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東信用組合——墨田の下町で、あづまは何に貸すか

預貸率55.1%、自己資本比率10.42%、不良債権比率3.67%。墨田区に本店を置く東信用組合「あづま」。墨田新潟県人会を母体とし、城東の下町に根ざす信組の数字を読みます。

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ニホン銀行紀行 ・ 東京都

東京都墨田区に本店を置く東信用組合は、預金344億円、貸出金190億円、店舗4。「あづま」の愛称で、墨田区を中心に、城東の下町を地盤とする信用組合です。

本店のある墨田区は、東京の東部、隅田川の東に開けた下町です。町工場や商店が集まる、ものづくりと商いのまちです。東信用組合は1952年に、墨田の新潟県人会を母体として設立された信組で、同郷のつながりから出発し、いまは墨田・葛飾・江東・江戸川など城東の下町を地盤とする地域信組として歩んでいます。数字の面で目を引くのは、預貸率55.1%という相応の水準です。

まず、数字を並べる

東信用組合の預金は344億円、貸出金は190億円、預貸率55.1%。自己資本比率は10.42%、不良債権比率は3.67%。中小企業等向けの貸出先は734件です。

東信用組合(令和7年3月末)
預金344億円
貸出金190億円
預貸率55.1%
自己資本比率10.42%
不良債権比率3.67%
中小企業等向け貸出先734件
店舗4店

預貸率55.1%。城東の下町に根ざす信組の数字を読む。

55.1%を、下町から読む

預貸率55.1%は、信用組合として相応の水準で、集めた預金の半分以上を地元に貸し出しています。店舗4・預金344億円という小さな規模ながら、城東の下町の事業者に着実に資金を回してきた姿がうかがえます。

東信用組合が貸す相手は、墨田を中心とする城東の下町の中小事業者です。町工場や商店、まちのサービス業が、その融資先に含まれると考えられます。同郷の県人会を母体に出発した信組が、いまは地域に開かれた下町の信組として組合員に貸す——その歩みが、相応の預貸率という数字に表れていると読めます。自己資本比率10.42%は信用組合として手堅い水準です。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、町工場と商店の下町・墨田という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

東信用組合が示すのは、同郷のつながりから出発し、いまは下町の中小に貸す小さな信組の姿です。墨田の新潟県人会を母体に生まれ、城東の下町に根を張る。相応の預貸率は、小さな規模ながら地元の事業者に資金を回してきたことの表れです。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。東信用組合は、同郷の県人会という結びつきから出発し、いまは墨田を中心とする城東の下町を地区とする地域信組へと歩みを広げてきました。組合員である下町の小さな事業者に密着して貸す姿は、その出自と制度の両方を映しています。

同じ都の、信用金庫と並べてみる

同じ城東の下町には、亀有信用金庫(預貸率44.3%)や東京東信用金庫(預貸率55.3%)があります。東信用組合(預貸率55.1%)は、これら下町の信金と近い水準で、城東の中小に向き合う小さな信組です。下町の協同組織金融機関の姿は、各記事もあわせてどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率55.1%という相応の水準は、城東の下町・墨田に根を張り、地元の中小に着実に貸してきた信組の姿を映しています。東信用組合の数字は、同郷のつながりから出発した下町の信組「あづま」の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、東京都の他の金融機関は東京都の地域金融機関のページもどうぞ。

東信用組合と融資・保証のはなし

東信用組合は、地域に根ざした信用組合です。借りる・備えるのどちらを考えるにしても、土台になるのは日頃の取引と信用。口座づくりから保証制度まで、どんな立場でも知っておきたい融資・銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
東信用組合の沿革(1952年に墨田の新潟県人会を母体として設立、「あづま」の愛称、墨田区を中心に城東の下町を地区とすること)に関する記述=東信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
墨田区・城東の下町の町工場・商業に関する記述=各種公開情報。
亀有信用金庫・東京東信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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