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神戸信用金庫——港都・神戸で、こうべしんきんは何に貸すか

預貸率47.6%、預金5,417億円、自己資本比率13.29%、不良債権比率2.38%。兵庫県神戸市中央区に本店を置く神戸信用金庫。港都・神戸に根ざし、震災を越えてきた「こうべしんきん」が、何に貸すのか。同じ兵庫の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。

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兵庫県の神戸市中央区に本店を置く神戸信用金庫は、預金5,417億円を持つ信用金庫だ。店舗29。地元で「こうべしんきん」と呼ばれ、神戸市を中心とする阪神地域を地盤とする。港都・神戸に根ざす信金だ。

本拠の神戸市は、兵庫県の県庁所在地であり、古くから国際貿易の港町として栄えてきた。幕末の開港以来、神戸港は日本を代表する国際港となり、外国文化の窓口として異人館や洋館、洋菓子・洋食・ファッションといった「ハイカラ」な都市文化を育てた。背後には六甲山が迫り、海と山に挟まれた細長い市街地に、港湾・造船・食品・アパレル・ケミカルシューズなどの産業と、商業・サービスが密に集まる。神戸信用金庫は、こうした港都・神戸に根ざし、地域の中小事業者と暮らしに貸してきた。1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた地でもあり、その復興とともに歩んできた信金でもある。

この信金の数字を見ると、預貸率47.6%という水準とともに、不良債権比率2.38%という、兵庫の信金のなかで低めの数字が目を引く。預金の半分弱を貸出に回しながら、貸した先の健全性は高い。港都の信金は、どう貸してきたのか。同じ兵庫の信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。神戸信用金庫の預金は5,417億円、貸出金は2,579億円。預貸率は47.6%で、預金の半分弱を貸出に回している。自己資本比率は13.29%、不良債権比率は2.38%。店舗数は29。

同じ兵庫県の信金と比べてみる。県内最大の尼崎信用金庫(預貸率47.7%・自己資本比率15.18%)、姫路の姫路信用金庫(預貸率56.3%・自己資本比率11.17%)、但馬の但馬信用金庫(預貸率38.5%・自己資本比率22.7%)と並べると、神戸信用金庫の預貸率47.6%は、兵庫の信金のなかで中位だ。県内最大の尼崎信金とほぼ同じ水準にある。注目すべきは不良債権比率2.38%という低さで、姫路の6.45%、尼崎の5.4%、但馬の4.54%と比べて、明らかに低い。港都・神戸という大都市の商圏で、貸す先を見極め、健全な貸出を保ってきた姿がうかがえる。自己資本比率13.29%も信金として手厚く、不良債権の少なさが資本の質を裏づけている。

兵庫県の信用金庫(令和7年3月末)
 神戸信用金庫尼崎信用金庫姫路信用金庫但馬信用金庫
本店神戸市尼崎市姫路市豊岡市
預貸率47.6%47.7%56.3%38.5%
不良債権比率2.38%5.4%6.45%4.54%
自己資本比率13.29%15.18%11.17%22.7%

いずれも兵庫県の信金。神戸の不良債権比率2.38%は県内で低め。港都の商圏で健全な貸出を保つ姿を映す。

4つの信用組合の合併から——神戸信用金庫の歩み

神戸信用金庫は、1933年(昭和8年)9月22日、神戸第一信用組合・神戸信用組合・神戸相互信用組合・兵庫信用組合という、神戸の4つの信用組合が合併して「有限責任信用組合神戸金庫」として発足した。港都・神戸の中小商工業者を支えるために、複数の組合が一つになって生まれた金融機関だった。戦後の1950年(昭和25年)の改組を経て、1951年(昭和26年)10月、信用金庫法に基づき「神戸信用金庫」となった。本店は神戸市中央区浪花町に置かれ、愛称は「こうべしんきん」。その後、関西西宮信用金庫から事業の一部譲渡を受けて店舗網を広げてきた。「地域金融機関として、地元産業の発展と市民の福利のために奉仕する」を基本方針に掲げている。

