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北海道信用金庫——札幌の大型信金は、なぜ厚い資本で焦げ付きが低いのか

預貸率55.4%、預金1兆1,705億円、自己資本比率18.3%、不良債権比率1.47%。札幌市に本店を置く北海道信用金庫。道都・札幌に根ざす信金が、なぜ厚い自己資本と低い焦げ付きを両立するのか。同じ北海道の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。

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北海道の道都・札幌市に本店を置く北海道信用金庫は、預金1兆1,705億円を持つ信用金庫だ。店舗80。札幌市を中心に、北海道の各地を広く地盤としている。預金1兆円を超える、北海道でも大型の信金だ。

本拠の札幌市は、200万近い人口を抱える北日本最大の都市であり、北海道の政治・経済・商業の中心だ。道庁所在地として行政機能が集まり、商業・サービス業・観光が集積する。広大な北海道のなかで、人も事業も札幌に集まる一極集中の構造がある。北海道信用金庫は、こうした道都・札幌を中心とする北海道に根ざし、地域の中小・零細事業者を支えてきた信金だ。

この信金の数字で目を引くのは、自己資本比率18.3%という厚さと、不良債権比率1.47%という低さだ。預金の半分強を貸出に回しながら、資本は厚く、焦げ付きは低い。なぜ、道都の大型信金は、これほど堅実なのか。同じ北海道の信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。北海道信用金庫の預金は1兆1,705億円、貸出金は6,482億円。預貸率は55.4%で、預金の半分強を貸出に回している。自己資本比率は18.3%と厚く、不良債権比率は1.47%と低い。店舗数は80、中小企業等への貸出残高は4,930億円。

同じ北海道で、旭川市を地盤とする旭川信用金庫(預貸率34.8%・自己資本比率17.82%)と比べると、両者とも厚い自己資本を持つ点は共通するが、貸し方が対照的だ。北海道信用金庫の預貸率55.4%は旭川信用金庫(34.8%)を大きく上回り、預金をより多く貸出に回している。自己資本比率は北海道信用金庫(18.3%)が旭川信用金庫(17.82%)とほぼ並ぶ厚さだ。道都・札幌の北海道信用金庫は、人と事業の集まる地盤で貸出をより伸ばしながら、厚い資本も保っている。これは、札幌という一極集中の地盤が、貸出先に事欠かない土地であることを映していると読める。

北海道の二つの信用金庫(令和7年3月末)
 北海道信用金庫旭川信用金庫
本店札幌市旭川市
預金1兆1,705億円1兆124億円
預貸率55.4%34.8%
自己資本比率18.3%17.82%
不良債権比率1.47%3.09%

ともに北海道を地盤とする大型信金。どちらも厚い自己資本を持つが、道都・札幌の北海道信用金庫は貸出をより伸ばし、焦げ付きも低い。地盤の資金需要の厚さの違いが数字に表れている。

道都・札幌とともに——北海道信用金庫の歩み

北海道信用金庫は、札幌の中小・零細事業者の相互扶助の金融機関として育ってきた。札幌の商店、サービス業の事業者、地場の中小企業、そして住民——こうした人々が会員となり、預金を預け、必要なときに資金を借りる。北海道信用金庫は、複数の信用金庫の合併を経て、道都・札幌を中心に北海道に広く根ざす大型信金へと成長してきた。

札幌という土地は、信用金庫にとって、会員の資金需要のある地盤だ。北日本最大の都市として人と事業が集まり、商業・サービス業・観光が集積する。地元の中小に密着し、会員との関係のもとで貸す——この信用金庫ならではの貸し方が、預貸率55.4%という水準を支えている。広大な北海道では、預金は集まるが貸出先に限りのある土地も多いなか、道都・札幌は人も事業も集まり、貸出を伸ばしやすい。そして、相手の事業をよく知ることで貸出先を堅実に見極め、不良債権比率1.47%という低い焦げ付きを保ってきたと読める。

18.3%の資本を、道都から読む

北海道信用金庫の自己資本比率18.3%という厚さと、不良債権比率1.47%という低さは、道都・札幌で会員の中小に堅実に貸し、利益を着実に資本へ積んできたことの表れだと読める。人と事業の集まる札幌は貸出先に事欠かず、預金の半分強を貸出に回せる。そのうえで、相手の事業をよく見極めて貸すことで焦げ付きを低く抑え、堅実に資本を積んできた。よく貸しながら厚い資本と低い焦げ付きを両立するこの均衡は、安定した道都の地盤に支えられていると読める。

預貸率55.4%という水準は、貸出先の限られた地方の信金が3割台にとどまることも多いなか、道都・札幌の資金需要の厚さを映している。道都・札幌で会員の中小に堅実に貸し、厚い資本と低い焦げ付きを保つ——それが、北海道信用金庫の数字に表れた生き方だと読める。北日本最大の都市を地盤とする大型信金の、堅実な姿がここにある。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

北海道の経済とともに

北海道信用金庫の数字は、道都・札幌という一極集中の地盤と、そこで会員の中小に堅実に貸す大型信金の歩みの、両方を映している。預金の半分強を地元に貸しながら、焦げ付きを低く抑え、厚い資本を積んできた。人と事業の集まる札幌の経済が、55.4%という預貸率と、18.3%という厚い自己資本、1.47%という低い焦げ付きに表れている。

銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。北海道信用金庫を見れば、道都・札幌の経済と、そこで堅実に貸す大型信金の姿が浮かぶ。北海道の他の金融機関は、貸出を抑えめにする旭川の旭川信用金庫、鉄のまち室蘭の室蘭信用金庫、オホーツクの網走信用金庫もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。北海道の他の金融機関と並べて眺めたい方は、北海道の地域金融機関のページへ。

自己資本比率とは 自己資本比率とは、金融機関の総資産に対する自己資本の割合。損失が出たときに、自前の資本でどれだけ吸収できるかを示す、健全性の目安の一つだ。信用金庫には国内基準で4%以上が求められる。人と事業の集まる大都市を地盤とする信金は、貸出を伸ばしながらも、相手の事業をよく見極めて焦げ付きを抑え、利益を着実に資本へ積むことで、厚い自己資本と低い不良債権比率を両立することがある。預貸率とあわせて見ることで、その堅実さが見えてくる。 → あわせて「預貸率の読み方」もどうぞ

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。旭川信用金庫の数値も同出典。
沿革・地域(札幌市に本店を置き、北海道内を地盤とする信用金庫であること、複数の信用金庫の合併を経て北海道に広く根ざす大型信金になったこと、札幌が北日本最大の都市で道庁所在地であり商業・サービス業・観光が集積すること、広大な北海道のなかで札幌に人と事業が集まる一極集中の構造があること)に関する記述=北海道信用金庫および各種公開情報にもとづく。
札幌・北海道の地理・経済(札幌、道都、道庁所在地、北日本最大の都市、商業、サービス業、観光)に関する記述=各種公開情報。

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