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山形信用金庫——紅花とさくらんぼの城下町で、山形しんきんは何に貸すか

預貸率62.3%、預金1,375億円、自己資本比率11.93%、不良債権比率4.03%。山形県山形市に本店を置く山形信用金庫。県都・山形に根ざし、庶民信組との合併を経た山形しんきんが、何に貸すのか。同じ山形の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。

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山形県の山形市に本店を置く山形信用金庫は、預金1,375億円を持つ信用金庫だ。店舗13。略称は「山形しんきん」。山形市内のほか、上山市・寒河江市・天童市・西村山郡河北町に店舗を展開する。蔵王のふもと、県都・山形を中心とする村山地方に根ざしてきた信金だ。

本拠の山形市は、山形県の県都であり、城下町以来の商業と、村山地方の農業に支えられた町だ。かつて紅花の集散地として栄え、いまはさくらんぼ(佐藤錦)をはじめとする果樹をはじめ、米や野菜の産地・村山地方の中心地である。蔵王温泉を抱える観光の顔も持つ。山形信用金庫は、こうした紅花とさくらんぼの城下町・山形に根ざし、地元の中小事業者と暮らしに密着してきた。

この信金の数字で目を引くのは、預貸率62.3%という、信金として高めの水準だ。預金の6割超を貸出に回している。自己資本比率は11.93%、不良債権比率は4.03%。なぜ、県都の信金は、こうした数字になるのか。同じ山形県の信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。山形信用金庫の預金は1,375億円、貸出金は857億円。預貸率は62.3%で、預金の6割超を貸出に回している。自己資本比率は11.93%、不良債権比率は4.03%。店舗数は13。

同じ山形県の信金・信組と比べてみる。庄内の鶴岡信用金庫(預貸率39.1%・自己資本22.12%)、置賜の山形第一信用組合(預貸率58.5%・自己資本12.95%)と並べると、山形信用金庫の預貸率62.3%は最も高い。県都・山形という商圏で、地元の中小事業者に積極的に貸してきた姿が読み取れる。鶴岡信用金庫が預貸率4割を切り資本を厚く保つ守りの姿勢を取るのに対し、山形信用金庫はよく貸す。不良債権比率4.03%はやや高めだが、地域とともに歩んできたことを映していると読める。

山形県の協同組織金融機関(令和7年3月末)
 山形信用金庫鶴岡信用金庫山形第一信用組合
本店山形市鶴岡市東置賜郡
預貸率62.3%39.1%58.5%
自己資本比率11.93%22.12%12.95%
不良債権比率4.03%6.01%4.16%

いずれも山形県の協同組織金融機関。山形信用金庫は預貸率が最も高く、県都の商圏でよく貸す姿勢がうかがえる。

しょみんとの合併を経て——山形信用金庫の歩み

山形信用金庫は、山形市に本店を置く信用金庫として地域に根ざしてきた。2009年(平成21年)2月、同じ山形市に本店を置く山形庶民信用組合(しょみん)と対等合併した。郵政民営化などで経営環境が変化するなか、規模の拡大は不可避との認識から合併に踏み切ったものだ。存続金融機関は山形信用金庫で、本店は旧しょみん本店に置かれ、コーポレートカラーも合併前の青から旧しょみんの赤へと変わった。この合併により、預金高は県内信金で2位、貸付高では県内首位の規模となった。「地域とともに生きる金融機関」を使命に掲げている。

県都・山形という土地は、信用金庫にとって厚みのある地盤だ。城下町以来の商業、村山地方の農業と果樹、蔵王の観光——多様な地元経済が積み重なっている。合併を経て県内首位の貸付規模を持つ山形信用金庫は、この県都の商圏で、地元の中小事業者に積極的に貸してきた。預貸率62.3%という信金として高めの水準は、県都・山形の資金需要によく応えてきたことの表れだと読める。庶民信組との合併で貸付規模を拡大したことも、この高めの預貸率を支えていると読める。県都に深く根を張り、よく貸すのが、この信金の生き方だと読める。

62.3%を、村山から読む

山形信用金庫の預貸率62.3%という、山形の信金として高めの水準は、県都・山形の厚みのある商圏で、地元の中小事業者に積極的に貸してきたことの表れだと読める。城下町以来の商業、村山地方の農業と果樹に、貸出は向かってきた。

庄内の鶴岡信用金庫が預貸率4割を切り資本を厚く保つ守りの姿勢を取るのに対し、県都の山形信用金庫はよく貸す。庶民信組との合併で県内首位の貸付規模を持ち、県都の商圏に深く貸す——その姿勢が、62.3%という高めの預貸率に表れていると読める。不良債権比率4.03%はやや高めだが、地域とともに歩んできたことを映していると読める。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

山形の経済とともに

山形信用金庫の数字は、紅花とさくらんぼの城下町・山形という土地と、庶民信組との合併を経て歩んできた信金の歴史の、両方を映している。県都の商圏で地元の中小事業者によく貸しながら、村山地方の経済を支えてきた。城下町以来の商業と農業の蓄積が、62.3%という預貸率に表れている。

銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。山形信用金庫を見れば、県都・山形の経済と、そこで地域に貸す信金の姿が浮かぶ。山形県の他の金融機関は、庄内の鶴岡信用金庫、置賜の山形第一信用組合、県内最大の地銀山形銀行、第二地銀のきらやか銀行もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。山形県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、山形県の地域金融機関のページへ。

山形信用金庫と融資のはなし

山形信用金庫は、県都・山形に根ざした信用金庫です。地元の中小事業者に貸す信金とどう付き合うか、口座づくりから与信の考え方まで、知っておきたい銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。信用金庫では4〜5割台にとどまることも多いなか、6割超の水準は、地元の中小事業者への貸出に積極的なことをうかがわせる。自己資本比率とあわせて見ることで、その信金の姿が見えてくる。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。鶴岡信用金庫・山形第一信用組合の数値も同出典。
沿革(山形市に本店を置く信用金庫であること、略称が「山形しんきん」であること、2009年2月に山形庶民信用組合(しょみん)と対等合併し存続金融機関が山形信用金庫となったこと、合併でコーポレートカラーが青から赤に変わったこと、合併により預金高県内信金2位・貸付高県内首位の規模となったこと、「地域とともに生きる金融機関」を掲げること)=山形信用金庫および各種公開情報にもとづく。
山形・村山の地理・産業(山形市、村山地方、城下町、紅花、さくらんぼ・佐藤錦、果樹、蔵王、上山・寒河江・天童・河北町)に関する記述=各種公開情報。

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