青梅信用金庫——多摩西部から埼玉へ、あおしんは何に貸すか
預貸率58.0%、預金9,182億円、自己資本比率13.20%、不良債権比率3.82%。東京都青梅市に本店を置く青梅信用金庫。多摩西部から埼玉西部へ都県境をまたいで広がる「あおしん」が、何に貸すのか。同じ多摩の信用金庫と比べながら、その数字と歴史を読む。
- 2026.06.19【保証協会】26年度補正予算成立、セーフティネット保証5号の事前相談を開始。指定業種で、直近月の売上高が前年同月比で5%以上減少等の要件(経産省PDF)を満たす中小事業者が対象。
東京都の青梅市に本店を置く青梅信用金庫は、預金9,182億円を持つ信用金庫だ。店舗36。地元では「あおしん」と呼ばれる。本拠は東京の西の端・青梅だが、その営業圏は東京都の多摩地域から、都県境を越えた埼玉県西部——所沢・入間・狭山・川越・飯能・新座まで広がる。多摩川の上流域に根ざしながら、都と県をまたいで店舗網を伸ばしてきた信用金庫だ。
本店を置く青梅は、多摩川の上流、東京の市街地と奥多摩の山々をつなぐ位置にある。古くは青梅街道の宿場町、織物(青梅縞・青梅綿)のまちとして栄え、いまは住宅地と中小工場、観光が混じり合う。営業圏を東に下れば、人口の集まる多摩の市街地と、埼玉県西部のベッドタウン・産業地が広がる。青梅信用金庫は、こうした多摩西部から埼玉西部にかけての住宅と中小事業に根ざし、地域の事業者と住民を支えてきた。鉄道でいえば、JR青梅線・五日市線・八高線、西武池袋線・新宿線などの沿線にあたる一帯だ。
この信金の数字で目を引くのは、預貸率58.0%という水準だ。預金の6割近くを貸出に回している。なぜ、都県境をまたぐこの信金は、こうした数字になるのか。同じ多摩を地盤とする信用金庫とも比べながら、数字を読みにいく。
数字を並べてみる
まず、絶対値から。青梅信用金庫の預金は9,182億円、貸出金は5,322億円。預貸率は58.0%で、預金の6割近くを貸出に回している。自己資本比率は13.20%、不良債権比率は3.82%。店舗数は36、中小企業等への貸出先は2万3千先を超える。
同じ多摩地域を地盤とする信用金庫と比べてみる。多摩を代表する巨大信金多摩信用金庫(預貸率36.6%)や、中央線沿線から多摩へ広がる西武信用金庫(預貸率68.1%)と並べると、同じ多摩でも、信金によって貸す量はかなり違う。多摩信金が預金の3分の1ほどしか貸さないのに対し、青梅信用金庫の預貸率58.0%はその中間に位置する。多摩西部から埼玉西部という、住宅と中小事業の混じる地盤で、預金の6割近くを貸出に回している。都県境をまたいで営業圏を広げてきたことが、貸出先の厚みを支えていると読める。
| 青梅信用金庫 | 多摩信用金庫 | 西武信用金庫 | |
|---|---|---|---|
| 本店 | 青梅市 | 立川市 | 東村山市 |
| 預金 | 9,182億円 | 3兆2,742億円 | 2兆1,953億円 |
| 預貸率 | 58.0% | 36.6% | 68.1% |
| 自己資本比率 | 13.20% | 8.65% | 13.87% |
| 不良債権比率 | 3.82% | 5.47% | 1.87% |
同じ多摩でも信金によって貸す量は違う。青梅信用金庫の預貸率58.0%は、よく貸す西武信金と抑えめの多摩信金の中間にある。
多摩の上流から、都県境を越えて——青梅信用金庫の歩み
青梅信用金庫は、1922年(大正11年)3月、有限責任青梅町信用組合として設立された。第一次世界大戦後の不況のなか、苦しむ地域住民とともに「共存同栄」の精神のもと、「相互扶助」を実現する庶民の金融機関として生まれた。1951年(昭和26年)、信用金庫法の施行にともない、全国の有力市街地信用組合のなかでもいち早く申請し、青梅信用金庫へと改組した。2022年には創立100周年を迎えている。
青梅という土地は、東京の西の端、多摩川の上流域にある。そこから営業圏を東へ、そして都県境を越えて埼玉県西部へと広げてきたことが、この信金の特徴だ。多摩西部の住宅地と中小工場、埼玉西部のベッドタウンと産業地——いずれも、人口と事業の集まる首都圏近郊である。「共存同栄」「相互扶助」の創業精神のもと、地域の産業の発展と暮らしを支える——その姿勢が、預金9,182億円・預貸率58.0%という規模と水準を支えている。証券会社との業務提携など、地域の事業者の資金調達の幅を広げる取り組みでも知られる。
58.0%を、多摩と埼玉から読む
青梅信用金庫の預貸率58.0%という水準は、多摩西部から埼玉西部という、住宅と中小事業の混じる首都圏近郊を地盤とし、都県境をまたいで貸出先を広げてきたことの表れだと読める。人口と事業の集まる多摩・埼玉西部は、信用金庫が貸す相手の厚い土地だ。青梅信用金庫は、その一帯に店舗網を伸ばし、住宅ローンや中小事業者への融資を通じて、預金の6割近くを貸出に回している。
不良債権比率3.82%という水準は、地域の事業者の浮き沈みを引き受けながら、焦げ付きを一定に抑えてきたことを映す。自己資本比率13.20%という厚さは、その備えでもある。多摩の上流に根ざしながら、都県境を越えて貸出先を広げ、預金の6割近くを地域に貸す——それが、青梅信用金庫の数字に表れた生き方だと読める。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。
東京の経済とともに
青梅信用金庫の数字は、多摩西部から埼玉西部という土地と、都県境をまたいで貸す信金の歩みの、両方を映している。預金の6割近くを地域に貸し、多摩・埼玉西部の住宅と中小事業を支えてきた。首都圏近郊の人口と事業の厚みが、58.0%という預貸率と、9,182億円という預金規模に表れている。
銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。青梅信用金庫を見れば、多摩西部から埼玉西部の経済と、そこで都県境をまたいで貸す信金の姿が浮かぶ。東京都の他の金融機関は、多摩を代表する多摩信用金庫、中央線沿線の西武信用金庫、城南の城南信用金庫もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。東京都の他の金融機関と並べて眺めたい方は、東京都の地域金融機関のページへ。
預貸率58.0%の青梅信用金庫は、地域の中小事業者によく貸す信用金庫です。実際に借りることを考えるなら、申込の前に手順と制度を押さえておきたいもの。融資の進め方と保証のしくみを、用語とあわせてまとめました。
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執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)
出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。多摩信用金庫・西武信用金庫の数値も同出典。
沿革・地域(青梅市に本店を置き、東京都多摩地域および埼玉県所沢市・入間市・狭山市・川越市・飯能市・新座市に店舗網を持つ信用金庫であること、1922年3月に有限責任青梅町信用組合として「共存同栄」「相互扶助」の精神のもと設立され、1951年10月に青梅信用金庫へ改組、2022年に創立100周年を迎えたこと、証券会社との業務提携を行っていること、青梅が多摩川上流の青梅街道の宿場町・織物のまちとして栄えたこと)に関する記述=青梅信用金庫および各種公開情報にもとづく。
青梅・多摩・埼玉の地理(青梅、多摩川、奥多摩、多摩地域、所沢、入間、狭山、川越、飯能)に関する記述=各種公開情報。
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