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北群馬信用金庫——温泉とこんにゃくの北毛で、渋川の信金は何に貸すか

預貸率63.0%、預金1,755億円、自己資本比率12.06%、不良債権比率1.82%。群馬県渋川市に本店を置く北群馬信用金庫。伊香保・草津の玄関口、北毛地区に根ざす信金が、何に貸すのか。同じ群馬の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。

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群馬県の渋川市に本店を置く北群馬信用金庫は、預金1,755億円を持つ信用金庫だ。店舗12。渋川市を中心に、前橋・沼田・北群馬郡・吾妻郡といった北毛地区に店舗を構える。伊香保・草津へと続く温泉郷の玄関口に位置する、群馬県北部・北毛に根ざしてきた信金だ。

本拠の渋川市は、伊香保温泉の玄関口として知られる町だ。市内には伊香保温泉を抱え、その奥には草津温泉が広がる。北毛地区はこうした温泉観光と、こんにゃくをはじめとする農業、利根川・吾妻川流域の中小事業者に支えられた土地だ。前橋という県都の北側、沼田や吾妻といった山あいの町々——北群馬信用金庫は、こうした温泉と農業の北毛に根ざしてきた信金だ。

この信金の数字で目を引くのは、預貸率63.0%という、信金として高めの水準と、不良債権比率1.82%という低さだ。よく貸し、焦げ付きは少ない。自己資本比率は12.06%と厚い。なぜ、北毛の信金は、こうした数字になるのか。同じ群馬県の信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。北群馬信用金庫の預金は1,755億円、貸出金は1,105億円。預貸率は63.0%で、預金の6割超を貸出に回している。自己資本比率は12.06%、不良債権比率は1.82%。店舗数は12。

同じ群馬県の信金と比べてみる。沼田を地盤とする利根郡信用金庫(預貸率45.0%・自己資本9.54%)、桐生の桐生信用金庫(預貸率55.6%・自己資本10.03%)と並べると、北群馬信用金庫の預貸率63.0%は最も高い。しかも不良債権比率1.82%は、この三者のなかで最も低い。よく貸して、なお焦げ付きが少ない。自己資本比率12.06%も三者のなかで最も厚い。北毛という土地で、地元の中小事業者に貸しながら、低い焦げ付きと厚い資本を保ってきた姿が読み取れる。

群馬県の信用金庫(令和7年3月末)
 北群馬信用金庫利根郡信用金庫桐生信用金庫
本店渋川市沼田市桐生市
預貸率63.0%45.0%55.6%
自己資本比率12.06%9.54%10.03%
不良債権比率1.82%6.23%5.55%

いずれも群馬県の信金。北群馬は預貸率が最も高く、不良債権比率は最も低く、自己資本比率も最も厚い。

北群馬渋川信用組合から——北群馬信用金庫の歩み

北群馬信用金庫は、1948年(昭和23年)8月、北群馬渋川信用組合として設立された。1951年(昭和26年)12月、信用金庫法に基づいて北群馬信用金庫となった。渋川市に本店を置き、創業以来、群馬県北毛地区を中心に営業してきた。渋川市のほか、前橋市、沼田市、北群馬郡、吾妻郡に店舗を展開し、伊香保や草津といった温泉地にも支店を構える。「地域に根差す金融機関」として、地元の発展に貢献することを掲げている。

温泉と農業の北毛という土地は、信用金庫にとって独特の地盤だ。伊香保・草津に代表される温泉観光、こんにゃくなどの農業、山あいの中小事業者——華やかな工業集積はないが、観光と農業に根づいた堅実な経済が広がる。地域に根差す金融機関として、北群馬信用金庫はこの土地の事業者に貸し続けてきた。預貸率63.0%という信金として高めの水準は、北毛の資金需要によく応えてきたことの表れだと読める。不良債権比率1.82%という低さと自己資本比率12.06%という厚さは、観光と農業に根づいた地域経済のなかで、堅実に貸してきたことを映していると読める。よく貸しつつ、なお健全であることを保ってきた信金の姿がうかがえる。

63.0%を、北毛から読む

北群馬信用金庫の預貸率63.0%という、群馬の信金として高めの水準は、温泉と農業の北毛で、地元の中小事業者の資金需要によく応えてきたことの表れだと読める。伊香保・草津の温泉観光や、こんにゃくをはじめとする農業に、貸出は向かってきた。

そのうえで、不良債権比率1.82%という低さと、自己資本比率12.06%という厚さが共存していることが、この信金の性格を物語る。よく貸す信金は焦げ付きが増えがちだが、北群馬信用金庫はよく貸して、なお焦げ付きが少なく、資本も厚い。観光と農業に根づいた地域とともに、健全であり続けてきた——その姿勢が、63.0%という高い預貸率と、1.82%という低い不良債権比率に表れていると読める。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

群馬の経済とともに

北群馬信用金庫の数字は、温泉と農業の北毛という土地と、そこで地域に貸してきた信金の生き方の、両方を映している。地元の中小事業者によく貸し、低い焦げ付きと厚い資本を保ちながら、北毛の経済を支えてきた。伊香保・草津の温泉観光と農業に根づいた地域の堅実さが、63.0%という預貸率と1.82%という低い不良債権比率に表れている。

銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。北群馬信用金庫を見れば、温泉と農業の北毛の経済と、そこで地域に貸す信金の姿が浮かぶ。群馬県の他の金融機関は、沼田の利根郡信用金庫、桐生の桐生信用金庫、県内最大の地銀群馬銀行、第二地銀の東和銀行もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。群馬県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、群馬県の地域金融機関のページへ。

北群馬信用金庫と融資のはなし

北群馬信用金庫は、温泉と農業の北毛に深く根ざした信用金庫です。地元の中小事業者に貸す信金とどう付き合うか、口座づくりから与信の考え方まで、知っておきたい銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。信用金庫では4〜5割台にとどまることも多いなか、6割超の水準は、地元の中小事業者への貸出に積極的なことをうかがわせる。不良債権比率や自己資本比率とあわせて見ることで、その信金の姿が見えてくる。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。利根郡信用金庫・桐生信用金庫の数値も同出典。
沿革(1948年8月に北群馬渋川信用組合として設立、1951年12月に信用金庫法に基づき北群馬信用金庫となったこと、渋川市に本店を置き北毛地区を中心に営業すること、渋川市・前橋市・沼田市・北群馬郡・吾妻郡に店舗を展開すること、「地域に根差す金融機関」を掲げること)=北群馬信用金庫および各種公開情報にもとづく。
渋川・北毛の地理・産業(渋川市、北毛地区、伊香保温泉、草津温泉、こんにゃく、農業、利根川・吾妻川流域、前橋・沼田・吾妻)に関する記述=各種公開情報。

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