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青和信用組合——葛飾の下町で、セイワは何に貸すか

預貸率62.9%、自己資本比率8.1%、不良債権比率2.63%。葛飾区に本店を置く青和信用組合「セイワ」。限定地域主義をかかげ、葛飾・江戸川・足立の下町に貸す信組の数字を読みます。

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ニホン銀行紀行 ・ 東京都

東京都葛飾区に本店を置く青和信用組合は、預金1,604億円、貸出金1,008億円、店舗8。「セイワ」の愛称で、葛飾区を中心に、江戸川区・足立区の一部を地盤とする信用組合です。

本店のある葛飾区高砂は、東京の東部、下町の一角です。柴又帝釈天の門前や、町工場・商店が密集する、ものづくりと商いのまちです。青和信用組合は「限定地域主義」をかかげ、葛飾区の高砂・柴又・新小岩などと、江戸川区・足立区の限られた町を営業地域とする、地域を狭く深く絞った信組です。数字の面で目を引くのは、預貸率62.9%という高さと、不良債権比率2.63%という低さの組み合わせです。

まず、数字を並べる

青和信用組合の預金は1,604億円、貸出金は1,008億円、預貸率62.9%。自己資本比率は8.1%、不良債権比率は2.63%。中小企業等向けの貸出先は3,312件です。

青和信用組合(令和7年3月末)
預金1,604億円
貸出金1,008億円
預貸率62.9%
自己資本比率8.1%
不良債権比率2.63%
中小企業等向け貸出先3,312件
店舗8店

預貸率62.9%・不良債権2.63%。限定地域主義で下町に貸す信組の数字を読む。

62.9%と2.63%を、下町から読む

預貸率62.9%は、本紀行で見てきた信用組合のなかでも高い部類で、集めた預金の六割超を地元に貸し出しています。あわせて、不良債権比率2.63%という低さは、その貸出が焦げ付きの少ない堅実なものであることを示します。狭い地域に深く根を張り、よく貸し、かつ傷が少ない——「限定地域主義」を掲げる信組らしい数字です。

青和信用組合が貸す相手は、葛飾を中心とする下町の中小事業者です。町工場や商店、まちの建設業やサービス業が、その融資先に含まれると考えられます。地域を狭く絞ることで、組合員一人ひとりの事情をよく知り、確実な貸出を重ねてきたことが、高い預貸率と低い不良債権の組み合わせに表れていると読めます。自己資本比率8.1%という薄めの守りは、集めた資金を抱え込まず地元に回してきたことの裏返しでもあります。もちろん個別の事情も絡むため断定はできませんが、限定地域主義の下町・葛飾という土地を抜きに、この信組の数字は読めません。

青和信用組合が示すのは、狭い下町に深く根を張り、よく貸し、傷を抑える信組の姿です。「限定地域主義」のもと、組合員をよく知って貸すからこそ、預貸率62.9%という高さと不良債権2.63%という低さが両立する。地域を絞ることの強みを映した数字です。

なぜ、こうなったのか——制度と地域

信用組合が融資できる相手は原則として「組合員」に限られます。組合員になれるのは、中小企業等協同組合法などにより、その信用組合の地区内に住所や事業所がある中小事業者・勤労者などで、員外への貸出には制限があります。事業者には規模の制限もあり、大企業は組合員になれません。

この制度のもとでは、貸す相手はおのずと地元の中小事業者や住民に絞られます。青和信用組合は、さらに自ら「限定地域主義」を掲げ、地区を狭く深く絞ってきました。組合員である下町の小さな事業者を、近い距離でよく知って貸すからこそ、高い預貸率と低い不良債権が両立する——制度の枠を、地域を絞ることでより強みに変えた姿と読めます。

同じ都の、信用金庫・信用組合と並べてみる

同じ城東の下町には、葛飾の亀有信用金庫(預貸率44.3%)や東京東信用金庫(預貸率55.3%)があります。青和信用組合(預貸率62.9%)は、これら下町の信金よりも高い預貸率で、狭い地域に深く貸しています。下町の協同組織金融機関の姿は、各記事もあわせてどうぞ。

数字は、根を張る土地を映す

預貸率62.9%という高さと、不良債権比率2.63%という低さは、葛飾の下町に狭く深く根を張り、組合員をよく知って貸してきた信組の姿を映しています。青和信用組合の数字は、限定地域主義の下町に根ざす「セイワ」の、いまの記録です。預貸率の読み方は預貸率の読み方を、東京都の他の金融機関は東京都の地域金融機関のページもどうぞ。

青和信用組合と融資・保証のはなし

青和信用組合は、地元にしっかり貸す信用組合です。実際に借入れを考えるなら、土台になるのは事業の中身を伝える準備と、保証制度の理解。借りる側が知っておきたい融資・保証の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。預貸率が低い金融機関は、相対的に融資先を求めている可能性をうかがう一つの目安になる。ただし、有価証券運用を主体とする金融機関は、預貸率が低くても融資に積極的とは限らない。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出先件数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
青和信用組合の概要(「セイワ」の愛称、「限定地域主義」を掲げ葛飾区を中心に江戸川区・足立区の限られた町を営業地域とすること)に関する記述=青和信用組合公開情報・各種公開情報にもとづく。
葛飾区・城東の下町の町工場・商業に関する記述=各種公開情報。
亀有信用金庫・東京東信用金庫の数値=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末。
信用組合の組合員・員外貸出に関する記述=中小企業等協同組合法ほか関係法令にもとづく一般的な整理。

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