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ぐんまみらい信用組合——高崎の信組は、何を抱えて貸すか

預貸率57.6%、預金2,774億円、自己資本比率13.75%、不良債権比率6.75%。高崎市に本店を置くぐんまみらい信用組合。群馬に根ざす信組が、よく貸しながら何を抱えるのか。同じ群馬県の信組と比べながら、その数字と歴史を読む。

ニホン銀行紀行 ・ 群馬県

群馬県の高崎市に本店を置くぐんまみらい信用組合は、預金2,774億円を持つ信用組合だ。店舗35。高崎市を中心に、群馬県の各地を地盤としている。県内に広く店舗を構える、群馬を代表する信用組合の一つだ。

本拠の高崎市は、群馬県南部の交通の要衝だ。新幹線や高速道路が交わる関東有数の結節点で、商業・物流が集積する。県庁所在地の前橋市にも近く、両市を中心とする一帯が群馬の経済の中心をなす。周辺には農業地帯や地場の中小製造業も広がる。ぐんまみらい信用組合は、こうした交通の要衝・高崎を中心とする群馬に根ざし、県内の中小・零細事業者を支えてきた信用組合だ。

この信組の数字で目を引くのは、預貸率57.6%という標準からやや高めの水準と、不良債権比率6.75%というやや高めの数字だ。よく貸す一方で、焦げ付きはやや高い。なぜ、高崎の信組は、こうした数字になるのか。同じ群馬県の信組とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。ぐんまみらい信用組合の預金は2,774億円、貸出金は1,597億円。預貸率は57.6%で、預金の6割近くを貸出に回している。自己資本比率は13.75%、不良債権比率は6.75%。店舗数は35、中小企業等への貸出残高は1,431億円。

同じ群馬県で、前橋市を地盤とするあかぎ信用組合(預貸率70.8%・自己資本比率8.5%)と比べると、どちらもよく貸す信組だ。あかぎ信用組合の預貸率70.8%、ぐんまみらい信用組合の57.6%と、両者とも標準からやや高めの水準で、群馬の信組が地元によく貸していることを示す。一方、自己資本比率はぐんまみらい信用組合(13.75%)があかぎ信用組合(8.5%)を上回り、ぐんまみらい信用組合のほうが資本に厚みがある。ただ、不良債権比率6.75%とあわせて見ると、ぐんまみらい信用組合は、よく貸すなかで一定の焦げ付きを抱えつつ、厚い自己資本でそれを支えていると読める。

群馬県の二つの信用組合(令和7年3月末)
 ぐんまみらい信用組合あかぎ信用組合
本店高崎市前橋市
預金2,774億円1,295億円
預貸率57.6%70.8%
自己資本比率13.75%8.5%
不良債権比率6.75%3.75%

ともに群馬県を地盤とする二つの信組。どちらもよく貸す。ぐんまみらい信用組合は厚い自己資本を持ちながら、焦げ付きをやや抱える。群馬の信組が地元を支える姿が数字に表れている。

交通の要衝・高崎とともに——ぐんまみらい信用組合の歩み

ぐんまみらい信用組合は、群馬の中小・零細事業者の相互扶助の金融機関として育ってきた。高崎の商店、物流に関わる事業者、地場の中小製造業、農家、そして住民——こうした人々が組合員となり、預金を預け、必要なときに資金を借りる。ぐんまみらい信用組合は、複数の信用組合の合併を経て、群馬県内に広く根ざす信用組合へと成長してきた。

群馬という土地は、信用組合にとって、組合員の資金需要のある地盤だ。交通の要衝・高崎を中心に、商業・物流・製造業が集まり、中小・零細事業者が層をなす。地元の中小に密着し、組合員との関係のもとで貸す——この信用組合ならではの貸し方が、預貸率57.6%という水準を支えている。一方、人口減少や産業構造の変化のなかで事業を続ける借り手には、返済が滞る先も出やすく、それが6.75%という不良債権比率に映っていると読める。ぐんまみらい信用組合は、13.75%という厚い自己資本で、その焦げ付きを支えている。

6.75%を、群馬の信組から読む

ぐんまみらい信用組合の不良債権比率6.75%というやや高めの数字は、よく貸すなかで、地域の中小・零細事業者の浮き沈みを引き受けてきたことの表れだと読める。信用組合は、組合員という限られた範囲に貸し、地域の事業者と深く関わる。景気や産業構造の変化のなかで、返済の滞る先を一定程度抱えるのは、地域に密着して貸す信組の宿命でもある。預貸率57.6%という水準は、それでも地元の資金需要によく応えていることを示す。

自己資本比率13.75%という厚さは、その焦げ付きを十分に吸収できる備えだと読める。よく貸して一定の焦げ付きを抱えつつ、厚い自己資本でそれを支える——この均衡が、ぐんまみらい信用組合の数字に表れた生き方だと読める。交通の要衝・高崎を中心に、群馬の中小に貸し、焦げ付きを引き受けながら、厚い資本で守りを固める。地域に密着して貸す信用組合の一つのかたちが、ここにある。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

群馬の経済とともに

ぐんまみらい信用組合の数字は、交通の要衝・高崎を中心とする群馬という土地と、そこで組合員の中小によく貸す信組の歩みの、両方を映している。預金の6割近くを地元の組合員に貸し、焦げ付きを引き受けながら、厚い自己資本で支えてきた。商業・物流・製造業の集まる群馬の経済が、57.6%という預貸率と、6.75%という焦げ付きに表れている。

銀行や信用金庫・信用組合の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。ぐんまみらい信用組合を見れば、交通の要衝・高崎の経済と、そこで組合員に貸す信組の姿が浮かぶ。群馬県の他の金融機関は、前橋のあかぎ信用組合、高崎の高崎信用金庫、県トップの地銀群馬銀行もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。群馬県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、群馬県の地域金融機関のページへ。

不良債権比率とは 不良債権比率とは、貸出金などの債権のうち、返済が滞るなどして回収に懸念のある債権の占める割合。比率が高いほど、焦げ付きのリスクを抱えていることを示す。ただし、比率の高さは必ずしも貸し方の甘さを意味しない。地域に密着して中小・零細事業者に貸す信用組合は、地域の事業者の浮き沈みを引き受けるぶん、焦げ付きを一定程度抱えやすい。自己資本比率とあわせて見ることで、その焦げ付きを吸収できる備えがあるかが見えてくる。 → あわせて「預貸率の読み方」もどうぞ

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用組合の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。あかぎ信用組合の数値も同出典。
沿革・地域(高崎市に本店を置き、群馬県内を地盤とする信用組合であること、複数の信用組合の合併を経て県内に広く根ざす信用組合になったこと、高崎が新幹線・高速道路が交わる交通の要衝で商業・物流が集積すること、前橋市にも近いこと)に関する記述=ぐんまみらい信用組合および各種公開情報にもとづく。
高崎・群馬の地理・経済(高崎、前橋、交通の要衝、新幹線、高速道路、商業、物流、製造業)に関する記述=各種公開情報。

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