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はばたき信用組合——合併を重ねた新潟の信組は、何に貸すか

預貸率53.5%、自己資本比率13.67%、不良債権比率7.33%。新潟市に本店を置くはばたき信用組合。さくらの街・三條・新潟鉄道の各信組との合併を重ね、県内に広がる信組の数字を読みます。

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新潟県新潟市に本店を置くはばたき信用組合は、預金1,545億円、貸出金827億円、店舗16。新潟市を中心に、新潟県内の広い範囲を地盤とする信用組合です。

はばたき信用組合は、合併を重ねて大きくなってきた信組です。2019年に阿賀野市のさくらの街信用組合(亀田信用組合を源流とする新栄信用組合)とはばたき信用組合が合併し、2023年には三條信用組合と新潟鉄道信用組合を合併して、県内9市3町に広がる信組となりました。数字の面で目を引くのは、預貸率53.5%と、不良債権比率7.33%というやや高さです。

まず、数字を並べる

はばたき信用組合の預金は1,545億円、貸出金は827億円、預貸率53.5%。自己資本比率は13.67%、不良債権比率は7.33%。中小企業等向けの貸出先は7,604件です。

はばたき信用組合(令和7年3月末)
預金1,545億円
貸出金827億円
預貸率53.5%
自己資本比率13.67%
不良債権比率7.33%
中小企業等向け貸出先7,604件
店舗16店

預貸率53.5%。合併を重ねて県内に広がる信組の数字を読む。

53.5%と7.33%を、合併の歩みから読む

預貸率53.5%は、信用組合として相応の水準で、集めた預金の半分以上を地元に貸し出しています。7,604件という中小企業等向けの貸出先の多さは、合併を重ねて県内各地の事業者を組合員に取り込んできた地盤の広がりを示します。一方、不良債権比率7.33%はやや高めの水準で、複数の信組を統合する過程で、それぞれの地域が抱える事業の浮き沈みを引き受けてきたことの表れと読めます。

はばたき信用組合が貸す相手は、新潟県内の中小事業者です。商業やサービス業、地場の製造業、農業が、その融資先に含まれると考えられます。経営基盤の弱まった信組を合併して救い、地域の金融を束ねて支えてきた歩みは、協同組織金融機関の再編の一つの形です。自己資本比率13.67%は相応の厚みで、やや高い不良債権を抱えながらも守りを保ってきたことがうかがえます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、合併を重ねた新潟という土地と歩みを抜きに、この信組の数字は読めません。

はばたき信用組合が示すのは、合併を重ねて県内の金融を束ね、地元に貸す信組の姿です。7,604件という貸出先の多さは、各地の信組を統合して組合員を広げてきたことの表れ。やや高い不良債権は、複数の地域の浮き沈みを引き受けてきたことの裏返しでもあります。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。はばたき信用組合にとって、その「地元」とは、合併を重ねて広がった新潟県内の各地域です。経営基盤の弱まった信組を合併して地盤を固め、組合員である地区の事業者に貸す姿は、地区の金融を束ねて支える協同組織金融機関の再編のありようを映しています。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ新潟県を代表する地銀として、第四北越銀行(預貸率65.7%)も本紀行に登場しています。県名を冠する新潟縣信用組合や、燕三条の三条信用金庫(預貸率46.5%)とあわせて、新潟の協同組織金融機関の姿は各記事もどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率53.5%という相応の水準と、7,604件という貸出先の多さは、合併を重ねて新潟県内に広がり、地元に貸してきた信組の姿を映しています。はばたき信用組合の数字は、再編の歩みを重ねた新潟の信組の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、新潟県の他の金融機関は新潟県の地域金融機関のページもどうぞ。

はばたき信用組合と融資・保証のはなし

はばたき信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
はばたき信用組合の沿革(2019年にさくらの街信用組合とはばたき信用組合が合併、2023年に三條信用組合・新潟鉄道信用組合を合併、源流に亀田信用組合があること、新潟県内の広い範囲を地区とすること)に関する記述=はばたき信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
新潟県内の商業・製造業・農業に関する記述=各種公開情報。
第四北越銀行・三条信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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