コザ信用金庫——基地の街コザで、沖縄唯一の信金は何に貸すか
預貸率68.5%、預金2,527億円、自己資本比率11.65%、不良債権比率1.30%。沖縄市に本店を置くコザ信用金庫。基地の街・コザに根ざす沖縄唯一の信用金庫が、何に貸すのか。沖縄の地銀と比べながら、その数字と歴史を読む。
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沖縄県の沖縄市に本店を置くコザ信用金庫は、預金2,527億円を持つ信用金庫だ。店舗20。沖縄市を中心に、沖縄本島の中部を地盤としている。そして、コザ信用金庫は、沖縄県でただ一つの信用金庫だ。
本拠の沖縄市は、かつて「コザ市」と呼ばれた街だ。沖縄本島中部に位置し、嘉手納基地をはじめとする米軍基地に隣接する。戦後、基地の街として独特の発展を遂げ、外国人と地元の人々が行き交う繁華街、エイサーやロックといった音楽文化で知られてきた。コザという名は、いまも地域の呼び名として親しまれている。基地経済と、地元の商工業、観光が混ざり合う土地——コザ信用金庫は、こうした基地の街・コザに根ざしてきた信金だ。
この信金の数字で目を引くのは、預貸率68.5%という高さと、不良債権比率1.30%という低さだ。よく貸しながら、焦げ付きは小さい。なぜ、基地の街の信金は、これだけ効率よく貸せるのか。沖縄の地銀とも比べながら、数字を読みにいく。
数字を並べてみる
まず、絶対値から。コザ信用金庫の預金は2,527億円、貸出金は1,732億円。預貸率は68.5%で、預金の7割近くを貸出に回している。自己資本比率は11.65%、不良債権比率は1.30%。店舗数は20、中小企業等への貸出残高は1,589億円。
沖縄県には、信用金庫はコザ信用金庫の一つだけだ。県内の金融は、琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行という三つの地銀が中心を担う。そのなかで、コザ信用金庫は中部の中小・零細事業者に密着する唯一の信金として、独自の位置を占めている。預貸率68.5%は、信用金庫としては高い水準だ。沖縄は人口が増え、観光が伸び、建設需要も旺盛な土地であり、その資金需要を、地銀とともに信用金庫も担ってきたと読める。不良債権比率1.30%という低さは、その貸出が健全に保たれてきたことを映す。
| コザ信用金庫 | 沖縄の地銀(参考) | |
|---|---|---|
| 本店 | 沖縄市 | 那覇市ほか |
| 業態 | 信用金庫(県内唯一) | 地方銀行3行 |
| 預金 | 2,527億円 | 各行 兆円規模 |
| 預貸率 | 68.5% | — |
| 不良債権比率 | 1.30% | — |
沖縄県の信用金庫はコザ信用金庫ただ一つ。三つの地銀が県内金融の中心を担うなかで、中部の中小に密着する唯一の信金として独自の位置を占める。
基地の街コザとともに——コザ信用金庫の歩み
コザ信用金庫は、沖縄本島中部の中小・零細事業者の相互扶助の金融機関として育ってきた。コザの繁華街の商店や飲食店、基地に連なるサービス業、建設業、地元の町工場、そして中部に住む人々——こうした人々が会員となり、預金を預け、必要なときに資金を借りる。米国統治下の時代から戦後復帰を経て、沖縄とともに歩んできた信金だ。
沖縄本島中部という土地は、信用金庫にとって、会員の資金需要の濃い地盤だ。基地経済を背景にしたサービス業、観光の伸び、人口増加に伴う建設・住宅需要——多様な需要が広がる。地元の中小に密着し、会員との関係のもとで貸す——この信用金庫ならではの貸し方が、預貸率68.5%という高い水準を支えている。自己資本比率11.65%は、信用金庫の国内基準4%を十分に上回り、健全な水準だ。不良債権比率1.30%という低さは、伸びる沖縄経済のなかで、堅実に貸してきたことを映す。
68.5%を、コザから読む
コザ信用金庫の預貸率68.5%という高さと不良債権比率1.30%という低さは、伸びる沖縄経済のなかで、中部の中小によく貸し、しかも健全さを保ってきたことの表れだと読める。沖縄は、人口が増え、観光が伸び、建設需要が旺盛な土地だ。県内唯一の信用金庫であるコザ信用金庫は、その需要を地銀とともに担い、中部の中小に密着して貸してきた。よく貸しながら焦げ付きを抑えるのは、伸びる経済という追い風と、地元に根ざした堅実な貸し方の両方があってのことだと読める。
自己資本比率11.65%という健全な資本と、不良債権比率1.30%という低い焦げ付き、そして68.5%という高い預貸率——この組み合わせは、基地の街コザで、沖縄唯一の信金として、よく貸し健全さを保つ信金の姿を映している。地域とともに伸びる。それが、コザ信用金庫の数字に表れた生き方だと読める。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。
沖縄の経済とともに
コザ信用金庫の数字は、基地の街・コザという土地と、そこで中小によく貸す沖縄唯一の信金の歩みの、両方を映している。預金の7割近くを地元の会員に貸し、健全な資本と低い焦げ付きを保ちながら、沖縄市を中心とする本島中部の中小・零細事業者を支えてきた。基地経済と観光と建設の混ざり合う、伸びる沖縄の経済が、68.5%という預貸率に表れている。
銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。コザ信用金庫を見れば、基地の街コザの経済と、そこで中小に貸す沖縄唯一の信金の姿が浮かぶ。沖縄県の他の金融機関は、琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。沖縄県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、沖縄県の地域金融機関のページへ。
本業の事業融資に踏み込むなら、知っておきたいのが融資の進め方と保証のしくみです。創業期から事業の拡大まで、沖縄で事業を営む立場で押さえておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。
- → 創業融資の受け方
- → 事業計画書の作り方
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- → セーフティネット保証とは
- → 当座貸越とは
執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。
沿革・地域(沖縄市に本店を置き、沖縄本島中部を地盤とする沖縄県唯一の信用金庫であること、米国統治下の時代から戦後復帰を経て沖縄とともに歩んできたこと、沖縄市がかつて「コザ市」と呼ばれ沖縄本島中部に位置し嘉手納基地などの米軍基地に隣接すること、戦後に基地の街として発展し繁華街やエイサー・ロックなどの音楽文化で知られコザの名が地域の呼び名として親しまれていること、沖縄県に琉球銀行・沖縄銀行・沖縄海邦銀行の三つの地銀があること)に関する記述=コザ信用金庫および各種公開情報にもとづく。
コザ・沖縄の地理・経済(沖縄市、コザ、嘉手納、基地、繁華街、エイサー、観光、建設、沖縄本島中部)に関する記述=各種公開情報。
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