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館林信用金庫——分福茶釜とつつじの館林で、たてしんは三県境に何を貸すか

預貸率47.3%、預金1,372億円、自己資本比率13.66%、不良債権比率4.2%。群馬県館林市に本店を置く館林信用金庫。分福茶釜とつつじの館林に根ざし、群馬・栃木・埼玉の三県境に広がる「たてしん」が、何に貸すのか。同じ群馬の信金と比べながら、その数字と歴史を読む。

ニホン銀行紀行 ・ 群馬県

群馬県の館林市に本店を置く館林信用金庫は、預金1,372億円を持つ信用金庫だ。店舗10。地元で「たてしん」と呼ばれ、館林市を中心に、群馬県東毛の太田・桐生・邑楽郡、さらに県境を越えて栃木県の佐野・足利・栃木、埼玉県の加須にまで広がる。分福茶釜とつつじの館林に根ざす信金だ。

本拠の館林市は、群馬県の南東端、関東平野のただ中に位置する。徳川四天王の一人・榊原康政が城を構えた城下町であり、五代将軍となる徳川綱吉が藩主を務めた地でもある。「分福茶釜」の伝説で知られる茂林寺、四月に咲き誇るつつじが岡公園のツツジ、そして利根川・渡良瀬川の水に恵まれた地で育まれた製粉・製麺業——館林は「うどんのまち」としても知られる。群馬・栃木・埼玉の三県境に近い交通の要衝でもある。館林信用金庫は、こうした三県境の城下町・館林に根ざし、県境を越えた広域の中小事業者と住民に貸してきた。館林市の指定金融機関でもある。

この信金の数字を見ると、預貸率47.3%という、信用金庫として標準的な水準が目を引く。預金の半分弱を貸出に回している。自己資本比率は13.66%。三県境に広がる信金は、何に貸しているのか。同じ群馬の信金とも比べながら、数字を読みにいく。

数字を並べてみる

まず、絶対値から。館林信用金庫の預金は1,372億円、貸出金は649億円。預貸率は47.3%で、預金の半分弱を貸出に回している。自己資本比率は13.66%、不良債権比率は4.2%。店舗数は10。

同じ群馬県の信金と比べてみる。県都・高崎を地盤とする高崎信用金庫(預貸率40.6%)、織物のまち桐生の桐生信用金庫(預貸率55.6%)、渋川の北群馬信用金庫(預貸率63.0%)と並べると、館林信用金庫の預貸率47.3%は、群馬の信金のなかで中位だ。高崎(40.6%)より高く、桐生(55.6%)や北群馬(63.0%)よりは控えめ。自己資本比率13.66%は、これらの信金(8~12%台)のなかで最も厚い水準だ。三県境の中小に着実に貸しながら、資本を堅実に保つ——バランスの取れた経営がうかがえる。不良債権比率4.2%は標準的で、堅実に貸してきたことをうかがわせる。

群馬県の信用金庫(令和7年3月末)
 館林信用金庫高崎信用金庫桐生信用金庫北群馬信用金庫
本店館林市高崎市桐生市渋川市
預貸率47.3%40.6%55.6%63.0%
自己資本比率13.66%11.42%10.03%12.06%
不良債権比率4.2%4.35%5.55%1.82%

いずれも群馬県の信金。館林は預貸率が中位だが、自己資本比率はこのなかで最も厚い。三県境で堅実に貸す姿を映す。

館林信用組合から——館林信用金庫の歩み

館林信用金庫は、1926年(大正15年)6月23日、「有限責任館林信用組合」として設立された。1951年(昭和26年)10月、信用金庫法に基づき館林信用金庫となった。本店は館林市本町に置かれ、略称は「たてしん」。館林市の指定金融機関として、地域の財政も支えてきた。事業区域は群馬県東毛にとどまらず、栃木県南西部・埼玉県北部にまで及び、三県境の広域を地盤とする。

