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大光銀行——長岡の第二地銀は、米どころで預金の8割超を何に貸すか

預貸率81.9%、預金1.4兆円、自己資本比率8.56%。長岡市に本店を置く大光銀行。無尽を源流とする新潟の第二地銀「たいこう」が、米どころ・ものづくりの中越で積極的に貸す姿を読みます。

ニホン銀行紀行 ・ 新潟県

新潟県長岡市に本店を置く大光銀行は、地元で「たいこう」と呼ばれる第二地方銀行です。預金1兆4,304億円、貸出金1兆1,711億円、店舗71。新潟県中越地方の長岡を地盤とする第二地銀で、新潟市や県内各地、隣接県にも店舗を持っています。

本拠地の長岡市は、新潟県第二の都市であり、中越地方の中心です。信濃川がつくる越後平野の米どころであると同時に、機械・金属・電子部品などの製造業が集まるものづくりの土地でもあり、長岡花火で全国に知られます。県内には地方銀行の第四北越銀行という大手がある一方、大光銀行は第二地銀として中越を中心に独自の地盤を築いてきました。この米どころでものづくりの中越という地盤と、第二地銀という立場が、大光銀行の数字を読む鍵になります。

大光銀行は、無尽(庶民の相互扶助のしくみ)を源流とし、相互銀行を経て普通銀行に転換した第二地方銀行です。第二地銀は、こうした無尽・相互銀行を出自とするものが多く、地域の中小・零細事業者に密着してきた歴史を持ちます。数字の面で目を引くのは、預貸率81.9%という高さです。

まず、数字を並べる

大光銀行の預金は1兆4,304億円、貸出金は1兆1,711億円、預貸率81.9%。自己資本比率は8.56%、不良債権比率は2.27%。中小企業等向けの貸出残高は8,855億円にのぼります。

大光銀行(令和7年3月末)
預金1兆4,304億円
貸出金1兆1,711億円
預貸率81.9%
自己資本比率8.56%
不良債権比率2.27%
中小企業等向け貸出残高8,855億円
店舗71店

預貸81.9%・自己資本8.56%。中越で積極的に貸す第二地銀の数字。

81.9%を、第二地銀の立場から読む

預貸率81.9%は、地方銀行・第二地銀のなかでも高い水準です。集めた預金の8割超を貸出に回している。中越の事業者に、積極的に資金を流していることの表れと読めます。

大光銀行が貸す相手は、長岡を中心とする新潟県内の事業者と個人です。越後平野の農業関連、中越の機械・金属・電子部品の製造業、その下請けを担う中小・零細事業者、地域の商業、そして住宅ローンが、その融資先に含まれます。中小企業等向けの貸出残高8,855億円が、貸出金の大半を占めることが、地域の中小に深く貸し込んでいることを示しています。県内には第四北越銀行という大手地銀があり、大光銀行は第二地銀としてその立場でシェアを確保しなければならない。無尽を源流とし中小・零細に密着してきた出自を生かし、よりきめ細かく貸すことが、預貸率81.9%という高さにつながっていると読めます。

自己資本比率8.56%は、地銀・第二地銀のなかでは標準的な水準です。不良債権比率2.27%はやや高めで、体力で大手地銀に劣る第二地銀が、中小・零細に積極的に貸せば、相対的にリスクの高い先も引き受けることになり、焦げ付きは高まりやすい。預貸率の高さと不良債権比率のやや高めの水準は、ともに「地域の中小に深く貸す」第二地銀の姿の両面と読めます。もちろん、これらの比率には経営方針や景気も絡むため断定はできませんが、大手地銀と並び立つ第二地銀という立場と、米どころでものづくりの中越という地盤を抜きに、この数字は読めません。

大光銀行が示すのは、大手地銀と並び立つ第二地銀が、中越の中小に深く貸す姿です。無尽を源流とする出自を生かし、預金の8割超を地域に流す。81.9%という高さとやや高めの焦げ付きは、地域の中小・零細に密着して貸す第二地銀の両面と読めます。

同じ新潟で、貸さない信組と並べてみる

本紀行には、同じ新潟県の新潟大栄信用組合も登場しています。新潟大栄信組は、金属加工の燕に根ざしながら、貸さずに守ることを選んだ信組でした。預金の8割超を貸す大光銀行(預貸率81.9%)と、貸さずに守る信組とを並べると、同じ新潟のものづくりの土地を相手にしながら、よく貸す第二地銀と、守りを固める信組とで、これほど姿勢が分かれることが見えてきます。攻めて貸す第二地銀と、慎重に守る信組——両者を並べると、新潟の金融の幅が見えてきます。貸さずに守る信組の姿は、新潟大栄信用組合の記事もあわせてどうぞ。

借り手にとっての意味

第二地方銀行は、地域の中小事業者にとって、大手地銀と並ぶ身近な選択肢です。とりわけ無尽を源流とし中小・零細に密着してきた大光銀行は、大手地銀が慎重になりがちな先にも向き合うことがあります。高い預貸率は積極的に貸す姿勢の表れとも読めますが、それが個別の融資の可否を保証するものではありません。預貸率という数字の読み方は、預貸率の読み方であらためて整理しています。

数字は、第二地銀の立場を映す

預貸率81.9%という高さは、米どころでものづくりの中越に根ざし、大手地銀と並び立つ第二地銀として、地域の中小に深く貸してきた銀行の姿を映しています。県を代表する大手地銀もあれば、大光銀行のように第二地銀として中小に密着する銀行もある。数字は、その金融機関がどんな立場で地域と向き合ってきたかを語ります。大光銀行の数字は、長岡に根ざす新潟の第二地銀「たいこう」の、いまの記録です。

各地の金融機関には、それぞれの土地と立場の事情が刻まれた、それぞれの生き方があります。新潟県の他の金融機関とあわせて眺めたい方は、新潟県の地域金融機関のページもどうぞ。

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
大光銀行の沿革(無尽を源流とし相互銀行を経て普通銀行に転換した第二地方銀行、本店は長岡市、新潟県中越地方を地盤とすること)、新潟県内に地方銀行の第四北越銀行があることに関する記述=大光銀行および各種公開情報にもとづく。
長岡市・中越の地理と産業(新潟県第二の都市、信濃川・越後平野の米どころ、機械・金属・電子部品の製造業、長岡花火)に関する記述=各種公開情報。
新潟大栄信用組合の位置づけ=各種公開情報および本紀行既出記事。
第二地方銀行の一般的な成り立ち(無尽・相互銀行を源流とする等)に関する記述=一般的な金融制度の説明にもとづく。

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