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おかやま信用金庫——県都・岡山の信金は、何に貸すか

預貸率41.2%、預金5,915億円、自己資本比率11.81%、不良債権比率5.55%。岡山市に本店を置くおかやま信用金庫。県都・岡山に根ざす信金が、何に貸すのか。同じ岡山の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。

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ニホン銀行紀行 ・ 岡山県

岡山県の岡山市に本店を置くおかやま信用金庫は、預金5,915億円を持つ信用金庫だ。店舗31。「おかしん」の愛称で知られ、岡山市を中心に、県南部を地盤としている。

本拠の岡山市は、人口70万人を超える県都であり、中国・四国地方の交通の結節点だ。山陽新幹線と瀬戸大橋線が交わり、四国への玄関口でもある。後楽園と岡山城を擁する城下町であり、商業・サービス業が集まる一方、周辺には農業地帯も広がる。温暖な瀬戸内気候のもと、「晴れの国」として知られる。おかやま信用金庫は、こうした県都・岡山に根ざしてきた信金だ。

この信金の数字で目を引くのは、預貸率41.2%という抑えめの水準だ。県都という商業の集まる土地にありながら、預金の4割ほどしか貸出に回していない。なぜ、県都の信金は、こうした数字になるのか。同じ岡山を地盤とする信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。おかやま信用金庫の預金は5,915億円、貸出金は2,435億円。預貸率は41.2%で、預金の4割ほどを貸出に回している。自己資本比率は11.81%、不良債権比率は5.55%。店舗数は31、中小企業等への貸出残高は2,362億円。

同じ岡山県で、県北の城下町・津山を地盤とする津山信用金庫(預貸率44.3%)と比べると、両者は近い預貸率で、ともに預金の4割前後を貸出に回している。県都・岡山のおかやま信用金庫と、県北・津山の津山信用金庫——地盤とする土地は異なるが、預貸率の水準は似通う。県都にありながら預貸率41.2%にとどまるのは、岡山市内には大手銀行や地銀(中国銀行・トマト銀行など)も集まり、大口の資金需要はそちらに向かいやすいためだと読める。おかやま信用金庫は、その中で中小・零細に密着して貸している。

岡山県の信用金庫・預貸率の比較(令和7年3月末)
 おかやま信金津山信用金庫
本店岡山市津山市
預金5,915億円1,497億円
預貸率41.2%44.3%
自己資本比率11.81%
不良債権比率5.55%

県都・岡山のおかやま信用金庫と、県北・津山の津山信用金庫。地盤は異なるが、預貸率の水準は近い。ともに県内の中小に密着して貸す。

県都・岡山とともに——おかやま信用金庫の歩み

おかやま信用金庫は、岡山の中小・零細事業者の相互扶助の金融機関として育ってきた。県都の商店やサービス業、町工場、周辺の農家、そして城下町に住む人々——こうした人々が会員となり、預金を預け、必要なときに資金を借りる。合併を経て、岡山県南部に広く根ざす信金へと歩んできた。

県都・岡山という土地は、信用金庫にとって、預金は集まるが大口の貸出は競合の多い地盤だ。岡山市内には中国銀行をはじめとする地銀や大手銀行も店舗を構え、大企業や大規模な資金需要はそちらに向かいやすい。その中で、信用金庫は中小・零細事業者に密着して貸す——この役割分担が、預貸率41.2%という水準を支えている。会員から集めた預金の残りは、有価証券などの運用に向かう。自己資本比率11.81%は、信用金庫の国内基準4%を十分に上回り、健全な水準だ。不良債権比率5.55%はやや高めだが、地域の事業の浮き沈みを引き受けてきた跡だと読める。

41.2%を、県都から読む

おかやま信用金庫の預貸率41.2%という水準は、県都・岡山で、大手銀行や地銀と役割を分けながら、中小・零細に密着して貸していることの表れだと読める。県都には大口の資金需要もあるが、それは地銀や大手銀行が主に担う。信用金庫の地盤は、その周りにある無数の中小・零細事業者だ。おかやま信用金庫は、その層に着実に貸し、預金の4割ほどを貸出に回している。残りは運用に向け、健全な資本を保っている。

自己資本比率11.81%という健全な資本と、不良債権比率5.55%というやや高めの焦げ付きは、県都で中小に貸し、運用とのバランスを取ってきたことを映す。県都・岡山で、中小に密着して貸し、健全な資本を保つ——それが、おかやま信用金庫の数字に表れた生き方だと読める。地銀の集まる県都で、信用金庫が果たす役割の一つのかたちがここにある。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

岡山の経済とともに

おかやま信用金庫の数字は、県都・岡山という土地と、そこで中小に密着して貸す信金の歩みの、両方を映している。預金の4割ほどを地元の会員に貸し、健全な資本を保ちながら、岡山を中心とする県南部の中小・零細事業者を支えてきた。地銀の集まる県都で、信用金庫としての役割を担う姿が、41.2%という預貸率に表れている。

銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。おかやま信用金庫を見れば、県都・岡山の経済と、そこで中小に貸す信金の姿が浮かぶ。岡山県の他の金融機関は、県北の津山信用金庫、備前焼の備前日生信用金庫、そして県のトップバンク中国銀行もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。岡山県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、岡山県の地域金融機関のページへ。

おかやま信用金庫と融資・保証のはなし

おかやま信用金庫は、地域に根ざした信用金庫です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。地銀や大手銀行も集まる県都では、大口の資金需要はそちらに向かいやすく、信用金庫は中小・零細に密着して貸すため、預貸率が4割前後に落ち着くことがある。自己資本比率とあわせて見ることで、その信金の堅実さが見えてくる。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。津山信用金庫の数値も同出典。
沿革・地域(岡山市に本店を置き、「おかしん」の愛称で知られ、岡山市・県南部を地盤とする信用金庫であること、合併を経て県南部に広く根ざす信金になったこと、岡山市が人口70万人を超える県都で中国・四国地方の交通の結節点であり山陽新幹線と瀬戸大橋線が交わる四国への玄関口であること、後楽園と岡山城を擁する城下町で商業・サービス業が集まり周辺に農業地帯も広がること、温暖な瀬戸内気候のもと「晴れの国」と呼ばれること)に関する記述=おかやま信用金庫および各種公開情報にもとづく。
岡山の地理・経済(岡山、後楽園、岡山城、山陽新幹線、瀬戸大橋、晴れの国、商業、農業)に関する記述=各種公開情報。

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