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令和8年熊本地震で被災した事業者へ——相談窓口・災害復旧融資・保証の一覧

2026年7月28日の令和8年熊本地震(最大震度7)で被災した事業者に向けて、特別相談窓口や災害復旧融資を始めた金融機関と、日本政策金融公庫の災害復旧貸付・セーフティネット保証4号といった政府系の支援制度を一覧にまとめました。設置日と地域つきで整理し、公表され次第、随時更新します。

ニホン銀行紀行 特集 ・ 被災事業者向け支援情報 ・ 7/31時点 最新情報順次更新

2026年7月28日16時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市と氷川町で最大震度7を観測しました。熊本県内の21市町村(10市10町1村)には災害救助法が適用されています。これを受けて、政府と金融機関は被災した事業者向けの支援を相次いで開始しました。この記事は、そのうち事業者が実際に使える相談窓口・融資・保証を一覧にしたものです。窓口は日を追って増えているため、確認できたものから順次更新していきます。

罹災証明書がまだ手元にない方へ 災害復旧貸付やセーフティネット保証4号など、多くの支援制度では罹災証明書(り災証明書)が前提になります。ただし今回は、金融庁から金融機関に対して、証明書の後日提出を認める、あるいは被害状況が分かる写真など他の手段で被災の事実を確認するといった、柔軟な取り扱いが要請されています。つまり、証明書が手元に揃う前でも、まず相談してよい可能性が高い。市区町村の窓口が混み合っている段階でも、資金繰りの相談だけは先に始められるはずです。

以下、この記事は四つの部分からなります。第一に、特別相談窓口や災害復旧融資を始めた民間金融機関の一覧。第二に、全国どこからでも使える政府系の支援制度。第三に、住宅ローンなど個人向けの救済。第四に、相談前に手元で準備しておくとよいもの。順に見ていきます。

特別相談窓口・災害復旧融資を始めた金融機関

令和8年熊本地震を受けて、被災した事業者向けの相談窓口や専用融資を開始した民間金融機関を、報道および各社の発表にもとづいて一覧にしました。取引のある金融機関がここにあれば、まずそこへ。融資の条件は行ごとに違いますが、いずれも「まず相談を受ける」という点は共通しています。

被災事業者向けの窓口・融資を開始した金融機関(2026年7月31日時点で確認できたもの)
金融機関地盤内容
肥後銀行熊本「令和8年熊本地震対応特別融資」を7/30取扱開始。融資額1億円以内・期間10年以内・短期プライムレート以上の所定利率。住宅ローン等の返済条件変更の相談にも対応
熊本銀行熊本(ふくおかFG)ふくおかフィナンシャルグループとして、被災者向けの相談・返済条件の変更等に対応
福岡銀行福岡復旧支援のための融資を7/30開始。融資額1億円以内・運転資金/設備資金とも期間10年以内・利率は個別対応
北九州銀行福岡・山口全店で、被災者向けローン(リフォーム・自動車等)および事業者向け融資に対応
大分銀行大分全店で、被災者向けローンおよび事業者向け融資に対応
鹿児島銀行鹿児島預金・融資に関する特別相談窓口を設置
宮崎銀行宮崎預金・融資に関する特別相談窓口を設置
宮崎太陽銀行宮崎預金・融資に関する特別相談窓口を設置
南日本銀行鹿児島預金・融資に関する特別相談窓口を設置

日本経済新聞の報道(2026年7月30日)および各社発表で確認できたもの。九州以外でも、りそな銀行・京都銀行が復旧支援のための融資を開始しています。窓口・融資の取扱いは日を追って増えており、この一覧は網羅を保証するものではありません。受付時間・条件の詳細は、各金融機関の公式サイトまたは電話窓口でご確認ください。

一覧に並んだ行の多くは、熊本を本拠とする肥後銀行・熊本銀行と、熊本県内に店舗を持つ九州各県の地方銀行(福岡・大分・鹿児島・宮崎)です。被災地に店舗網を持つ行から順に動いた、という並びになっています。ただし、取引先の金融機関がここになくても、あきらめる必要はありません。自行の取引先が被災していれば、個別に相談へ応じるのが金融機関の通例です。公表された窓口の有無にかかわらず、まずは取引金融機関に電話をしてみてよいはずです。

政府系の支援(全国共通・災害復旧貸付・保証)

民間金融機関とは別に、国も支援を用意しています。経済産業省は7月29日に被災事業者向けの支援措置を公表し、7月31日には資金繰り支援の徹底を関係機関に要請しました。地域や取引実績を問わず使えるのが、政府系の強みです。主なものを一覧にします。

