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大同信用組合——商都・大阪の信組は、なぜ預金の7割近くを貸せるのか

預貸率66.9%、預金7,032億円、不良債権比率2.54%。大阪市に本店を置く大同信用組合。信用組合として全国有数の規模を持ち、商都・大阪の中小事業者に深く貸す信組。その数字と歴史を読む。

ニホン銀行紀行 ・ 大阪府

大阪市に本店を置く大同信用組合は、地元で「だいどう」と呼ばれる信用組合だ。預金7,032億円。信用組合としては全国でも有数の規模を持つ大型信組である。商都・大阪を地盤に、中小・零細の事業者に密着して貸してきた。

信用組合は、信用金庫よりもさらに組合員の枠が狭く、地域や業域に根ざした相互扶助の金融機関だ。規模も信金より小さいことが多い。そのなかで、大同信用組合が7,032億円もの預金を集めるのは、商都・大阪という土地の厚みと、長年の地域密着の積み重ねによるものだと読める。大阪には、中小・零細の事業者が数多く集まり、町工場や商店、サービス業がひしめく。そうした事業者の資金需要に応えてきたのが、この信組だ。

この信組の数字で目を引くのは、預貸率66.9%という、信用組合として高めの水準だ。預金の7割近くを貸出に回している。なぜこれほど貸せるのか。同じ大阪の大型信組とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。大同信用組合の預金は7,032億円、貸出金は4,708億円。預貸率は66.9%で、預金の7割近くを貸出に回している。自己資本比率は12.25%、不良債権比率は2.54%。中小企業等への貸出残高は4,708億円にのぼる。

注目すべきは、預貸率66.9%という高さだ。同じ大阪市を地盤とする大型信組・大阪協栄信用組合(預貸率64.6%・不良債権比率1.42%)と比べると、両者は預貸率がともに6割台と高く、信用組合のなかでもよく貸す部類に入る。大同信用組合の預貸率66.9%は、大阪協栄信用組合(64.6%)をやや上回る。一方、不良債権比率は大同信用組合(2.54%)が大阪協栄信用組合(1.42%)よりやや高い。商都・大阪の旺盛な資金需要に応えてよく貸す——この姿が、二つの大型信組に共通して表れていると読める。

大阪市の二つの大型信用組合(令和7年3月末)
 大同信用組合大阪協栄信用組合
本店大阪市大阪市
預金7,032億円8,583億円
預貸率66.9%64.6%
自己資本比率12.25%13.0%
不良債権比率2.54%1.42%

ともに大阪市を地盤とする全国有数の大型信組。両者とも預貸率6割台でよく貸す。大同信用組合は預貸率がやや高く、商都の旺盛な資金需要に深く応える姿がうかがえる。大阪協栄信用組合とあわせて読みたい。

商都の中小とともに——大同信用組合の歩み

大同信用組合は、商都・大阪の中小・零細の事業者の相互扶助の金融機関として育ってきた。大阪には、町工場や問屋、商店、サービス業など、数えきれないほどの小さな事業者が集まる。銀行が取引しにくい小さな事業者にとって、信用組合は身近な資金の出し手だ。大同信用組合は、そうした事業者に密着し、必要な資金を供給しながら、信用組合としては全国有数の規模へと成長してきた。

商都・大阪という土地は、信用組合にとって大きな地盤だ。事業者の数が多く、資金需要も旺盛で、よく貸せる。一方で、中小・零細への貸出は、相手の経営状況を見極める目が欠かせない。事業者一軒一軒との近い距離と、長年の取引で培った関係が、よく貸す経営を支えていると読める。地域に密着した信用組合だからこそできる貸し方が、ここにある。

66.9%を、商都の信組から読む

大同信用組合の預貸率66.9%という高さは、商都・大阪の旺盛な資金需要に、よく応えてきたことの表れだと読める。中小・零細の事業者が数多く集まる大阪では、運転資金や設備資金の需要が絶えない。信用組合は、そうした需要に密着して応えることで、預金の7割近くを貸出に回せる。これは、貸出先が地域に乏しく預貸率が低くとどまる地方の信組とは、対照的な姿だ。

不良債権比率2.54%という水準は、信用組合として標準的だ。中小・零細に深く貸すなかで、一定の焦げ付きは避けられないが、自己資本比率12.25%という体力がそれを支える。商都の資金需要に深く応えながら、信組としての手堅さも保つ——それが、大同信用組合の数字に表れた生き方だと読める。同じ大阪の大阪協栄信用組合とよく似たこの姿は、商都・大阪を地盤とする大型信組が共有する特徴だと読める。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

大阪の経済とともに

大同信用組合の数字は、中小・零細の事業者がひしめく商都・大阪という土地と、そこに深く貸す大型信組の歩みの、両方を映している。信用組合として全国有数の規模を持ち、預金の7割近くを地元に貸しながら、信組としての手堅さも保ってきた。商都の旺盛な資金需要に応える力が、66.9%という高い預貸率に表れている。

銀行や信用金庫・信用組合の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。大同信用組合を見れば、中小・零細がひしめく商都・大阪の経済と、そこに深く貸す信組の姿が浮かぶ。大阪の他の協同組織金融機関は、もう一つの大型信組大阪協栄信用組合、市が生んだ大阪シティ信用金庫、コミュニティから生まれた成協信用組合もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。大阪府の他の金融機関と並べて眺めたい方は、大阪府の地域金融機関のページへ。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が高い金融機関は、地元の旺盛な資金需要に応えている一つの目安になる。事業者が数多く集まる大都市では、信用組合でも高めの預貸率を保てることがある。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用組合の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。大阪協栄信用組合の数値も同出典。
沿革・地域(大阪市に本店を置き、商都・大阪を地盤とする信用組合であること、信用組合として全国有数の規模を持つこと、中小・零細の事業者に密着して貸してきたこと)に関する記述=大同信用組合および各種公開情報にもとづく。
大阪の経済(商都、中小・零細事業者、町工場、問屋、商業・サービス業)に関する記述=各種公開情報。

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