信用組合広島商銀——中四国に広がる商銀系信組は、何に貸すか
預貸率74.9%、自己資本比率9.06%、不良債権比率6.0%。広島市に本店を置く信用組合広島商銀。在日韓国人系(商銀・民団系)で中四国に広がる信用組合の数字を読みます。
- 2026.06.19【保証協会】26年度補正予算成立、セーフティネット保証5号の事前相談を開始。指定業種で、直近月の売上高が前年同月比で5%以上減少等の要件(経産省PDF)を満たす中小事業者が対象。
広島県広島市に本店を置く信用組合広島商銀は、預金1,616億円、貸出金1,211億円、店舗11。広島を中心に、中四国の各県に広がる信用組合で、在日韓国人系の信用組合である「商銀(しょうぎん)」系の一つです。
「商銀」は、戦後、在日韓国人の事業者が相互扶助のために各地で設立した信用組合の系譜です。なお、ここでいう商銀(民団系)は、朝鮮総連系の「朝銀」とは別系統です。信用組合広島商銀は1961年に創業し、1999年に山口商銀・島根商銀の事業を、2001年に高知商銀の事業を引き継いで、営業区域を中四国に広げてきました。現在の営業地域は広島・山口・島根・鳥取・高知・愛媛・香川・徳島の各県に及びます。数字の面で目を引くのは、預貸率74.9%という高さと、不良債権比率6.0%というやや高さです。
まず、数字を並べる
信用組合広島商銀の預金は1,616億円、貸出金は1,211億円、預貸率74.9%。自己資本比率は9.06%、不良債権比率は6.0%。中小企業等向けの貸出先は2,312件です。
| 預金 | 1,616億円 |
|---|---|
| 貸出金 | 1,211億円 |
| 預貸率 | 74.9% |
| 自己資本比率 | 9.06% |
| 不良債権比率 | 6.0% |
| 中小企業等向け貸出先 | 2,312件 |
| 店舗 | 11店 |
預貸率74.9%。中四国に広がる商銀系信組の数字を読む。
74.9%と6.0%を、商銀の系譜から読む
預貸率74.9%は、本紀行で見てきた信用組合のなかでも高い部類で、集めた預金の四分の三を組合員に貸し出しています。在日韓国人の事業者という明確な組合員基盤のもと、その資金需要に貸してきたことの表れと読めます。一方、不良債権比率6.0%はやや高めの水準です。複数の商銀系信組を統合しながら中四国に広がってきた経緯のなかで、各地の事業の浮き沈みを引き受けてきたことの表れと読めます。
信用組合広島商銀が貸す相手は、中四国の在日韓国人系の事業者です。まちの商業やサービス業が、その融資先に含まれると考えられます。自己資本比率9.06%は信用組合として国内基準を上回る水準で、やや高めの不良債権を抱えながらも貸出を続けてきたことがうかがえます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、商銀系として中四国に広がってきた成り立ちを抜きに、この数字は読めません。
なぜ、こうなったのか——制度と地域
信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。
この制度のもとでは、貸す相手はおのずと組合員に絞られます。信用組合広島商銀にとって、その組合員基盤は、中四国に広がる在日韓国人系のコミュニティを中心とする事業者や住民です。各地の商銀系信組の事業を引き継いで広域に地盤を広げてきたことで、中四国にまたがる組合員基盤を持つに至りました。明確な組合員基盤に貸す姿が、高い預貸率に表れていると読めます。
同じ県の、金融機関と並べてみる
同じ広島県を代表する地銀として、広島銀行(預貸率85.8%)も本紀行に登場しています。県名を冠する広島県信用組合(預貸率72.0%)とあわせて、広島の協同組織金融機関の姿は各記事もどうぞ。
数字は、組合の成り立ちを映す
預貸率74.9%という高さと、不良債権比率6.0%という水準は、商銀の系譜を引き継ぎ、中四国に広がって組合員に貸してきた信組の姿を映しています。信用組合広島商銀の数字は、在日韓国人系の相互金融の系譜に連なる信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、広島県の他の金融機関は広島県の地域金融機関のページもどうぞ。
信用組合広島商銀は、地元にしっかり貸す信用組合です。実際に借入れを考えるなら、土台になるのは事業の中身を伝える準備と、保証制度の理解。借りる側が知っておきたい融資・保証の基礎をまとめました。
- → 創業融資の受け方
- → 事業計画書の書き方
- → 信用保証協会とは
- → セーフティネット保証とは
- → 当座貸越とは
執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
信用組合広島商銀の沿革(1961年創業、1999年に山口商銀・島根商銀、2001年に高知商銀の事業を引き継ぎ中四国に営業区域を広げたこと、在日韓国人系(商銀・民団系)の信用組合であること)に関する記述=信用組合広島商銀公開情報・各種公開情報にもとづく。
商銀系・朝銀系の系譜に関する記述=各種公開情報。
広島銀行・広島県信用組合の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。
本サイトは、資金繰り支援サービス「¥Today」が運営しています。