2007年(平成19年)には、同じ群馬県東毛のアイオー信用金庫との対等合併で合意したものの、合併準備の遅れを理由に無期延期となり、以後は単独で歩んでいる。この経緯は、規模拡大よりも自らのペースでの堅実経営を選んだ、この信金の性格をうかがわせる。三県境という、複数県の経済が交わる地に広がりながら、館林信金は預金の半分弱を地域の中小に貸し、資本を堅実に積んできた。預貸率47.3%という中位の水準は、城下町・館林とその周辺の堅実な資金需要に着実に応えてきた姿勢の表れだ。自己資本比率13.66%という、群馬の信金で最も厚い資本は、無理に貸出を伸ばさず健全性を保つ堅実さの表れだと読める。不良債権比率4.2%という標準的な数字も、堅実な貸出姿勢を裏づけている。

47.3%を、三県境の城下町から読む

館林信用金庫の預貸率47.3%という中位の水準は、分福茶釜とつつじの城下町・館林を中心に、群馬・栃木・埼玉の三県境の中小に、着実に貸してきたことの表れだと読める。県都・高崎の信金より高く、織物や温泉の街の信金よりは控えめ。預金は着実に集まり、その半分弱を地域に貸す。

そのうえで、自己資本比率13.66%という、群馬の信金で最も厚い資本を保っていることが、この信金の性格を物語る。三県境の中小に着実に貸しながら、資本の備えを欠かさない。アイオー信金との合併を選ばず単独で歩んできたことも含め、規模を追わず、身の丈で堅実に歩む——その姿勢が、47.3%という中位の預貸率と、13.66%という厚い自己資本に表れていると読める。分福茶釜とつつじの館林で、たてしんは三県境の経済とともに歩んでいる。預貸率という数字をどう読むかについては、預貸率の読み方もあわせてどうぞ。

群馬の経済とともに

館林信用金庫の数字は、分福茶釜とつつじの城下町・館林という土地と、三県境に広がりながら単独で堅実に歩んできた歴史の、両方を映している。群馬・栃木・埼玉の三県境の中小に着実に貸しながら、群馬の信金で最も厚い資本を保ってきた。三県境の城下町という土地柄と、規模を追わない堅実さが、47.3%という中位の預貸率と、13.66%という厚い自己資本に表れている。

銀行や信用金庫の数字は、その土地の経済と、その金融機関の生き方を映す鏡だ。館林信用金庫を見れば、三県境の城下町・館林の経済と、そこで堅実に貸す信金の姿が浮かぶ。群馬県の他の金融機関は、県都・高崎の高崎信用金庫、織物のまち桐生の桐生信用金庫、渋川の北群馬信用金庫、前橋のしののめ信用金庫、県内最大の地銀群馬銀行もあわせてどうぞ。預貸率という数字の読み方については、預貸率の読み方へ。群馬県の他の金融機関と並べて眺めたい方は、群馬県の地域金融機関のページへ。

館林信用金庫と融資のはなし

館林信用金庫は、分福茶釜とつつじの城下町・館林に根ざし、三県境の中小に堅実に貸す信用金庫です。地元の事業者に貸す信金とどう付き合うか、口座づくりから与信の考え方まで、知っておきたい銀行取引の基礎をまとめました。

預貸率とは 預貸率(よたいりつ)とは、金融機関の貸出金残高を預金残高で割った比率。預かった資金のうち、どれだけを貸出に回しているかを示す。5割前後という水準は、地域の中小に着実に貸しながらも、貸出を無理に伸ばさない堅実な経営の表れであることが多い。自己資本比率とあわせて見ることで、その信金の貸し方と備えのバランスが見えてくる。 → くわしくは「預貸率の読み方

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・店舗数=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(信用金庫の計数は百万円単位を億円に換算。預貸率は貸出金÷預金で算出)。高崎信用金庫・桐生信用金庫・北群馬信用金庫の数値も同出典。
沿革(1926年6月23日に「有限責任館林信用組合」として設立されたこと、1951年10月に信用金庫法に基づき館林信用金庫となったこと、本店が館林市本町にあること、館林市の指定金融機関であること、群馬県東毛・栃木県南西部・埼玉県北部の三県境を事業区域とすること、略称が「たてしん」であること、2007年にアイオー信用金庫との合併合意が無期延期となり単独で歩んでいること)=館林信用金庫および各種公開情報にもとづく。
館林の地理・歴史(館林市、榊原康政、徳川綱吉、城下町、分福茶釜、茂林寺、つつじが岡公園、うどんのまち、三県境)に関する記述=各種公開情報・歴史的事実。

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