港都・神戸という土地は、信用金庫にとって、大都市の厚みと、災害の記憶の両方を抱える地盤だ。国際貿易港を擁し、港湾・食品・アパレル・ケミカルシューズなどの産業と商業が集まる一方、1995年の阪神・淡路大震災では市街地が壊滅的な被害を受けた。神戸信金は、この震災を地域の事業者とともに経験し、復興を支えてきた。近年は、ラジオ関西と連携した地域情報の発信や「安心・安全なまちづくり」への取り組みが評価され、全国信用金庫協会の信用金庫社会貢献賞で特別賞を受賞している。預貸率47.6%という中位の水準と、不良債権比率2.38%という低さの組み合わせは、大都市の商圏で、貸す先を見極めながら健全な貸出を積み重ねてきたことの表れだと読める。震災を越え、地域とともに歩んできた信金の堅実さが、この低い不良債権比率に表れている。

47.6%を、港都から読む

神戸信用金庫の預貸率47.6%という中位の水準と、不良債権比率2.38%という低さの組み合わせは、港都・神戸という大都市の商圏で、貸す先を見極め、健全な貸出を保ってきたことの表れだと読める。預金は神戸の都市経済から集まり、その半分弱を地域に貸す。姫路信金が5割台で貸すのに対し、神戸は半分弱にとどめつつ、貸した先の質を高く保つ。

そのうえで、4つの信用組合の合併に始まり、阪神・淡路大震災を地域とともに越えてきたという歴史が、この信金の性格を物語る。大都市の商圏で量を追うより、健全性を守る。港都・神戸で、震災を越え、堅実に貸す——その姿勢が、47.6%という預貸率と、2.38%という低い不良債権比率に表れていると読める。港都・神戸で、こうべしんきんは阪神の経済とともに歩んでいる。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

兵庫の経済とともに

神戸信用金庫の数字は、国際貿易の港都・神戸という土地と、4つの信用組合の合併に始まり震災を越えて歩んできた歴史の、両方を映している。大都市の商圏で貸す先を見極めながら、県内で低めの不良債権比率を保ってきた。港都という土地柄と、震災を越えて健全性を守る堅実な経営が、47.6%という預貸率と、2.38%という低い不良債権比率に表れている。

銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。神戸信用金庫を見れば、港都・神戸の経済と、そこで震災を越えて堅実に貸す信金の姿が浮かぶ。兵庫県の他の金融機関は、県内最大の尼崎信用金庫、姫路の姫路信用金庫、但馬の但馬信用金庫もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。兵庫県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、兵庫県の地域金融機関のページへ。

神戸信用金庫と融資のはなし

神戸信用金庫は、港都・神戸に根ざし、震災を越えて健全な貸出を保ってきた信用金庫です。地元の事業者に貸す信金とどう付き合うか、口座づくりから与信の考え方まで、知っておきたい銀行取引の基礎をまとめました。

不良債権比率とは 不良債権比率とは、貸出金などの債権のうち、回収に懸念のある債権が占める割合。この比率が低いほど、貸した先の経営が健全で、貸出の質が高いことを示す。大都市の商圏では資金需要が厚い一方、貸す先を見極めて健全な貸出を保つことで、不良債権比率を低くとどめる信金もある。預貸率・自己資本比率とあわせて見ることで、その信金の貸し方が見えてくる。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。尼崎信用金庫・姫路信用金庫・但馬信用金庫の数値も同出典。
沿革(1933年9月22日に神戸第一信用組合・神戸信用組合・神戸相互信用組合・兵庫信用組合の4組合が合併し「有限責任信用組合神戸金庫」として発足したこと、1950年の改組を経て1951年10月に信用金庫法に基づき神戸信用金庫となったこと、本店が神戸市中央区浪花町にあること、愛称が「こうべしんきん」であること、関西西宮信用金庫から事業の一部譲渡を受けたこと、阪神・淡路大震災を地域とともに経験したこと、ラジオ関西と連携した地域情報発信や安心・安全なまちづくりが信用金庫社会貢献賞特別賞を受賞したこと)=神戸信用金庫および各種公開情報にもとづく。
神戸・阪神の地理・歴史(神戸市、神戸港、国際貿易、開港、異人館、六甲山、港湾、ケミカルシューズ、アパレル、阪神・淡路大震災)に関する記述=各種公開情報・歴史的事実。

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