政府系の支援窓口・制度(全国共通)
窓口・制度内容公式
日本政策金融公庫(特別相談窓口)全国の支店および事業資金相談ダイヤルで、融資・返済の相談に対応窓口案内
災害復旧貸付(公庫・商工中金)被災した中小企業・小規模事業者に、事業の復旧に必要な運転資金・設備資金を融資制度案内
セーフティネット保証4号突発的な災害で売上が減った中小企業に、信用保証協会が一般保証と別枠で融資額の100%を保証。直近1か月の売上高が前年同月比20%以上減少し、その後2か月を含む3か月も同様の見込みであることが要件で、市区町村長の認定が必要。普通保証2億円・無担保保証8000万円を通常枠とは別枠で利用でき、第三者保証人は原則不要。熊本県信用保証協会で事前相談を受付中経産省
既往債務の返済条件緩和日本政策金融公庫・商工中金・信用保証協会に対し、返済猶予等の条件変更、手続きの迅速化、担保徴求の弾力化を経済産業省が要請(7/31)経産省
小規模企業共済 災害時貸付小規模企業共済の契約者を対象とした、災害時の貸付制度中小機構
金融庁 相談ダイヤル0120-156811(平日10:00〜17:00)。金融機関との取引に関する相談を受付金融庁

経済産業省は7月29日に5つの支援措置を公表し、7月31日には資金繰り支援の徹底を要請しました。制度の要件・受付状況は更新されるため、最新の内容は各公式サイトでご確認ください。

政府系の窓口は、これまで取引実績がなくても相談できるのが特徴です。なかでもセーフティネット保証4号は、災害対応として融資額の100%を、通常の保証枠とは別枠で保証するという手厚い制度です。売上が前年同月比で20%以上減っているなら、市区町村での認定を受けたうえで使える可能性が高い。民間の取引金融機関と、政府系の制度。状況に応じてこの両方を使い分けるのがよいでしょう。

個人向け(住宅ローン・債務整理ガイドライン)

事業者向けの支援とは別に、個人が負う住宅ローン等についても救済の枠組みがあります。事業と生活の両方に被害が及んでいる場合は、こちらもあわせて確認しておくとよいでしょう。

個人向けの主な救済・措置
制度・措置内容
自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン災害で住宅ローン等の返済が困難になった個人が、一定の要件のもとで債務の免除・減額を申し出られる制度。弁護士等による手続きの支援を無料で受けられる。肥後銀行をはじめ、本ガイドラインの適用が可能である旨を案内している金融機関がある。窓口は、ローンの借入先の金融機関、または熊本県弁護士会
相談ダイヤル全国銀行協会および金融庁が相談窓口を開設。金融庁の相談ダイヤルは 0120-156811(平日10:00〜17:00)
通帳・印鑑を紛失した場合通帳や印鑑を失っても、本人確認のうえで預金の払戻しに応じる、再発行の手数料を求めないといった措置が、各金融機関で取られている

債務整理ガイドラインの利用には要件があり、すべての債務が対象になるとは限りません。適用の可否は、借入先の金融機関または熊本県弁護士会にご確認ください。

相談の前に、手元で準備しておくとよいもの

どの窓口に相談するにしても、手元に次のものをそろえておくと、話が早く進みます。特に売上高が分かる資料は、セーフティネット保証4号の認定申請で必要になるため、早めに整理しておくことをおすすめします。

相談・申請の前に整えておくとよいもの
資料なぜ必要か
罹災証明書(り災証明書)多くの支援制度の前提になる。ただし今回は後日提出を認める柔軟な措置が要請されており、揃う前でも相談は始められる
直近の試算表・資金繰り表当面いくら足りないか、融資の必要額を具体的に示す
売上高が分かる資料(前年同月比)セーフティネット保証4号の認定申請に必要(直近1か月で20%以上の減少)
被害状況が分かる写真罹災証明書が間に合わない場合の被災確認の手段になり、被害の裏付けにもなる
既存借入の返済予定表返済条件の変更(猶予・期間延長)を相談する際に使う

セーフティネット保証4号を使う場合、事業所の所在する市区町村の商工担当課への認定申請が必要になります。売上高を示す資料は、その申請でも使うため、いま整理しておくと後の手続きが早く進みます。

まずは取引金融機関に相談してみましょう。罹災証明書が揃う前でも、被害状況の写真などで相談を始められる可能性が高い。窓口の公表がない金融機関でも、取引先からの相談には個別に応じるのが通例です。並行して、日本政策金融公庫の災害復旧貸付と、セーフティネット保証4号という全国共通の選択肢があります。

執筆・監修:燧徹史(¥Today 編集責任者)

出典:民間各行の対応(特別相談窓口・復旧支援融資の条件)=日本経済新聞(2026年7月30日)および各社発表。
政府系の支援(災害復旧貸付、セーフティネット保証4号、既往債務の返済条件緩和の要請、小規模企業共済の災害時貸付、相談ダイヤル)=経済産業省「令和8年熊本地震」特設ページ(https://www.meti.go.jp/2026_kumamoto/index.html・2026年7月29日および7月31日発表)、日本政策金融公庫・金融庁・全国銀行協会の公開資料。
地震の諸元(発生日時・規模・最大震度・災害救助法の適用21市町村)=気象庁・内閣府等の公開情報。
※窓口の設置状況・制度の要件は日々更新されています。最新かつ正確な情報は、各金融機関および各公的機関の公式サイト・電話窓口で必ずご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、個別の資金調達・手続きの可否を保証するものではありません。

あわせて読む:同じく被災・被害を受けた事業者向けの支援窓口を一覧にした特集 → 全東信の破綻で困ったら——相談窓口・資金繰り支援・必要資料の一覧

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