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加茂信用金庫——北越の小京都・加茂で、かもしんは何に貸すか

預貸率39.4%、自己資本比率14.26%、不良債権比率5.76%。加茂市に本店を置く加茂信用金庫。加茂信用組合を源流とし、桐たんすと雪椿のまち「北越の小京都」加茂に根ざす信金の数字を読みます。

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ニホン銀行紀行 ・ 新潟県

新潟県加茂市に本店を置く加茂信用金庫は、預金840億円、貸出金331億円、店舗7。「かもしん」の愛称で、加茂市を中心に、新潟県の県央地域を地盤とする信用金庫です。

本店のある加茂市は、新潟県のほぼ中央、信濃川の支流・加茂川の流れる小さなまちです。古い町並みと寺社が残ることから「北越の小京都」と呼ばれ、伝統的な桐たんすの産地、そして市の花・雪椿のまちとして知られます。木工と地場の製造業、周辺の米作がまちを支えてきました。加茂信用金庫は、1952年に「加茂信用組合」として設立され、1954年に信用金庫へ改組した、県央の信金です。数字の面で目を引くのは、預貸率39.4%という控えめな水準です。

まず、数字を並べる

加茂信用金庫の預金は840億円、貸出金は331億円、預貸率39.4%。自己資本比率は14.26%、不良債権比率は5.76%。中小企業等向けの貸出先は2,926件です。

加茂信用金庫(令和7年3月末)
預金840億円
貸出金331億円
預貸率39.4%
自己資本比率14.26%
不良債権比率5.76%
中小企業等向け貸出先2,926件
店舗7店

預貸率39.4%。桐たんすのまち・加茂に根ざす信金の数字を読む。

39.4%を、小京都から読む

預貸率39.4%という控えめな水準は、集めた預金のうち貸出に回しているのが四割ほどであることを示します。本紀行で見てきた地方の信金のなかでも、控えめな部類です。桐たんすという伝統の地場産業を抱えつつ、人口減少が進む小さなまちでは、旺盛に伸びる資金需要が常にあるわけではなく、預貸率39.4%という水準は、そうした土地の事情を映していると読めます。

加茂信用金庫が貸す相手は、加茂を中心とする県央の中小事業者です。桐たんすや木工、地場の製造業、まちの商業や建設業、周辺の米作が、その融資先に含まれると考えられます。自己資本比率14.26%は相応の厚みで、不良債権比率5.76%はやや高めながら極端ではありません。伝統のまちで、無理に貸し増さず堅実に経営する信金の輪郭が読めます。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、「北越の小京都」加茂という土地を抜きに、この信金の数字は読めません。

加茂信用金庫が示すのは、桐たんすの伝統が息づく小さなまちに根ざし、堅実に向き合う信金の姿です。人口減の進む「北越の小京都」で、控えめな預貸率を保ちつつ、相応の自己資本で守りを固める。その数字は、伝統のまちに根を張る信金の輪郭を映しています。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用金庫が融資できる相手は原則として「会員」に限られ、その資格は信用金庫法10条1項により、信用金庫の「地区」の中に住所や事業所がある人、その地区で働く人、と定められています。事業者には規模の制限もあり、大企業は会員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。加茂信用金庫にとって、その「地元」とは、桐たんすの伝統と木工を地場とし、人口減少が進む県央・加茂の地域経済です。借り手が細るなか、無理に貸し増さず堅実さを優先する姿が、控えめな預貸率という数字に表れていると読めます。

同じ県の、金融機関と並べてみる

同じ新潟県を代表する地銀として、第四北越銀行(預貸率65.7%)も本紀行に登場しています。同じ県央の金物産地・燕三条には三条信用金庫(預貸率46.5%)があり、中越の長岡信用金庫(預貸率40.4%)とあわせて、新潟の信金の姿は各記事もどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率39.4%という控えめな水準は、「北越の小京都」加茂に根を張り、桐たんすの伝統のまちで堅実に経営してきた信金の姿を映しています。加茂信用金庫の数字は、雪椿のまちに根ざす「かもしん」の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、新潟県の他の金融機関は新潟県の地域金融機関のページもどうぞ。

加茂信用金庫と融資・保証のはなし

加茂信用金庫は、地域に根ざした信用金庫です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
加茂信用金庫の沿革(1952年に加茂信用組合として設立、1954年に信用金庫へ改組、加茂市を中心に県央地域を地区とすること、「かもしん」の愛称)に関する記述=加茂信用金庫公開情報・各種公開情報にもとづく。
加茂市の「北越の小京都」の町並み・桐たんす・木工・雪椿・米作に関する記述=各種公開情報。
第四北越銀行・三条信用金庫・長岡信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用金庫の地区・会員資格に関する記述=金融庁 金融審議会「協同組織金融機関のあり方に関するワーキング・グループ」資料『協同組織金融機関の「地区」のあり方』(2008年6月20日・神吉正三)。

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