが1182であること、郡山市・田村市・田村郡を営業区域とすること、基本理念「共生そして未来への挑戦」・コーポレートメッセージ「あなたのあしたに…まごころバンク」を掲げること、2024年3月に創立100周年を迎えたこと、東日本大震災・原発事故で川内支店が屋内退避区域となり臨時休業したこと)=郡山信用金庫および各種公開情報にもとづく。
郡山・中通りの地理・歴史(郡山市、中通り、安積、安積疏水、猪苗代湖、東北本線、磐越東西線、広域交通、商業都市)に関する記述=各種公開情報・歴史的事実。

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